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ジェンダーや人種、身体差異などに触れた名作映画4選。

今回は、現代社会の様々な問題に真剣に向き合うための映画を4つ紹介したいと思います!

ジェンダー問題、身体・精神マイノリティ問題、家族のあり方や人種問題など・・・
本やネット記事にある情報だけでは、実際はイメージしにくいですよね。
そこで、素敵な映像と音楽のチカラを借りて、これらの問題に向き合ってみませんか?
コロナ禍のいま、社会の問題を改めて考える良い機会だと思います。

また、今回は比較的時間の短い映画を選んだのでサクッと視聴することが出来ると思います!
それでは、いってみましょう!

01:チョコレートドーナツ/(2014)97分

▼どんな映画・・・?
同性愛に対して差別と偏見が強く根付いていた1970年のアメリカでの実話をもとに、育児放棄された子どもと家族のように暮らすゲイカップルの愛情を描き、トライベッカやシアトル、サンダンスほか、全米各地の映画祭で観客賞を多数受賞したドラマ。
/引用:映画com

まずはじめに紹介するのは、「チョコレートドーナツ」です。
ジェンダー問題や家族のあり方について問いかけた作品です。

舞台は1979年のカリフォルニア。
主人公はシンガーを夢見るショーダンサーで、ゲイのルディ。
この頃のアメリカではまだまだ同性愛者に対する風当たりが強い時代でしたが、彼はゲイであることを前面に出していました。
自分らしさをありのままに出しているルディには強い芯があり、己を隠して生きている人の何倍も輝いて見えます。

いまでこそ認められつつあるジェンダーの多様化ですが、一時は「同性愛は生産性が無い」とも言われてしまったこともありましたよね。
だからと言って、本当の自分を心の中にしまい込んで、たいして愛していない人とパートナーになるというのは、果たして人間らしいと言えるのでしょうか?

また、本作では誰かを愛することのあたたかさを学ぶことが出来ます。
作中に育児放棄された子ども、マルコが登場します。
そして彼は主人公であるルディと、そのパートナーであるポールに、本当の家族よりもあたたかい愛情を注がれるのです。
その素敵な日々の描写は、涙なしでは見られません・・・。
血のつながりが大事なのか、人間としての幸せが大事なのか。
現代社会での家族のあり方の変化を垣間見ることが出来ます。

みんさんにとっての幸せのありかたとはどんなものですか?
きっとこの質問には、十人十色の答えが出てくるのではないでしょうか。
そしてその十人十色にどれが正しいなんて存在しないし、どれも素敵なのだと思います。


02:スキン~あなたに触らせて~/(2017)77分

▼どんな映画・・・?
身体の一部が他人と異なる人々に降りかかる冷たい現実や世間との距離感を、ピンクとパープルのパステルカラーで彩ったファンタスティックな映像で描いた異色のダークコメディ。
/引用:映画.com

次に紹介するのはスペインの映画、「スキン~あなたに触らせて~」です。
(この作品には、多少の痛ましい表現や性的な描写があるので、苦手な方は注意してください。)
こちらの作品は、身体や精神が他の人とは異なる人々への差別を描いた作品です。
リンク先からわかるように、目を惹く大胆な配色のアート映画でもあります。

両目がない、口と肛門が逆についている、顔がただれている、自分の足を切断したい・・・などなど。
様々なマイノリティを持った人がコメディチックに登場するのですが、その問題はとっても深刻です。
醜い自分を変えたいという人もいれば、これが私自身なのだと言い切る人も。
何が自分にとっての幸せなのか、何が自分のアイデンティティなのか…。

そんな彼らは確かに私たちと同じ人間であるのに、なぜ「自分とは違う」と、こちら側とあちら側という線引きをしてしまうのか?
「自分と違うから」というのが、他人を傷つけたり、淘汰したりしていい理由になるのか?

とにかくこの映画に関してはあれこれ語るより、観てもらった方が早いです。
77分と短めの作品ですが、ヘビーな内容ですので注意が必要です。
しかし最後まで観た人には必ず、マイノリティに対する考え方の変化が訪れると断言できるほど、影響力のある作品です。


03:最強のふたり(2012)113分

▼どんな映画・・・?
パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった富豪の男と、介護役として男に雇われた刑務所を出たばかりの黒人青年の交流を、笑いと涙を交えて描く実話がもとのドラマ。まったく共通点のない2人は衝突しあいながらも、やがて互いを受け入れ、友情を育んでいく。
/引用:映画.com

お次は有名な作品、「最強のふたり」を紹介させてください!
舞台はフランス。フランスと言えば、黒人移民が多い国のひとつですよね。
映画が製作された当時のフランスではまだまだそういった異国の人を差別する風習が残っていました。
また本作では、主要人物である富豪の男が障害を抱えているのですが、そういった人々の扱いに対しても様々なメッセージが込められています。

障害を抱えている富豪の男フィリップは、自分のことをひとりの普通の人間として扱う介護訳のドリスに深い友情の気持ちを抱いていくのですが、それと同時にフィリップもドリスがスラム街出身の黒人だということを気にせずフラットに接しています。
周りが、「あんな野蛮なやつを介護役に雇うなんてどうかしている」と強くフィリップに言いますが、フィリップは自分と自分の知っているドリスを信じ切っています。それは二人の揺るぎない絆です。

人種、年齢、家柄・・・たくさん違うことがあったって、大事なことはもっと他にあるのだと再確認させられます。

そして本作はただ、じんわり心があたたまる作品ではなく、たっぷりコメディ要素も入っていて、本当に笑いあり!涙あり!といった作品です。

また、本作は2017年にハリウッドでリメイクもされています。
原作であるフランス版も、リメイクであるハリウッド版も違った良さがあるので、是非見てみてくださいね!


04:Love Is All You Need?/(2011)20分

▼どんな映画・・・?
「男は男を、女は女を好きになるのが当たり前」という、本来の世界と逆転した世界を描いた短編映画。「差別」というものを新たな視点から考えさせられる衝撃作。タイトルはビートルズの「All you need is love」をもじっている。


最後は少し番外編といった感じで、短編映画を紹介します!
その名も「Love Is All You Need?」です。
なんと20分という短さで、YouTubeに日本語字幕がついているものがあるので、気軽に見ることが出来ますよ。

そして本作はなかなかに斬新な作品です。
なんと、「男は男を、女は女を好きになるのが当たり前」という本来の世界と真逆の世界線でのストーリーなのです。

ジェンダー差別に理解があると言っても中々、その当人たちの心中をリアルに近い形で理解することは出来ないものです。
しかし本作を観ることによって、大分リアルに近いジェンダーマイノリティの人たちの世界を体験することが出来るでしょう・・・。
本作の舞台は学校なのですが、クラスメイトに気持ち悪いなどと、罵倒されたり陰口を言われたり…胸が痛めつけられますが、これがマイノリティを抱える人間のリアルなんです。
望んでマイノリティを抱えて生まれてきたわけじゃないのに、どうして自分だけこんなにつらい思いをしなくてはならないのか?
新たな角度からの学びというのは、非常に刺激になると思います。


いかがでしたか?
どれも感情に訴えかけるパワーがあるオススメの作品なので、少しでも気になった映画がありましたら是非見てみてください!

また、オススメの映画があれば、コメントで教えていただけたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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