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ハーブでおいしい!地域に根差すヴィーガン料理を習って仏教文化を体験しよう/ベトナム・フエ料理教室参加レポート

ベトナムのフエは19世紀はじめから20世紀中頃まで王朝のあった古都。今は王宮など周辺の建物や地域が世界遺産に指定され、区域内は風情のある街並みが楽しめます。
フエにはもう一つ「仏教寺院が多い」という一面も。その為仏教が地域に根差しており、一般の方にも信仰者の方が多く、ヴィーガン(というよりは精進料理)が生活に溶け混んでいます。
今回、フエでステイした先のホストは月に4日(主に満月と新月の日)は菜食をしているそう。ベトナムらしいヴィーガン料理を教えてもらい、その後瞑想にも参加させてもらいました。

ちなみに、「ベジタリアン」は卵や乳を含みますが、「ヴィーガン」「精進料理」はそれを排します。更に、精進料理は煩悩への刺激を避ける料理である為、香りの強い食材を使いません。しかし、ベトナムなど東南アジアでは国柄そのような食材を使うことも多いようです。そのオリエンタルな風味が「ベトナムらしいヴィーガン料理」でユニークな味わいだと感じました。
なんとなく「ヴィーガン」というとしゃれた今時の食べ物というイメージがしますが、信仰の一環である精進料理と食べる内容や精神(殺生を避ける)はクロスする部分があり、目的によってその表現が変わるように思います。
(*今回の料理はホストが「ヴィーガン料理」と言ったので、「ヴィーガン料理」として紹介します。)

<概要> 
作った料理:3品 (豆腐onピーナッツソース、きのことレモングラス炒め、ターメリック厚揚げ)+ホストが振る舞ってくれたトマトとパインのサワースープ
費用:(515,000ドン:日本円で約2,500円)・市場訪問、受講料、瞑想案内
 *Airbnbでステイしていたので上記金額です。教室だけで申し込むと少し高くなります。
時間:16:45〜21:30(料理は20時ごろには終わり、その後は瞑想の時間)
進行言語:英語
場所:ホスト宅のキッチン
予約:Airbnb
オススメ度:★★★★★(★5つが満点)
参加難易度:★★☆☆☆(★が少ないほど難易度が低い)

<体験雑記>
ホストの家から車で5分ほどで市場につきます。見慣れないベトナム独自の食材の説明をしてもらいながら、食材を購入。生きたカエルがぴょこぴょこしているかと思えばそのまま皮を剥がれて調理されていたり、生命を感じる活気ある市場です。

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(↑バナナリーフで包まれたハム)

市場の方は長い方だと朝2時に農場へ行き、5時から夜の20時ごろまで市場で商いをする方もいるそう。確かに、Netflixの「ストリートグルメを求めて」というプログラムで「ホーチミン」の屋台の女性の回を見たのですが、睡眠は2〜3時間で朝方買い付けに行き、夜まで商いをしていました。

市場自体はそう大きくないので短時間で終わります。家に戻り、調理スタート。
ベトナム料理の決め手は「ニョクマム」という魚醤のようなソース。これで旨みを出しますが、魚由来なのでヴィーガン料理では使えません。
ホストのベトナム式ヴィーガン料理のうま味の素は「醤油」「カラメル」etc、そしてなんと言っても「香草」「スパイス」です。
ベースには東南アジアの料理では欠かせない「にんにく」と「香味玉ねぎ」大体がこの調味料をベースに食材や調理方法を変更して進行します。

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まずは怒濤のピーナッツの皮むき!!潰して炒めて豆腐に乗せます。ピーナッツ+味の決め手の香草。とてもパワフルな味でおいしい。豆on豆です。

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次は厚揚げ+味の決め手のスパイス。 スパイスやベースの味が濃いので 短時間で濃い味がしっかり染み渡ります。

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そして フクロタケとたっぷりの香草!!レモングラスがメインです。ベトナム料理には欠かせない香草だそう。

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食事ができたところで、フエのビールHudaとともにいただきます!
*このHudaビールは東南アジアのビールの中でも有数の「コク」有りビールでとてもおいしいです・・・(淡麗キレはTigerやLEOがおいしかった。)

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調理自体はとてもシンプルでサクサクと1時間ほどで進みました。味わいは動物性蛋白を使用していないとは思えないほど「ご飯に合う!」、米どころベトナムの美味しいご飯と共に箸が進みます。

食べている間に用意してくださったスープにはパインが!!トマトベースで酸味のあるスープなので抵抗なく美味しくいただけました。
デザートはベトナムの定番おやつ「チェー」甘さが控えめの温かいぜんざいのよう。色味が緑なのでかわいい。(これを作ってみたいという欲望もありつつ・・・)

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食後、ヴィーガン料理とはズレますが、私が市場で「これはなんじゃ?!」と目がテンになった卵で1品おつまみを作ってくれました。(写真左の茶色い卵。結局ピータンだった。)

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ビールを飲みながら、世間話。ヨーロッパや他のアジアにもご旅行されているし、各国から受け入れているホストなので世界の話やオススメのベトナムの旅行地について様々聞くことができました。

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料理と食事の後は徒歩3分ほどにある仏教寺院へ。(暗くて写真がめちゃめちゃです。)一般の人が身につける袈裟?のようなものをお借りして、簡単に説明をしていただき、45分の瞑想の後、立ってのお詣りやマスターの説法をいただきました。静かで風通しの良い異国での瞑想の経験はもちろんのこと、日本からの旅行者をあたたかく迎えてくれるマスターのまぶしい笑顔がとても印象に残っています。偶然か、日本語を話せる方が参拝者の中にいらっしゃって、説法は通訳をしてくれました。

と、料理教室というよりは「仏教の根ざす街フエでの生活体験」にちょっと近いかもしれません。はじめての文化に身も心も触れた充実の夜でした。

<総括>
内容が細かいので、検討している方向けの情報。
オススメ度:★★★★★
難易度:★★☆☆☆
◆こんな人にオススメ:
・精進料理やヴィーガン、ベトナムの仏教に興味がある
・フエでのアクティヴィティを探している
・猫好き(かわいい2匹の猫がいます。)

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◇こんな人は物足りないかも:
・とにかく料理をたくさん作りたい
・ベトナムのベーシックな料理を作りたい
(*料理好きでフレキシブルなホストなので事前に相談すればきっとアレンジも可能だと思います。)
◆オススメ度の理由:とにかくホストが親切だし、ベトナムの歴史や他国など色々なことに詳しく1つの文化を知る体験として充実しています。
◇難易度の理由:この難易度は立地的な面のみです。フエの観光エリアからは離れており、タクシーで行く以外にはありません。フエでは配車アプリが使えないので、流しのタクシーとの交渉は人によっては億劫に感じることでしょう。ただ、ホストは本当に親切なので帰りのタクシーは呼んでくれるし、なにかと相談に乗ってくれるはずです。興味のある方は是非参加してみてください。


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