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BATNAについて

ビジネスの様々な場面で、人と交渉することがあると思います。その際、自分の要求を通して相手の譲歩引き出す「交渉術」が重要となります。
前回、「ZOPAについて」紹介しましたので、こちらも読んでいただければと思います。

BATNAとは

BATNAとは、「Best Alternative To a Negotiated Agreement」の略で、日本語では「合意に至らない場合の最善の代替案」という意味です。

簡単に言えば、交渉が不成立になる場合、自分が別の案を提示するポイントです。逆に、相手もBATNAを超える交渉は拒否することになります。

例えば、家電量販店で買い物をする際に、「Amazonの価格より高かったら、Amazonで買いますよ」というのは、交渉が合意に至らない場合、別の店で買うという「自分のBATNA」を先に提示することで、相手との交渉を優位にする交渉術となります。

自分のBATNAを明確にしておくことで、交渉の様々な局面で代替案を提示することができ、相手のBATNAを想像することで、合意に至る確率が高くなります。

また、交渉が不成立する場合は、BATNAを明確にすることは、無駄な交渉をする必要が無くなりますので、早めBATNAを提示しておくことが重要になります。

BATNAを活かした交渉

自分のBATNAを持つこと、相手のBATNAを想像することで、高度な交渉を行うことができるようになります。

例えば、転職での給与交渉の場合、
 1社目:
  内定 やりたい職種 残業無し 給与安い
 2社目:
  内定 違う職種 残業あり 給与高い
という状況が起こった場合、


1社目に対して、「2社目の内定 給与額」を提示することで、給与を上げてもらう交渉を行う交渉を行うことができます。

逆に2社目に対して、給与は少し安くても、残業が無い、やりたい職種に異動させてもらうという交渉を行うことができます。

BATNAを持っておくことで、交渉が合意に至らなかった場合でも、すぐに代替案に動けるため、交渉を優位に進めることができます。

ウォークアウェイ

ウォークアウェイとは、合意に至らない場合に、交渉の場から立ち去ることです。BATNAを明確にしておくことで、相手側に譲歩を迫られなくなります。

例えば、商品をすすめられたときに、「Amazonの価格より安くなければ買いません」と言ってその場を離れる交渉術です。

ウィンウィンアプローチ

ウィンウィンアプローチは、交渉において、双方にとって利益のある合意を目指す交渉術です。BATNAをオープンにすることで、双方にとって満足のいく結果を得ることができます。

例えば、夏休みの旅行をどこにしようか家族会議をするときに、それぞれの行きたい場所・やりたいこと・休暇の日数・費用を言ってから、家族がやりたいことを決める時に使う交渉術です。

交渉のパラメータは一つではない

BATNAを使った交渉術が理解できたと思います。BATNAを生かして交渉するには、自分のBATNAや、相手のBATNAを最初にオープンにすることがポイントになります。
また、BATNAの範囲であれば、お互いWin-Winな代替案を提示することができるため、複雑な交渉をすることができます。

例えば、「Amazonの価格より高かったら、Amazonで買いますよ」という人が来ても、「会員登録してくれたら割引券を発行します」という形で、双方Win-Winな代替案を提示できます。

これは、価格がBATNAな人に対して、新規会員登録することで相手のBATNAを満たす事例になります。
つまり、交渉のパラメータは一つではありません。自分のBATNA、相手のBATNAを理解し、さまざまな交渉をしてみましょう!

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