李琴峰

作家、翻訳家。芥川賞、芸術選奨新人賞受賞。新刊『言霊の幸う国で』6月下旬刊→http:…

李琴峰

作家、翻訳家。芥川賞、芸術選奨新人賞受賞。新刊『言霊の幸う国で』6月下旬刊→http://amzn.to/4eaqNUw。芸術選奨新人賞『ポラリスが降り注ぐ夜』→http://amzn.to/3hdIPIU。公式サイト→http://likotomi.com

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  • 【漢詩和訳】シリーズ

    李琴峰が好きな漢詩を現代日本語の散文に訳し、短い文章を添えるシリーズです。

最近の記事

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【支援者募集】滝本太郎によるデマ・名誉毀損・セクハラを告発します

一、滝本太郎によるデマ拡散・名誉毀損などの不法行為  作家の李琴峰です。  先日、滝本太郎が私について、Twitter(X)でこんなでたらめな投稿をしました。  私はSNSの毒を遠ざけ、創作のための時間と精神的余裕を得るために、ふだんはTwitterをほとんど見ないようにしています。  したがって、友人から連絡が来るまで、私は自分がこんなことを書かれたのを知りませんでした。  当たり前だが、滝本太郎のこの投稿は完全なるデマであり、何ひとつ確かな根拠がなく、事実に基づか

    • 【勝訴】対ツイ廃伊東麻紀の名誉毀損裁判における原告本人陳述書

       これは、先日勝訴した対ツイ廃伊東麻紀の名誉毀損裁判において、原告(李琴峰)側が提出した本人陳述書です。弁護士ではなく、私本人が執筆したものです。  残念ながら、本件は被告が「自分はもう小説を書いていない」などと虚偽の主張をしていたこともあり、「被告は社会的影響力のある人物ではない」という判断をされ、慰謝料が少額にとどまりました。  しかし本陳述書を読むと、誹謗中傷や提訴に至る経緯、誹謗中傷の被害状況、そして被告・ツイ廃伊東麻紀の人間性がよく分かると思います。  どうぞご一読

      • 【勝訴】誹謗中傷者・ツイ廃伊東麻紀は16万5千円支払え

         伊東麻紀とかいう人がいてですね。埼玉県川越市在住の60代女性で、昔SF小説を何冊か出していたらしい。一応作家の肩書を持っている人です。  こんな感じの人です。  この人は2021年12月から、9か月にわたって、私・李琴峰に対して執拗に誹謗中傷をしていたので、やむを得ず提訴しました。  その裁判の判決が先日下りました。「伊東麻紀は16.5万円支払え」とのことです。  この伊東麻紀という人は普段どんな発言をしているかというと、こんな感じです(注:反知性とLGBTQ+差別に

        • ハッピー・プライド、と言っていられないかもしれないけれど

           こんにちは、李琴峰です。  6月、プライド月間も残すところ数日ですね。  プライド月間――それは私たちクィア・コミュニティの歴史を記念し、存在を祝福するために祝祭です。抑圧と迫害を耐え抜き、暴動から始まり、疫病の時代を乗り越え、追悼に追悼を重ねてきたその先に、ようやく手に入れた、色とりどりの「祝福」です。  この祝福の月間に、「ハッピー・プライド」を合言葉にすれば、私たちは世界中のクィアの人たちと連帯できる――少なくともそのような想像に浸ることができるのです。  しかし

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        【支援者募集】滝本太郎によるデマ・名誉毀損・セクハラを告発します

        • 【勝訴】対ツイ廃伊東麻紀の名誉毀損裁判における原告本人陳述書

        • 【勝訴】誹謗中傷者・ツイ廃伊東麻紀は16万5千円支払え

        • ハッピー・プライド、と言っていられないかもしれないけれど

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        • 【漢詩和訳】シリーズ
          3本

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          【現代詩】はるけき君へ

          涙して見上げる空に、虹は咲いているのだろうか 溢れる雫は足元の花を潤す 幾度となく牙を剥く歴史に立ちすくみ 振り返った道は積み上がった屍 名もなく顔もなき人々は、何を求めて高らかに腕を掲げる いまだかつて味方になったことのない 世界、それは君の痛々しい悟り 獣たちの爪は研がれ、血を求めて振り回される 獰猛な形相に奪う準備はできている 奴らはもぎ取っていくーー 名前を、言葉を、時間を 歴史を、人生を、未来を 眠りを、笑みを、愛を 口を開けば下水口の悪臭 キーボードを叩け

          【現代詩】はるけき君へ

          Omegamanの馬鹿げた誤読に反論する

           Omegamanとかいうおっさんの顔のアイコンのアカウントがありますね。あまりにも馬鹿げたことを言っているので反論させていただきます。  この匿名アカウントによれば、私は自分で「トランスジェンダーであることを示唆している」しているとのことですが……  根拠にしているのはこちらのハフポストの記事です。  このOmegamanとかいう匿名アカウントによる読解は、誤読を通り越して曲解の域に至っているとしか言いようがありません。 「規範的なジェンダーからの逸脱者」と書くと

          Omegamanの馬鹿げた誤読に反論する

          いまだに李琴峰は反日だと騒いでいる人たちとか

           最近新聞に出たりしているから、また3年前に私が芥川賞を受賞した時「忘れてしまいたい日本語は『美しいニッポン』」発言を引き合いに出して、「李琴峰は反日だ」「こんなやつに芥川賞を与えるなんて芥川賞も地に落ちたな」とか騒いでいる連中がいるらしい。  こんなのとか。  こんなのとか。  こんなのとか。  こんな脅迫も届いた。  そういえば2021年7月に、鈴木傾城という右翼ライターが「李琴峰の芥川賞受賞は、反日左翼による日台離反工作かもしれない」というとんでもない陰謀論を

          いまだに李琴峰は反日だと騒いでいる人たちとか

          プライド・クルーズ大阪2024 スピーチ原稿

           2024年5月25日、「プライドセンター大阪」主催のイベント「プライド・クルーズ大阪2024」に、私・李琴峰はスペシャルゲストとして参加し、スピーチをしました。  以下、スピーチ原稿をここに掲載します。3分間くらいの短いスピーチです。  この原稿は、日本のクィア・コミュニティに広く伝えたいことでもあります。ぜひご一読ください。 --  皆さんこんにちは。小説家の李琴峰です。  スピーチをしてほしいと言われましたが、プライド・クルーズは初めてでどんな話をすればいいのか分

          プライド・クルーズ大阪2024 スピーチ原稿

          【5/11更新】毎日新聞5/8付、入管法改正関連記事に抗議しました

          2024年5月8日付で、毎日新聞は「永住者、税金など未納は1割 厳格化めぐり国が初公表」という記事を配信しました。 この記事のタイトルと内容は、日本に住む永住者に対する偏見を煽るものであり、誤報である可能性もありますので、毎日新聞社の問い合わせフォームでお問い合わせ・抗議をさせていただきました。 毎日新聞社に送付したお問い合わせの文面を以下となります。 何とぞご一読いただき、ご賛同いただける場合は拡散にご協力ください。 -- 貴社所属の三上健太郎記者が、5月8日付で、以

          【5/11更新】毎日新聞5/8付、入管法改正関連記事に抗議しました

          【記事まとめ】思索のノート:虹の筆で彩って

           2023年4月~2024年3月の1年間、長野県をベースにした地方紙「信濃毎日新聞」において、月に1回のペースで「思索のノート:虹の筆で彩って」というコラムを執筆してきました。  このコラムはタイトルからも分かるように、すべてクィア/LGBTQ+の観点から書いています。日本に住む一人のクィア女性(レズビアン)から見た世界の景色、クィアの文化と歴史、差別の現状とそれに対する批判、時事問題と論考など、毎回違うテーマを取り上げています。  日本の新聞において、このようにはっきり

          【記事まとめ】思索のノート:虹の筆で彩って

          李琴峰の2023年振り返り

           2023年も終わりを迎えようとしていますね。皆さんは元気に生きていらっしゃいますか?  2023年は色々なことが大きく動いた1年だったと思います。悲しいこともあれば、嬉しいこともあります。絶望に浸るような理不尽なことも起きたが、曇り空の向こうから一筋の光明が見えるような希望を抱いた瞬間もありました。  社会的には、LGBT理解増進法が改悪に次ぐ改悪の末、与党の賛成多数で通りました。この法律は当事者不在どころか、議論の最中には差別主義者が国会に招かれて堂々と差別発言をまき

          李琴峰の2023年振り返り

          李琴峰新刊『肉を脱ぐ』試し読み

           ※この記事は、2023年11月1日に刊行された李琴峰の新刊『肉を脱ぐ』(筑摩書房)の試し読みです。  ■Amazonページ:https://www.amazon.co.jp/dp/4480805141  湯船に浸かると、髪の毛先、乳房の先端、そして全身の毛穴から粉末くらいの小さな粒子がぽこぽこと浮かび上がり、お湯の中で広がっていく。かじかんで寒暖の区別がつかなくなりかけていた手足は、次第に温かいという知覚を取り戻していく。  鼻の下ぎりぎりまで顔をお湯の中に浸け、冷え

          李琴峰新刊『肉を脱ぐ』試し読み

          他者を書くということ:クィアの観点から

          ※この記事は、米アイオワ大学国際創作プログラム(International Writing Program)参加中に、アイオワ公共図書館で開催されるパネル・ディスカッションのために書いた発表原稿です。パネルのテーマは「他者を書くこと(Writing the Not-Self)」。記事は英訳を前提に書きました。 --  一人のクィアの創作者として、私は常に「他者を書くこととはどういうことか」と自問自答せざるを得ない。  日本でクィアの経験を書くのは容易ではない。日本はいま

          他者を書くということ:クィアの観点から

          声明:トランスジェンダー・ジャパン関係者が性加害告発を受けた件について

          2023年11月2日 李 琴峰  過日、「東京トランスマーチ」の主催団体である「トランスジェンダー・ジャパン」(以下、TGJP)の関係者が性加害の告発を受けたことを、「一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ」をはじめとした団体の声明で知りました。  私はクィア・コミュニティの一人として、普段からトランス差別を含むあらゆる差別に反対・抵抗する立場を明らかにしており、自らの創作・言論活動でも差別解消に努めてまいりました。TGJPは限られた人数と資金で、手弁当で運営されている団体

          声明:トランスジェンダー・ジャパン関係者が性加害告発を受けた件について

          誹謗中傷裁判カンパのお願い

          ryuchellさんの訃報を知った時に書いたnote記事でも触れていますが、私、李琴峰は今、複数の誹謗中傷者を相手に、民事訴訟や刑事告訴など法的措置を取っています。 これらの法的措置へのカンパを募るために、この記事を執筆しています。 発端は言わずもがな、2021年7月の芥川賞受賞でした。受賞以降、私は夥しい数の誹謗中傷を浴びてきました。私への人身攻撃、差別発言、低レベルの侮辱と悪口、そしてデマと誤情報が、SNSを中心に広まりました。 これらの誹謗中傷はかなり長いあいだ続き

          誹謗中傷裁判カンパのお願い

          ryuchellさんの訃報に関連して

          Facebookで友人がryuchellさんについて「ゆっくりお休みください」とつぶやくのを見て、芸能活動を一時休止するのかなと思いました。確かに、ryuchellさんに対するSNSでの誹謗中傷がかなりひどいものだったので、寂しいけれど心身の健康のために少し休んだ方がいいかもしれない、と私は気楽に考えました。 次の瞬間、ryuchellさんの逝去を報じるニュースが目に入りました。私はひどく動揺し、しばらく言葉を失いました。記事によると、「現場の状況から判断して自殺だった」

          ryuchellさんの訃報に関連して