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特別な日

七夕になった。

お正月や誕生日なんかは、去年を思い出し、今年はどうかなんて考えるが、毎年七夕に限ってはひとつ前の七夕に何をしたか思い出せない。

天の河に阻まれた織姫と彦星は年に一度、七夕の日に再開する。この上なくロマンチックで、また、星々に阻まれるというのがなんとも劇的で素敵なイベントであるが、年に一度だけ会う日というと、二人は何をするのか気になるではないか。

二人でこの一年のこと、これからの事を語らうのだろうか。宇宙にあるレストランに行ったり太陽の当たらない惑星に大きなスクリーンを準備し、映画でも観るかもしれない。そんな特別な日になるのだろう。

かくいう僕は、恋人と会える唯一の日と言われると頭を抱えて悩んでしまうだろう。というのも、誕生日は特別だから、なんでも買ってあげるよ、と言われると、あれでもないこれでもない悩みに悩んで最後はあみだくじなんてザラで、今週の日曜日は好きなだけゲームをしても良いよとも言われようものなら、どのゲームをしようかどれだけやろうか悩みきって日曜日には熱を出す、そんな子であった。

織姫と彦星はデートの計画を立てるのが大好きで、僕とは違い、素晴らしいプランナーであることを天の河に向かって願いたいと思う。

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