ひとりことり
つながるSDGs出前授業 給食始まりバージョン
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つながるSDGs出前授業 給食始まりバージョン

ひとりことり

市役所で地方創生SDGsも担当しています。
といっても、SDGs未来都市でもなく、狙っているわけでもないので、片手間です。
2年くらい前から、小学校でSDGsについてお話ししています。

市役所の職員が学校の授業で

SDGsについて何をこどもたちに話しているのか?
「SDGsを通して変革にチャレンジする人」が増えて欲しいと思っているので、その内容をnoteしようと思います。

7月1日、小学5年生約100人を対象に、40分間お話しした内容です。
先生のねらい、希望、一年間の学習の流れをお聞きして、
この内容にしようと企画しました。

1 はじめに(ねらい)

5年生のみなさんが、国語と総合の授業で、SDGsのゴールを調べて「行動宣言」までを報告書に書いたとお聞きしました。
今日は、少しでもみなさんの行動宣言が、本当の行動の始まりになるように後押しをしたいと、市役所から来ました。

2 給食が貢献するSDGs

この写真は何でしょうか。皆さんがさっき食べてきた給食です。
給食は、本当に良いものです。私はとても好きです。
SDGsで言うと、何に良いのでしょうか。
①貧困をなくそう
お金がなくて食べることに困っている子も食べることができます。
③すべての人に健康と福祉を
栄養のバランスが考えられていて、成長期に必要な栄養がそろっています。

ありがたいですね。
では、この給食は大昔からあったわけではありません。
誰かが始めたのです。

明治22年、山形県の小学校で貧困家庭のこどもを対象に、
食事を出したのが始まりです。
なぜ給食を始めたのか。
④質の高い教育をみんなに
お腹が減っては十分に勉強ができません。
みんなが勉強することができるように考えられました。

給食という仕組みを、
誰かが考えて、それを支える人がいたから、給食が今あります。
ありがたいことです。


3 紙パックが貢献するSDGs

給食のメニューに毎日ついてくる牛乳。
アレルギーのある人には違いますが、アレルギーがない人には、本当に体によい飲み物です。
カルシウム、タンパク質。成長期の体に重要です。
給食のメニューにすることにしました。
ガラスの瓶に牛乳を入れて、運ぶことにしました。
ところが、ガラスの瓶がとても重い。軽くならないものでしょうか。

⑨産業と技術革新の基盤をつくろう
紙とポリエチレンをラミネート加工することで、軽い紙パックができました。
⑬気候変動に具体的な対策を
軽い紙パックになれば、運ぶ人の体の負担も軽くなっただけでなく、運ぶためのトラックで使用するガソリンも減りました。
使い終わった容器を回収するのも軽くなり、燃料のガソリンが減ることで地球温暖化対策にもなりました。

紙パックという便利なものを、
誰かが考えて、それを支える人がいたから、紙パックが今あります。
ありがたいことです。


4 紙パックのリサイクルが貢献するSDGs

ところが、紙は再生紙にリサイクルできるというのに、
紙パックはリサイクルできませんでした。
紙パックの紙は、上質なパルプからできているのに、使い捨て。もったいないことです。

ポリエチレンがラミネート加工されているから、という理由でした。
しばらくして、紙とポリエチレンを分離させる技術はできました。
ところが、紙パックのリサイクルは断られていました。

なぜでしょう。

牛乳や飲み物が入っていた紙パックの、汚れと匂いが原因でした。
リサイクル工場で汚れたままの紙パックを積むと、
腐ったにおい、虫がきたり、極めて不衛生。
また匂いは、リサイクル品となる再生紙の質を落とし、大敵です。

リサイクル工場は、働く人にとっての職場です。
臭くて虫がくる、なんて、イヤに決まっています。
そして、変なニオイがする再生紙なんて、それは売れません。
企業だって、喜ばれる、売れる製品をつくるという役割があります。

汚れた紙パックは回収したくないわけです。

そこで、
つかった人が紙パックを洗って、開いて、乾かして、出すことをルール化することにしました。
ルールを守った紙パックが持ち込まれるようになり、紙パックを再生紙にすることができました。

誰かが考え、誰かが賛同し、今までのやり方をみんなで変えることで、日本の紙パックリサイクルの仕組みができたのです。
ヨーロッパにもないようなステキな仕組みです。

⑧働きがいも経済成長も
職場は、働く人のための清潔さが保たれながら、質の良い再生紙を製造することができました。紙パック6個分からトイレットペーパー1個ができました。
⑫つくる責任つかう責任
つかう人も責任を持って紙パックをつくる人に渡すことができ、つくる人も責任を持って再生紙を作ることができました。
⑮陸の豊かさも守ろう
紙の原料は木材です。再生紙をつかうことで、伐採する木の数を減らすことができました。


5 プラスチックはSDGsにどんな影響を?

紙パックの紙はリサイクルすることができました。
牛乳の容器で残っているのは、ポリエチレン。
プラスチックです。
プラスチックは、ビニル、ペット、ポリエステルなど、いろんな名前で言われていますが、原料は石油です。
この私たちの暮らしを便利にしているプラスチックですが、
いろんなSDGsに悪い影響を与えています。

まず、プラスチックは、燃やして処理しています。
⑬気候変動に具体的な対策を
プラスチックを燃やすということは、石油を燃やすことと同じ。二酸化炭素が増えます。
⑮陸の豊かさも守ろう
地球が温暖化すると、絶滅する生物がいます。砂漠化が進みます。
②飢餓をゼロに
砂漠化すると、食糧がとれなくなります。食べられない人が増えます。
③すべての人に健康と福祉を
食べられないと、栄養がとれず、弱い立場のひとから健康が損なわれます。

また、このプラスチックを、燃やさず放置したとします。
⑪住み続けられるまちづくりを
私たちの周辺に、ごみが増えます。ごみが落ちているまちは不快です。
⑮陸の豊かさも守ろう
このプラスチックが土の中に入ったとすると、プラスチックは分解されることなく、マイクロプラスチックとなり、生態系に影響を与えることでしょう。
⑥安全な水とトイレを世界中に
このプラスチックが水路や川を経て海にたどり着いても、分解されることなく、マイクロプラスチックとして、水中を永遠に漂います。
⑭海の豊かさを守ろう
マイクロプラスチックは、海の生き物たちに影響を与えることでしょう。
③すべての人に健康と福祉を
マイクロプラスチックは、海の生き物だけではなく、結局私たちの体に戻ってきてしまいます。


6 プラスチック対策

今、このプラスチックが引き起こす問題に対して、どうすればいいのか、私たちの社会は、ちょうど立ち向かっているところです。

原料が石油じゃなければいいのでは?
と考えた人がいて、トウモロコシやサトウキビからプラスチックを作る技術を開発しました。
これによって、燃やしても石油由来の地球温暖化の原因になる二酸化炭素は出ないし、プラスチックのまま自然界に流れ出ても、ポイ捨てしても、自然界で分解されます。

ところが、です。
そもそもトウモロコシもサトウキビも、食糧。
食べるものがなくて困っている人がまだまだ世界にはたくさんいるのに、
食べ物をプラスチックにするんだといって、収穫していく。
これは、②飢餓をゼロに の目標に逆行するのでは?とも考えられています。


6-1 ビニル袋をつかわない

一度つかったらすぐごみ、すなわち、使い捨てしないとか、プラスチックであるビニル袋を、減らそうと考えました。
マイバッグをつかおう、ビニル袋が必要ないならもらわない、必要な分だけつかえばよいのでは?

誰かが考えて、それを支える人がいたから、
今、レジ袋が有料化されています。
でもまだまだ、ビニル袋をつかわない行動が必要です。

6-2 使い捨て紙コップ・紙皿・お箸・スプーンはやめる

便利だけど、プラスチックを一度つかうだけで捨ててしまうのはもったいない、と私たちは考えています。
でも、これには決定的なものがまだありません。
お箸の使い捨ては、お店によってなくなったところもありますが、紙コップなどはどうすればよいのでしょう。
例えは、スポーツ観戦のときの飲み物や食べ物。ガラスや陶器では危険です。やはり紙がいい?どうすればいい?
誰かが考え、それを支える人が必要です。

6-3 ペットボトルは洗って何度もリサイクル

便利なペットボトル。
今、ペットボトルを再生ペットボトルにもう一度つくる技術があります。
でもこれも紙パック同様、出す人が決められたルールを守ることが必要です。
守れないなら、ペットボトルはつかわないことです。
誰かが考え、それを支える人がいなくてはなりません。

6-4 文房具はエコマーク入りを選ぶ

再生プラスチックや再生紙をつかっている割合が高い文房具には、エコマークが入っています。
エコマークのあるものを買うことで、再生品の流通量を増やし、安くしないと選んでもらえません。
買う人の責任も考える人がいて、それを支える人が必要です。


7 課題を解決する人は?

このプラスチック問題を完全に解決することは、どんな国もどんな企業もどんな人もできていません。

解決方法を考える人がいて、それを支える人がいないと、解決しません。

それは誰でしょう?
誰でもいいのです。男性でも女性でもどちらでもなくても。
日本人でもアメリカ人でもフランス人でも中国人でもなに人でも。
障害があってもなくても。
こどもでもおとなでも高齢者でも。

なのに、世の中には、ときに誰かの参加を阻んでいるという課題もあります。

今から少しお話をします。

『お父さんが車を運転し、息子と一緒にドライブをしていました。
不運にも交通事故にあいました。
お父さんは軽傷で済みましたが、息子は頭に大けがを負いました。
今すぐに手術が必要です。
でも幸運にも、近くの病院に、大変有能な脳外科医がいました。
すぐにその脳外科医のもとに運ばれました。
運ばれてきた子どもを見て、脳外科医は言いました。
「私には手術できない!この子は私の息子だから」と言いました。』

というお話です。
その話を聞いていたこどもたちがきょとーんとしました。

もう一度お話しました。
それでもこどもたちから一斉に「え?」という小さな声がします。

なぜ、こんな反応になってしまうのでしょう。

この、脳外科医はこの子どもの親です。間違いありません。
運転していた男性もこの子どもの親です。間違いありません。
なのに、聞いている人はわからないのです。
なにか特別な事情でも…?

いえ。
脳外科医が、女性、母親なのです。
と言っても、まだよくわからない顔をする子どもたち。

脳外科医と言うと、それも優秀な脳外科医というと、
私たちは無意識に男性だと思い込んでいるのです。
女性だって医者になれますし、
優秀な脳外科医になれるのに、です。

⑤ジェンダー平等を実現しよう
課題を解決していく人は、男性だけではないのです。
女性も偏見なく活躍の場を与えられ、能力を十分に発揮できる世の中にしなければ前に進みません。
女性が言うことを軽く見る社会があるのだとすれば、解決していく機会を、本気で私たちは用意し、立ち向かおうとしているのでしょうか。
⑩人や国の不平等をなくそう
それと同じで、誰もが平等だと、行動すべきです。
何人でも、どこ出身でも、持てる能力を十分に発揮できる世の中にしなければなりません。
⑯平和と公正をすべての人に
ケンカしたり、紛争したり、戦争している場合ではありません。
足の引っ張り合いなんて言語道断。
今、世界でおきている殺し合いをどうやったら止められるのでしょう。
死んでもいい人なんてこの世にはいないのに。

⑰パートナーシップで目標を達成しよう
解決の方法を考えた人がいたら、
ぜひ、それを支える人になってください。
その人が好きとか嫌いとかではなく、その行動やアイディアがSDGsの実現に貢献すると思えば、それいいねと言い、支え、勇気を持って行動してください。
その行動が今の私たちの課題を解決します。

それが、みなさんが報告書に書いたSDGs行動宣言です。
みなさんの行動に期待しています。


SDGsマインドでGO!

SDGsマインドとは、自分がまだまだできていないことがあることを正直に受け入れることもその1つだと思います。
完璧になったら発言するのではなく、完璧でなくても発言する。

実際、私はエアコンのきいた部屋にいて、
ポリエステルの服を着て、ペットボトルのお茶を買います。
ガソリンの自家用車で移動して、ごみ袋としてビニル袋を使い、紙コップも使うし、冷蔵庫で賞味期限を大胆に越えてしまい、買った野菜を腐らせごみにもします。
さっきの脳外科医のアンコンシャスバイヤスにもひっかかりました。

SDGsのゴールをすべて達成している国も企業も人も、誰もいないと、潔く割り切って、これからの私の行動変容に期待!なのです。

今回、小学生の授業でも、いかにも17の目標をすべて網羅したようなお話になっていますが、
⑦エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
を取り残しています…

どうすれば、この与えられた時間の中に盛り込むことができるか、
これは、次回の私に期待です。


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SDGsへの向き合い方

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市役所勤務はもう26年。 誰かと食事しながら会話をするように、伝えたいことをnoteしたいです。