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Libryに入社し6か月経って思うこと-おまけ-

過去3編の記事で、タイトルにある通り「Libryに入社して6か月経って思うこと」を書きました。

Libryに入社し6か月経って思うこと-印象的な仕事編-
Libryに入社し6か月経って思うこと-剣護身術の影響編-
Libryに入社し6か月経って思うこと-未来編-

今回はおまけとして、入社後に読んだ本の中で、過去3編の記事との関連の深い2作について書きます。
奇しくも2作とも、私がLibryに入社した2021年に出版されています。


『友よ、 水になれ』

1作目の著者の名前はシャノン・リー。
『燃えよドラゴン』等で知られる、あのブルース・リーの実娘です。

本作では、偉大な映画スター、武術家にして実は哲学者でもあるブルース・リーの「水になる」という哲学について、著者が実際に見聞きしたブルース・リーの言動や、彼が遺した様々な手記、そして人生を通した実践を基に読み解いています。

以下の文章は、「水になる」という哲学の本質をよく表しており、好きな一説なので引用します。

「父はよく言っていました。
人生でもっとも大切な仕事は「自分自身であること」だと。
父の言葉を借りれば、それは”自己実現”、つまり自分の可能性を最大限に発揮することです。」

水のように時に柔らかく時には激しく、臨機応変に形を変えながら、決して別の何かにはならない。
常に最高の自分であるために。

Libryが掲げるビジョンもまた、一人ひとりが「自分の可能性を最大限に発揮」できる社会をつくることです。
そのビジョンに惹かれて入社し、実はブルース・リーがまったく同じことを言っていたと知ったので、本作の中でこの言葉が出てきた時には鳥肌が立ちました。

「水になれ」はブルース・リーが武術を修行する過程で生まれた哲学ですが、人生の全般に活かすことができます。
目的が「ブルース・リーのように強くなること」ではないからです。
かく言う私も、Libryにおける担当業務がマルチタスクなので、水が流れるように滑らかにマインドを切り替えて自分にできる最大限のアウトプットをしたい、と考えて取り組んでいます。
早速影響を受けていますね。

『宗棍』 

もう1作は、空手の礎を築いた松村宗棍を主人公にした今野敏先生の小説です。

子供の頃はほとんど読書なんてしたことがなかった私は社会人になってから読書が大好きになったのですが、そのきっかけになったのが偶然手に取った今野敏先生の作品でした。
しかも、今野敏先生の影響で武術・護身術を習うことにもなりました。
※次の記事で詳しく書きたいと思います。

挙句にはLibryに入社するのと時を同じくして、2021年の9月に護身術のインストラクターの資格を取得しました。
それ以前に、Libryへの入社を決断したこと自体、私が習っている護身術の影響が大きいです。

さて、本作は、松村宗棍という、幕末から明治の琉球(沖縄)に生きた実在の唐手(空手)の達人を主人公にした小説で、基本的には史実がベースになっています。
しかし、本作における宗棍には、今野敏先生の考え方が投射されているように思います。

その結果なのか、私の考える理想の護身術が漏れなく描かれていたので、本作を読んだ時も鳥肌が立ちました。
「私の考える理想の護身術」というより、剣護身術の考え方と技術そのものと表現した方が適切です。

今野敏先生の作品を読む→読書が好きになる/武術・護身術を習うようになる→護身術インストラクターの資格を取得する/Libryに入社するという道筋を歩んできた私にとって、本作は答え合わせというか、象徴的な作品となりました。

本作において宗棍は、師匠や対戦相手から様々な唐手の技法を教わります。
中でも「相手と常に触れ合った状態でいることで相手の動きを察知する」「相手の頭の向きを変えることで相手を崩す」というのは、技術の内容自体は異なりますが、考え方としてそれぞれ剣護身術における「剣流グラップリング-視覚遮断バージョン-」の稽古や、「旋転技法」という重要な要素と共通しています。

また、宗棍は作中、薩摩(鹿児島)で示現流という流派の剣術家と交流します。
示現流には「立木打ち」と呼ばれる、地面に突き刺した木(または自生している木)に木刀を打ち込む稽古があり、それに影響を受けた宗棍も「身体を剣のように強くする」ことを目指して、拳で巻藁(藁を巻き付けた木)を打つ鍛錬を始めます。

一方、剣護身術は、黒木代表が修行された大東流合気柔術という、剣術の理合が組み込まれた古流柔術と、神道流(神道夢想流杖術)の剣術(+正道会館空手等)がベースになっており、その名前の通り剣術の考え方や体捌きを重視しています。

それは技にも反映されており、「剣で入る」という技法があります。
剣を抜くような動作であると同時に、自分の身体を剣のような形にして相手の懐に鋭く突き刺す技法です。

「身体を剣に見立てる」という点で相通ずるものを感じました。

何より重要なのは、宗棍の追い求める「強さ」です。
宗棍は「相手を傷付けず、自分も傷付かないこと」がすなわち「強さ」であると考えます。
なので、相手に勝つことではなく、負けないことを目指して戦い、相手に戦意がなければ自分からは手を出しません。

これは剣護身術の考え方と完全に一致しています。
剣護身術が目指すのもまた、「負けない戦い」なのです。

今野敏先生が剣護身術を参考に本作を書いたのか、偶然の一致なのかはわかりません。
いずれにしても、今野敏先生と剣護身術の両方を敬愛する私にとっては非常に嬉しい作品でした。

おわりに

この記事で紹介した2作とも、狙った訳ではありませんが武術・護身術に関係する作品でした。
今後も武術・護身術の目線で見て面白いコンテンツを紹介したいと思います。

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