李琴峰

作家、日中翻訳者。台湾出身。最新刊『星月夜(ほしつきよる)』⇒ https://amzn.to/3i50f9u。群像新人賞優秀作。芥川賞、野間新人賞候補。 公式サイト→http://likotomi.com

李琴峰

作家、日中翻訳者。台湾出身。最新刊『星月夜(ほしつきよる)』⇒ https://amzn.to/3i50f9u。群像新人賞優秀作。芥川賞、野間新人賞候補。 公式サイト→http://likotomi.com

    マガジン

    • 【漢詩和訳】シリーズ

      李琴峰が好きな漢詩を現代日本語の散文に訳し、短い文章を添えるシリーズです。

    記事一覧

    【中文】李琴峰出道5周年紀念限量版《流光》NFT小說專案

    ★★★本專案販售期間已過,感謝支持★★★2022年5月,正是李琴峰作家出道5週年的月份。李琴峰出道作《獨舞》首次登上日本的文學雜誌,是2017年5月,正好是5年前的事。 出…

    李琴峰
    3か月前

    【日本語】李琴峰作家デビュー5周年記念NFT小説「流光」プロジェクト

    ★★★本プロジェクトは終了しました★★★ 2022年5月に、李琴峰は作家デビュー5周年を迎えます。 李琴峰の初の小説『独り舞』(原題「独舞」)が文芸誌で掲載されたのは20…

    李琴峰
    3か月前

    李琴峰新刊『生を祝う』試し読み

     ※この記事は、2021年12月7日に刊行された李琴峰の新刊『生を祝う』(朝日新聞出版)の試し読みです。  日本で「合意出生制度」が確立されたのはちょうど私が生まれた…

    李琴峰
    7か月前

    李琴峰の2021年振り返りと展望

     早いもので、2021年が終わりを迎えようとしている。  2020年2月、コロナ禍が始まったばかりの時、まさかこれほど長続きすることになるとは誰も思っていなかったに違い…

    李琴峰
    7か月前

    「反日」を一掃せよ

     7月中旬、芥川賞を受賞した数日後のことである。ネット上で、そこそこ人気のある某右翼ライターがある記事を発表した。受賞会見をしている時の私の顔写真とともに掲載さ…

    李琴峰
    10か月前

    【解決済み】知念実希人さんによる国籍差別発言に関連して

    ★★★  本件は既に当事者間で和解に至り、解決済みとなりました。 ★★★  2021年9月8日、作家の知念実希人さんは私のツイートを引用RTする形で、以下の国籍差別的なツ…

    李琴峰
    11か月前

    『ポラリスが降り注ぐ夜』が芸術選奨新人賞を受賞

    この度、李琴峰『ポラリスが降り注ぐ夜』(筑摩書房)が、第71回「芸術選奨文部科学大臣新人賞」文学部門を受賞しました。 「芸術選奨文部科学大臣新人賞」は「芸術選奨新…

    李琴峰
    1年前

    『SFマガジン』2021年2月号「百合特集2021」読後感

     『SFマガジン』2021年2月号で、2回目の百合特集を組んでいる。前回の百合特集は2019年2月号なので、ちょうど2年ぶりである。  前回の百合特集でもかなり話題になり、私…

    李琴峰
    1年前

    李琴峰の2020年お仕事まとめ

    色々大変だった2020年、コロナ禍の出口が見えない中で年末を迎えてしまった。 今年は去年の蓄積もあり、本を2冊刊行し、新作小説を3本発表し、エッセイや書評、評論なども…

    李琴峰
    1年前

    【現代詩】泡沫(うたかた)の歌

    もっと光を と叫びながら闇へ堕ちていく多くの人に いつ私たちが加わるか 隊列があんなにも長く、地の果てまで埋め尽くす いつからかそこにかかっている月と太陽のように …

    李琴峰
    1年前

    いいご身分ですね

     安倍総理が急遽辞職を発表した。その前から、「総理が147連勤で疲れが溜まっている」「別荘に入って休んでもらいたい」などの声が自民党内から上がっていたらしいが、「…

    李琴峰
    1年前

    LGBT関連のNGフレーズ集

     セクシュアル・マイノリティを題材に小説を書いていると、時々意味不明なことを言われたり、よく分かってもいないのに「分かっているつもり」で上から目線の評論を書かれ…

    李琴峰
    2年前

    トランス差別記事について、WANにお問い合わせしました

     お問い合わせの本文を以下に公開します。 --------------------------------------------------- WANのサイトに2020/8/12付で掲載された石上卯乃氏のエッセイ「トラン…

    李琴峰
    2年前

    尼僧と高雄と百合の、夢の話

     夢というのは不思議なもので、眠っている間にぬっと訪れては去っていく。くだらない夢しか見ない夜もあれば、全く夢のない眠りもある。しかし時おり壮大で奇想天外、そし…

    李琴峰
    2年前

    中学校の夢

     中学を卒業して十五年経つが、今でも時々中学の夢を見る。ほとんどの場合、それは悪い夢だ。  既に学士学位も修士学位も持っているにもかかわらず何故か中学をやり直す…

    李琴峰
    2年前

    池袋で変なじじいに絡まれたお話

     こんにちは、こんばんは。  一つ、お話を聞いてもらえますか?  先日、久しぶりに池袋に行きました。  池袋といえば、私の芥川賞候補になった小説『五つ数えれば三日…

    李琴峰
    2年前

    【中文】李琴峰出道5周年紀念限量版《流光》NFT小說專案

    ★★★本專案販售期間已過,感謝支持★★★2022年5月,正是李琴峰作家出道5週年的月份。李琴峰出道作《獨舞》首次登上日本的文學雜誌,是2017年5月,正好是5年前的事。 出道之後一路走來,自覺寫了不少東西,但回頭一看,發現竟也才過了5年而已。不管如何,出道5週年畢竟是作家生涯的一個重要里程碑,在此,李琴峰隆重推出首批「NFT小說」,作為出道5週年的紀念! 本次企劃首波販售所獲得的淨利10%金額,將會用於捐款,回饋社會。   ■販售期間:5/20(五)台灣時間20點~ ■販售網

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    【日本語】李琴峰作家デビュー5周年記念NFT小説「流光」プロジェクト

    ★★★本プロジェクトは終了しました★★★ 2022年5月に、李琴峰は作家デビュー5周年を迎えます。 李琴峰の初の小説『独り舞』(原題「独舞」)が文芸誌で掲載されたのは2017年5月で、ちょうど5年間経ちます。 色々書いてきたつもりですが、振り返ってみると5年しか経っていないか、という気持ちもありますが、ともかく作家デビュー後に迎えた初めての節目に、記念として「NFT小説プロジェクト」をやってみることにしました。 なお、本プロジェクトの一次販売による純利益の10%に相当する金額

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    李琴峰新刊『生を祝う』試し読み

     ※この記事は、2021年12月7日に刊行された李琴峰の新刊『生を祝う』(朝日新聞出版)の試し読みです。  日本で「合意出生制度」が確立されたのはちょうど私が生まれた年、今から二十八年前のことだった。  五十数年前、「失われた三十年」の末に日本が迎えたのは、世界を席巻する流行り病の災いだった。収束まで五年もかかり、世界人口の三分の一が失われたと言われるその災禍が、もともと不況だった日本経済を一気にどん底へ叩き落した。多くの国民が職を失い、国全体が食糧不足に陥り、街に出ると

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    李琴峰の2021年振り返りと展望

     早いもので、2021年が終わりを迎えようとしている。  2020年2月、コロナ禍が始まったばかりの時、まさかこれほど長続きすることになるとは誰も思っていなかったに違いない。あっという間に2年間が経とうとしている今も、疫病の終息の兆しが見えない。  「緊急事態宣言中の日数」が「緊急事態宣言が出されていない日数」よりも多い(東京都の場合)2021年、ありがたいことに李琴峰は大きな躍進を遂げた。  まずは2月、昨年刊行した連作短編集『ポラリスが降り注ぐ夜』が、第71回芸術選

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    「反日」を一掃せよ

     7月中旬、芥川賞を受賞した数日後のことである。ネット上で、そこそこ人気のある某右翼ライターがある記事を発表した。受賞会見をしている時の私の顔写真とともに掲載されたその記事によれば、「李琴峰の芥川賞受賞は、反日左翼による日台離反工作かもしれない」だそうだ。  ファンタスティック! この方のほうが私より小説を書くのに向いているかもしれないと思われるほどの、すさまじい想像力だ。これからも小説でご飯を食べていく者として、このライターの宣伝にならないよう、ひとまずここでは彼の名を伏せ

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    【解決済み】知念実希人さんによる国籍差別発言に関連して

    ★★★  本件は既に当事者間で和解に至り、解決済みとなりました。 ★★★  2021年9月8日、作家の知念実希人さんは私のツイートを引用RTする形で、以下の国籍差別的なツイートをしました。  知念さんはこのツイートで、私のTwitterでの発言を「露骨」な「政治活動」と表現し、更には「外国籍の作家」と強調しています。これは「外国籍の人は(たとえ日本で生活していても)日本の政治について発言するな」という、明らかな国籍差別です。  この点について、既に以下のツイートで抗議し

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    『ポラリスが降り注ぐ夜』が芸術選奨新人賞を受賞

    この度、李琴峰『ポラリスが降り注ぐ夜』(筑摩書房)が、第71回「芸術選奨文部科学大臣新人賞」文学部門を受賞しました。 「芸術選奨文部科学大臣新人賞」は「芸術選奨新人賞」とも呼び、文化庁主催の賞で、各年度「芸術各分野においてその業績により新生面を開いた芸術家に対し贈られる」賞です。 文学、演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術、放送、大衆芸能、芸術振興、評論等、メディア芸術、計11部門あります。 文化庁の発表によると、『ポラリスが降り注ぐ夜』への贈賞理由は以下の通りとなります

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    『SFマガジン』2021年2月号「百合特集2021」読後感

     『SFマガジン』2021年2月号で、2回目の百合特集を組んでいる。前回の百合特集は2019年2月号なので、ちょうど2年ぶりである。  前回の百合特集でもかなり話題になり、私の周りでも読書会が開かれたりしたが、私自身は特集そのものより少し遅れて、『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』で掲載作品を読んだ。女性同士の関係性を扱う「百合」の特集にもかかわらず書き手がほとんど男性だったということも気になるが、それより残念に思ったのは好きな作品があまりなかったということである

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    李琴峰の2020年お仕事まとめ

    色々大変だった2020年、コロナ禍の出口が見えない中で年末を迎えてしまった。 今年は去年の蓄積もあり、本を2冊刊行し、新作小説を3本発表し、エッセイや書評、評論なども色々書いているので、仕事的にはひとまず充実していたと言えると思う。 ただ、『ポラリスが降り注ぐ夜』刊行直後にコロナ禍が爆発的に感染が拡大し、イベント自粛、緊急事態宣言、書店の営業自粛などで売り上げが大きな影響を受けた気がする。 『星月夜』が上梓した7月もまだ自粛ムードが続き、サイン会や刊行記念イベントといったプ

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    【現代詩】泡沫(うたかた)の歌

    もっと光を と叫びながら闇へ堕ちていく多くの人に いつ私たちが加わるか 隊列があんなにも長く、地の果てまで埋め尽くす いつからかそこにかかっている月と太陽のように いつからか私たちはいて、息を殺して生きてきた なぜ生きるかより どう生き抜くかの方が常に切実で 気付けばもう覚えていない 先に信じられなくなったのは 正義なのかサンタか 利と欲と思惑に塗り替えられた色とりどりの世界に あなたと私は今日も密やかに生きる マイクの前で薄笑いを浮かべるあの人や ネットの虚空へ弾丸を撃

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    いいご身分ですね

     安倍総理が急遽辞職を発表した。その前から、「総理が147連勤で疲れが溜まっている」「別荘に入って休んでもらいたい」などの声が自民党内から上がっていたらしいが、「首相動静」を見る限り、安倍総理は147連勤といってもほとんどの時間は私邸で過ごし、外に出て公務に取り組んでいる時間は民間の会社員以下であることが分かる。「別荘で静養しなければ休みと言わないのかな? 本当にいいご身分ですね」というのが、一生活者としての素直な感想である。 「いいご身分ですね」という日本語は面白い。字面

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    LGBT関連のNGフレーズ集

     セクシュアル・マイノリティを題材に小説を書いていると、時々意味不明なことを言われたり、よく分かってもいないのに「分かっているつもり」で上から目線の評論を書かれることがあります。  よほどひどいもの(「レズビアン小説を書くならエロスが必要」とか「外国人が書くLGBT小説という枠を越えられていない」など)については都度講演のネタにしたりエッセイで反論しているが、いちいち言い返すのも疲れるし、自分の基準はどこにあるのだろうと自問する時がある。  この記事では、実にありふれた言

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    トランス差別記事について、WANにお問い合わせしました

     お問い合わせの本文を以下に公開します。 --------------------------------------------------- WANのサイトに2020/8/12付で掲載された石上卯乃氏のエッセイ「トランスジェンダーを排除しているわけではない」には、トランスジェンダー(特にトランス女性)の生活実態を踏まえず、あたかもトランス女性をシスジェンダー女性の安全を脅かす存在かのように描き、トランス女性とシス女性の対立を煽るような表現が多数含まれています。 また、

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    尼僧と高雄と百合の、夢の話

     夢というのは不思議なもので、眠っている間にぬっと訪れては去っていく。くだらない夢しか見ない夜もあれば、全く夢のない眠りもある。しかし時おり壮大で奇想天外、そして示唆に満ちた夢がまるで天啓のようにふと降ってくる夜もある。そんな時、私は言葉にして書き留めずにはいられない。これまでも台湾と中国との戦争が始まった夢や、編集者との打ち合わせに遅れる夢をnoteで書いたことがある。  昨夜もそんな夢を見た。  夢の中で、何故か高校の制服を着ている私は、鬱蒼と茂る森の中にひっそり佇む古

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    中学校の夢

     中学を卒業して十五年経つが、今でも時々中学の夢を見る。ほとんどの場合、それは悪い夢だ。  既に学士学位も修士学位も持っているにもかかわらず何故か中学をやり直す羽目になったり、高校入試で失敗して浪人することになったり、先生が鬼の形相で怒鳴りながら教鞭を振り回したりといった夢から覚めた時、私はいつも冷や汗をかきながら、自分がもう大人であること、そして日本にいることを確認して、ホッとする。  日本に来た二〇一三年の最後の日、台湾と中国が開戦したという血みどろの夢を見たのだが、夢の

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    池袋で変なじじいに絡まれたお話

     こんにちは、こんばんは。  一つ、お話を聞いてもらえますか?  先日、久しぶりに池袋に行きました。  池袋といえば、私の芥川賞候補になった小説『五つ数えれば三日月が』の舞台で、私にとってかなり思い入れのある場所です。  小説の中で、二人の女性の主人公は池袋西口公園で周りの風景を漠然と眺めながらかき氷を食べ、そのあと近くのドン・キホーテで花火を買って、荒川へ向かいました。  小説内の時間は2018年6月下旬、ちょうど池袋西口公園にあった噴水が撤去されて間もない頃でした。その

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