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カミナリオヤジはいなくなった【今なら問題だけど必要悪・抑止力でした】

 こんにちは。江夏です。

あなたは「カミナリオヤジ」と聞いてピンとくるでしょうか?

今、30歳以上くらいの人であれば何となく想像できると思います。

ここで私の言うカミナリオヤジとは、親族ではありません。

全くの他人で、近所に住む口うるさいオヤジのことです。


今であれば(厳密に言うと昔であっても)大問題だと思いますが、幼少の頃、いたずらをすると、このカミナリオヤジによく怒られていたものです。

私が幼少期を過ごした福岡の田舎町には、カミナリオヤジが多く存在していました。

度がすぎるいたずらに関しては、ぶん殴られたこともあります。


ここまで聞くと、危険な話に思う人もいるかもしれませんね。

しかし、今考えると、感謝というのもおかしいのですが、カミナリオヤジの存在が治安を守り、少年少女の非行防止にもつながっていたと強く思います。


小学生の頃、友達との遊びに夢中になり、帰りが遅くなってしまった時の話。

全く自分と関係のないカミナリオヤジに「今、何時だと思ってるんだ!」と怒鳴られたことがあります。

当時の私から言わせれば、余計なお世話以外のなにものでもありませんでした。

しかし、カミナリオヤジの家の前を通らないと、かなり遠回りをして自宅へ帰らなくてはならなくなるために、あまり遅くなるのはやめようという気持ちになったのを覚えています。


私の友人は、中学生の頃、タバコを吸っているのをカミナリオヤジに見つかってぶん殴られました。

「関係ないだろ」と言う友人に、「大人になってからじゃないと吸っちゃダメなもんなんだよ」と言うカミナリオヤジ。

もちろん、ぶん殴るのはいけないし、タバコを吸う友人もよくありません。

しかし、中学生の喫煙を見て見ぬ振りする社会ならば、地元の非行防止の監視役としてカミナリオヤジのような存在がいる社会の方が良かったりするのかなと考えたりもしました。

ぶん殴るのはよくありませんが、それくらいのインパクトがあった方が「やってはいけないこと」を強く意識づけることもできるのかもしれません。

ぶん殴るのはよくありませんが。


地域にもよるのかもしれませんが、昔は地域のコミュニティが今以上に機能していたように感じます。

人それぞれに賛否両論あると思いますが、私自身はカミナリオヤジに口うるさく言われて育った環境でよかったと思っています。

あまり深く考えたことはありませんでしたが、小学生高学年から中学生にかけて、グレるきっかけになってもおかしくない場面にダークヒーローのような存在として目の前にカミナリオヤジが現れることがありました。

当時は、親でもないのに、担任でもないのに、警察でもないのに、なんで叱られなくちゃならないんだよ!と思っていました。

しかし、今となっては、叱ってくれてありがとうございます。と5人くらいカミナリオヤジの存在が目に浮かびます。

カミナリ戦隊オヤジレンジャーは、管轄があるかのごとく上手い具合に点在しており、私が目に余るいたずらをするときを発見して叱ってくださいました。


令和の現代において、カミナリオヤジがいたら、間違いなく通報されることでしょう。

それは仕方のないように思いますが、少し寂しい気持ちであることも確かです。

カミナリオヤジは「真面目な」少年少女時代を歩んでいる人からすれば、必要のない存在ですし、むしろ危険な人物だと思っても仕方がないと思います。

しかし、私のように、今思えば、「ああいう存在がいてくれて良かった」と思う人もいるのではないでしょうか?


親でもないのに、担任でもないのに、警察でもないのに、叱ってくれてありがとうございました。



江夏 岳

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