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人とちがうということ|がんと生きた軌跡を写真にのこした話

先日、カメラマンのお友だちにお願いして
自分の写真を撮ってもらいました。

わたしの身体には手術の傷あとがあります。
肩もすこし変形しています。

ふだんは服でかくれているので
人に見られることはほとんどありませんが、
がんとともに生きてきた証でもあるこの体を
何かかたちに残しておきたい
な、という思いを
以前からなんとなく持っていました。

今回は、撮っていただいた素敵な写真たちに
わたし自身の病気の体験などを添えてみました。

※本記事には手術跡の写真が出てきます。
 苦手な方は閲覧をご遠慮いただきますよう
 よろしくお願いいたします。

⊹   ⊹   ⊹

ちいさな痛みから始まったこと


13才、中学1年生のときに骨肉腫こつにくしゅになりました。

骨肉腫は骨にできる腫瘍(がん)で、
10代などの若い人に多く発症するそうです。

私はさいわい発見が早かったため、
抗がん剤治療と腫瘍を取りのぞく手術を経て
転移もなく今日まで元気に生きています。

腫瘍ができたのは右の上腕部でしたが、
その周囲の筋肉なども取ってしまっているため
右肩はほとんど動かすことができません。


病気についての話はこちらにも書いています。
( 長いのでお時間あるときにでも )




障害をオープンにする理由


なぜ病気をオープンにするのかとよく聞かれます。

正直、特別な理由はない というのが本音なので
聞かれるたびにひそかに困っています。笑

逆にいえばそれほど自分にとって自然なことで、
文字どおり体の一部になっているのだと思います。
( 自分の趣味や生い立ちを話すのと同じ感覚 )


あえて言うなら、人とちがうってかっこいい
ポジティブに捉えているのも理由のひとつです。

人よりすこし何かが得意だったり
ちょっと変わった趣味があったり
人とちがう部分を自慢したくなるのと似ていて。

わたしの場合、傷あとやからだの障害は
がんの経験とともに生きてきた証で
誇らしいものだと考えているので、
知ってもらえたらむしろ嬉しいなと思います。

なにがいいとか悪いとか、
すぐれているとか劣っているとか関係なく
「人とちがう」って素敵なことだと感じます。

つらかった出来事も、
ほかの人にはない“わたしだけの経験”として
じぶんの強みに変えていけると信じています。


ずっと私の中にある「強さ」というテーマ


ちがうことは素敵だと言いつつ、
なんで自分は普通じゃないんだろう
人と同じようにできたらいいのに
と思ってしまうこともよくあります。
( 障害のことに限らず、日常のさまざまな場面で )


病気になってからずっと私の中にあるのは
「強さ」というテーマです。

わたしの考える「強さ」をざっくり言うと、
そのままの自分を受け入れること」、
そして「すべての人を尊重すること」です。

もちろんいつでも強くはいられないし
わたし自身悩むこともたくさんありますが、
そんな自分の弱い部分を認めることも
ひとつの強さなのかなと思っています。

そして、自分とちがうさまざまな考えかたも
やわらかく受け入れて、すべての人を
大切にしていける世界になったらいいです。
( やや規模の大きい話ですが、
 いま私が仕事でしていることはこんなことです )



おわりに


今回からだの写真を撮ってもらううえで
漠然と抱いていたイメージは、
見た人に「なんかきれいかも」「かっこいい」
と思ってもらえたらいいなということでした。

病気の経験や手術の傷あとを
かわいそう、痛々しいと思われるのではなく、
わたしの強みやひとつの個性として
魅力的に見せられていたらとても嬉しいです。


( そして…口下手なわたしの想いを汲みとって
素敵な写真を撮ってくれた友達に大感謝です!)

カメラマンKurage*さんのサイトはこちらから ⇣

(  XInstagram  )


⋱ 読んでいただきありがとうございました ⋰

オギノユキ


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