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10年間御守デザイナーをやってみてわかったこと。 #04お守の話~中身編~

こんばんは。元御守デザイナーのりいなです。
このマガジンは、10年間神社仏閣の世界でデザインにどっぷりと浸かった中で得たものをまとめていくnoteです。

今回は、やっと本題のお守の話【中身編】です。


お守を語るにはそのもとになるお札の説明が不可欠とはいえ…長かった。


では、すぐに本題に入りましょう。

御守の中身

お守の中を覗いてみたことはありますか?
よく『罰が当たる』など云われますよね。


その理由は、

お守の中を見る=封印を破る

お札の構造で説明しましたが、お札の和紙で包まれた中には神様が宿る印があります。神様がパワーを発揮するために、お札の裏には封印の判子が押されていますね。

これはお守にも適応されています。

本来はお守の中を見てはいけないというのはお守の中は俗世と切り離された聖域で、神様のパワーが保てるようにキレイキレイ空間な訳です。

https://note.com/leena333/n/n92899dc8155b

ここでも説明しましたが、

お札→リモート神社。自宅の神棚が遠隔神域に。神様と繋がってるよ。
   オートで神様パワー注入。
御守→神様のパワーが宿ってる補助具。マジックアイテムだよ。
   身を守ったり、願いを叶える後押しを発してます。

つまりお札は家の遠隔神域にいるので、その場がキレイであれば無事ですが
常に俗世に晒されるお守はただでされキレイを保ちづらいのに
封印を暴かれたら一発アウト~な訳です。


youtuberさんなど中身を暴いた動画を見かけますが、
どうかまずお守を神社仏閣でいただく時のお参りで用途の説明と、終わった後でお焚き上げのお礼参りをしてください(小声)


もう一つの疑問。お札は和紙で包まれて封印されてるじゃん?お守も同じなら袋の中を見るのはセーフじゃない???


いい質問ですねー。





これには寺社でも考えが異なります。
確かにお札を小型化した形状のものであればギリギリセーフな感じはありますが、それでもダメだという考える寺社の方が比較的多いように思います。

●中を開けるのはセーフ派
元々は袋の中身だけを神社仏閣では頒布(販売)していた。
それを持ち帰って、それぞれが携帯しやすいように袋に入れていたのだから
  お守=中身
ではないか。だから袋を開けるのはセーフ。

●中を開けちゃいけない派
確かに昔は中身だけを頒布(販売)していた。そのため、現在でも中身だけで頒布しているものはその物がお守という解釈でよいと思う。
しかし、今は袋に入った状態で出されているものが多く、それらは袋に入った状態で神様の御霊をこめている。
つまり、袋込みでお守であるのだから、開けるのはアウト。

このような理由で、
袋の中自体が神様の神域なので開けるのはやめましょう。




ちなみに、中身だけの頒布(販売)は実際にあります。

守祓-神宮

https://www.isejingu.or.jp/visit/amulet/naiku.html
伊勢の神宮の守祓(三重県)

金の満ちる御守-十番稲荷神社

http://www.jubaninari.or.jp/omamori.html
十番稲荷神社の金の満ちる御守・願掛け御札セット(東京)

御内符-伊勢崎神社

http://www.isesaki.or.jp/meisen_omamori.html
伊勢崎神社の伊勢崎銘仙のお守袋は、袋と中のお守を自由に選べ、
中のお守のみも可能(群馬県)


もしも、家族・友達・先輩など、

  オリジナルのお守をプレゼントしたい!
  メッセージカードを入れたい!
  でも神社仏閣の願掛けも欲しい!

という時には、中身だけを入手することも一つの方法です。


また、番外編として今は袋と中身を好きに組み合わせができるタイプのあります。これは中を開けちゃダメなやつですね。

祈願札-岐阜護国神社

https://www.gifu-gokoku.com/omamori.html
岐阜護国神社の自由に袋を選べるお守り(岐阜県)


御守の中身の素材

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中を見たことのない人には、お守の中身がどういうものは想像がつかないと思います。

上で紹介したお守の中身に
  『木(岐阜県護国神社)』
  『紙(神宮/十番稲荷神社)』
  『布(伊勢崎神社)』
がありました。



金属で多いのは、仏像や神像。五円。他には子孫繁栄として男女の生殖器(ド直球)です。

えびす金像入御守-蛭子神社

https://www.hyogo-ebisu.com/syokai/ofuda.php
柳原蛭子神社のえびす金像入御守(兵庫県)

石で多いのは、勾玉。さざれ石。天然石。神域の石です。

縁結び玉-川越氷川神社

https://www.kawagoehikawa.jp/#/omamori/
川越氷川神社の縁結び玉(埼玉県)



神様が宿る素材というのは、実際に神社でご神体になっている素材です。
三種の神器は石と金属です。
他に、山だったり、岩だったり、滝だったり、木だったり、空気だったり。

そういったものを加工して、さらに持ち運びしやすいものが
 ・木
 ・紙
 ・布
 ・金属
 ・石

だったという事です。


袋じゃない御守の場合

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お守には袋状じゃないものもあります。根付(ストラップ)だったり、
アクセサリーみたいなものだったり…

そういったものにもあの手この手の工夫をして神様の依り代が付いています。


正直、こっちは神様むき出しです・・・。


大丈夫なの?と心配になりますが、需要があるので供給があります。
仕方ないですね。
なのでパワーが弱りやすいと思って大切にしてください。



個人的に新製品開発で苦労したのは、こういった飾り系のお守の素材選びです。

依り代が付いていればどんなデザインでもいいのか?→ダメ
プラスチックや樹脂など石油系は依り代になるの?→ダメ
歴史が浅いけどアルミは???→金属だから〇
印が依り代ならプラスチックに印を入れたらどうだ!→ダメ


難しいですね。


さらにはロゴが入らない問題とかもあり、
水引にタグを入れるとダサイのはなんとかならないか。
せっかく可愛いちりめん細工に無理やりタグつけるのヤバイ。

など、それはまぁ色々ありました。



知り合いに
「お守を買って(受けて)ネームプレートがダサイから取っちゃった💕」
という人が複数いました。


・・・・依り代取らないでください。(気持ちはわかる)





次回はお守の柄についてです。

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