突然、お兄ちゃんになったんだよって言われてもね。でも成長するんだねって話
ジュンくんが3歳の時に妹のリカちゃんが産まれました。
朝目覚めた時、ママの姿はありませんでした。
いつもなら「ママ〜」と探すのに、何か察したのか黙って座っていました。
「ママは赤ちゃん産まれたから病院にいるよ。お昼ご飯食べたら会いに行こうね」
そう言ってあげると、おもちゃ箱からたくさんのミニカーを取り出し遊び始めました。
ママはいつからかお腹が大きくなって、抱っこしてもらえなくなったけど大好きなお兄ちゃんが手を繋いでくれた。
そのお兄ちゃんは、幼稚園の運動会のためパパと帰ってしまっていた。
甘えん坊のジュンくんは、ママもパパもお兄ちゃんもいない部屋で静かに1人で遊びました。
ママはどこ?と一度も聞かず、健気に。
小さな子に弟、妹が産まれるってどんな気持ちなんだろう?
それまでパパママの愛情を一身に受けていたのに、突然家にやって来た怪獣に半分持っていかれる。
半分ならまだしも、ほとんど持っていかれたなら?
ボクを見て!ボクもお世話して!って言うかのように、赤ちゃんと同じように哺乳瓶で飲みたがったり、オムツ外れてたのにまた逆戻りしたり。
いわゆる、赤ちゃん返りが始まるんだよね。
余裕のないママは、そんな上の子にイラついてしまう。
3歳にもなると話せるし、理解もできる。
だから「あなたが1番好きよ」ってギュッと抱きしめてあげるといいと思う。
もちろん1歳でも2歳でも。
ジュンくんの場合はお兄ちゃんがいたから、割と平穏でしたが。
5日もするとママとリカちゃんが退院してきました。
みんなが賑わっている中、ジュンくんは1人片隅にいました。
突然、妹って言われても戸惑うだろうな。
リカちゃんを側に連れて行き、触らせてみました。
最初は嫌がっていましたが、手を掴んであげると小さな妹の手をそっと握りました。
その瞬間、なんだか胸が熱くなりました。
そして、それ以上に胸にグッときたことが。
長男のユウくんがリカちゃんを膝に乗せて第一声、
「お兄ちゃんだよ」
と言ったのです。
ジュンくんが産まれた時、あんなにイジメて攻撃する日々だったユウくんが。
小さな妹に優しい声で「お兄ちゃんだよ」と語りかけるなんて。
今、思い出しても感動で涙ぐんでしまいます。
子供って、子供なりに色々経験してちゃんと育っていくんだなぁ。
と言うお話でした。
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