暗い人間の明るい話

私は今まで明るいね、と言われたことがない。
多分幼稚園まではわりと元気だった気がするけれど、小学校に上がったときに引っ越して初めての環境に静かにしていたところ、強い女の子にいじめられて完全に黙るようになってしまった。あの頃は黙っている方が楽だったのである。中学の時も1年目に仲間外れにされた。何があったのかは全く知らない。

そんなおとなしい私にも仲良くしてくれる人がいた（今考えると、そんな人たちがいなかったら私はどうしていたかとおそろしい）。私はそんな数少ない友達の前では自由に話すことができるのだが、今でもそのほかの人たちと話すときは緊張してしまうことが多い。頑張って少し元気に聞こえるように声を出すが、うっすら汗をかいてしまう。そんなだから、明るいとは到底見られない。自分でも完全に暗い方の人間だと思っている。基本的に話は話すより聞く方が得意である。

その私の近しい友人たちはだいたい2種類に分けられる気がする。割と自分よりのタイプ（一緒にいると落ち着く）とかなり明るいタイプがいる。この明るいタイプの人たちがなぜ私を友人として好んでくれるのかは分からないが、私としてはこういう人たちに惹かれる。よくしゃべり、話の輪の中心になれる彼らは完全に私には持ってないものを持っていて眩しく見える。そして一緒にいるとどんどん話してくれて居心地が良い。

だから自分が多少暗くても楽しい気持ちで過ごせるのかもしれないな。