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お金は幸せや喜びそのものではなく、幸せや喜びのための手段。

昔から物欲が全然なく、とくにこれといって欲しいと思うものがなかった。それは大人になってからさらに加速し、社会人になって自分をお金を稼ぐようになっても、欲しいと思うものや買いたいと思うものがあまりない。

そもそも基本的に貧乏体質なので、お金を使うことに対してストレスを感じてしまうのも、物欲がない原因のひとつである。

数万円の買い物をするとなると数時間は悩んでしまうし、「それは本当に自分の人生に必要なのか?」を何度も自問自答し、自分の中での審査を超えたものだけ買うようになっている。

でも、それは自分に必要なものを買うときの話であり、他人に対してお金を使うときにはかなり財布の紐が緩んでしまう。

この間も「Switchが欲しいけどお金がない」と言っていた友達に「じゃあ今から買いに行くか」と言ってSwitch本体とゲームソフトを買ってあげた。別の友達はパソコンがあれば家で仕事ができて楽になると言っていたので、中古だがノートパソコンを買ってあげた。

これは決して「買わされた」のではなく、「欲しいなら買いに行こう!」と自分から申し出たことである。

友達もあわよくば買ってもらおうと思って欲しいと言っていたわけでもなく、もう15年以上の付き合いの友達なのでお互いに駆け引きやら騙したりずるがしこい気持ちがある関係でもない。

自分が自分に対して買うものに対しては、まるでバフェットが株を買うときのように基準を高く設定して選定しているのだが、他人に対してお金を使うときは投機家のようにお金を使ってしまう。

私は別にお金持ちではないし、貯金が何千万もあるわけでもない。他人にそんなにお金を使うのであれば、投資や貯金したほうがいいと普通の人は思うだろう。そのとおり、私もそう思う。

だが、昔から物欲がないのと貧乏体質であるため、お金を使う機会が全然ないことが何となく満たされないのだ。頑張って仕事をしてお金を稼いだところで、投資や貯金ぐらいしかお金の使い道がない。それが何だか寂しく、もったいないような気が昔からずっとしていた。

だからといって、お金がないと言っている友達なら誰でも必要なのものを買ってあげたいと思うかというと、そうではない。

自分でもわからないのだが、頑張っているのに報われない人の話を聞いていると、なぜだか助けてあげたいと思ってしまう。決して惨めだとかバカにしているわけではなく、お金で問題が解決するのであれば協力してあげたいと思うのだ。

そういうのを甘やかしと思う人もいるだろう。「魚は与えるのではなく、釣り方を教えないと意味がない」と言う人もいる。でも、ここで言っているのはそういう次元の話ではない。

ただ友達のためにお金を使うことで、友達の喜ぶ顔を見て、それで自分の気持ちが満たされるというだけの話だ。

自分だけお金を貯め込んでも意味はなく、お金は使ってこそ意味がある。だが、自分には欲しいものがなく、お金の使い道がない。だから友達が困っていて欲しいと言っているものは買ってあげたいと思う。それで自分の気持ちが満たされて友達の問題が解決するのであれば全然いいのではないか。

最近よく思うのだが、私のように物欲がない人間は自分にお金を使うよりも他人にお金を使ったほうが有意義だし、気持ちの面でも見返りが大きいのではないかと思う。

ご飯をおごってあげたり、誕生日プレゼントに高価なものをプレゼントしたり、サプライズで前から欲しいと言っていたものを渡してみたりなど、自分よりも他人に対してお金を使うことで社会的なつながりを感じられ、他人の喜びが自分の喜びにつながっていく。

アドラー心理学には「憂鬱なときは自分のことではなく、他人を喜ばせることを考えろ」という教えがある。

気持ちが満たされなかったり、憂鬱になるのは自分のことばかり考えているからで、他人の役に立とうと考え、他人が喜ぶ行動をとれば憂鬱な気分は消え去るという。

なるほど、私がやっていることはまさにそれかもしれない。ただ働いてお金を貯めるだけだけの人生に憂鬱を感じていた自分は、他人の役に立つことが足りていないのかもしれない。

お金で役に立つのが正しいのかどうかという問題はあるが、少なくとも自分のためだけに生きる人生よりは気持ちが満たされそうだ。

ふむ、なんだかパパ活で欲しいものを買い与えるおじさんの気持ちが少しはわかったかもしれない。スケベ根性でそういうことをする人も多いだろうが、お金で相手の役に立てるのであれば、暇とお金と性欲を持て余したおじさんがパパ活にハマるのも当然かもしれない。

今のところ私はパパ活には手を出そうとは思っていないし、こういう行動は自分の周りの本当に信用できる友達だけにしようと思っている。

世の中にはずるがしこい考えで近寄ってくるテイカーもたくさんいるので、そういう人たちに騙されないように気を付けようと思う。

将来や老後のためにお金を蓄えるのも大切だが、お金は使ってこそ意味がある。物欲がないのであれば親しい友達に対して使う。

あらためて、お金は幸せや喜びそのものではなく、幸せや喜びのための手段であることに気づいた11月である。


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