鬱病で新卒で入ったイタリア人が2週間で退職してローマ風カフェを開いた話とその売上推移について


みなさんこんにちは、Manciniです。

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私は新卒で居酒屋チェーンを運営する売上規模60億円程度のマザーズに上場している会社へ入りました。

日本の派遣雇用のシステムは政治的によく出来ており、経済合理性の判断の中においては新卒採用された人間を使い倒すことに最適化されています。

その中で私は使い倒されました。

ただ土を運ばされる奴隷もそれに伴って筋肉は肥大していきます。

それと同様に私は幾つかの知見を得ました。

私がローマ風カフェをオープンした理由は下記です。

- 粗利率の良さ (二重のオリエンタリズムによる強気な価格設定)

- オペレーション標準化の容易性 (スケーラビリティ)

- キッチン専有面積の少なさ (ROAの向上)

私はある時期までローマに住んでいましたが、そこにコーヒーを飲む文化はないです。

現代を生きるイタリアンの巨匠、小林幸司はコース料理のプレゼンテーションの際に、「バニラエッセンスを加えております。」と伝えるそうです。実際に入っていないのに。

私たちの提供するコーヒーのアロマは下記です。

トップノート: ローマの石造りの舗道

ミドルノート: 腹の底から鼻腔へ上がるオリエンタリズム

ラストノート: 資本主義の欺瞞

優雅な表象から内省を導き、構造を暴く私たちのコーヒーには圧倒的な製品力があります。


下記は本来、[a]の位置に記されるはずであった文章です。

本日は私の話はしません。

私を取り巻いた日本の就業環境、そしてローマ風カフェ、売上推移についてを書き記します。

まず、私が新卒で就職した会社は悲惨でした。

悲惨な点を一つ一つ挙げていたら言語一つ一つに与えられた箱に含まれる風船すべてを論うことになり、それを記述するスピードよりも意味空間を占有する風船が膨張、または収縮するスピードにいつまでたっても追いつけないのですべてを記述することは諦めました。というよりも、書き始める前からそんなことは分かっているので、これは誤解をさけるために書いています。

有体に言ってしまえば、その職場は悲惨とは程遠いものでした。

また職場が悲惨かどうかといった個別の事象は私にとっては些末なものです。

大切なことは、会社に入り、辞め、ローマ風カフェを開き、売り上げが変動する。その差異それ自体なのです。

実際的な問題として、私は新卒で会社に入り、辞めはしたものの鬱病ではないです。またローマ風カフェをオープンしておりません。(当然、売上も存在しない)
ただこの話は無意味ではないです。

なぜならば、何が真実なのかは私には到底分かりもしないからです。

そしていずれにしても、このエクリチュールは事後的に真実性を伴う可能性を、つねにすでに世界線を孕んでいるからです。


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