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OKRでチームを導く。reporuが目指すものは、自律的に働くフリーランスの価値向上

「個の時代」というワードが盛り上がり、最近では、その個が集まって仕事をする「チームの時代」と言われるようになってきました。ただ、フリーランスにも、チームにも、新しい働き方がゆえにまだまだ課題はあります。
 
どうやってフリーランスとして成長していくのか、チームの連携はどうとればいいのか、質の高いアウトプットをするためにすべきこと…。
 
「フリーランスの情報共有をなめらかに。」というコンセプトを掲げたOKRレポーティングサービス「reporu(レポル)」は、発注者・受注者、どちらの視点からも考えられたチームを加速させるコミュニケーションツールです。
 
今回は、reporuの代表取締役・久米村隼人さんと、企画・菅江美津穂さんへの取材記事をお届けします。

「見える」ことがチームを良くする

ー本日はよろしくお願いします!まずは、reporuについて教えてください。

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久米村隼人さん(以下、久米村):reporuはチームで働くための情報共有サービスです。情報共有の起点は、目標管理と進捗報告になっています。OKR(Objectives and Key Results/目標と必要成果指標)の考え方を導入して、目標に対しての進捗を簡単に確認でき、日々のレポート報告が行いやすい仕様になっています。 
ベンチャー企業や、フリーランスのチームに適したサービスです。私自身、reporu社含めて三社経営していて、多くのフリーランスの方とプロジェクトを進めています。そんな中で自分が「こう経営したい」という願いを叶える機能をreporuに実装しました。
 
ーreporuの運営メンバーである菅江さんは、副業家ですが、実際にreporuを使ってみてどのようなメリットを感じていますか?

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菅江美津穂さん(以下、菅江):reporu社では、ミーティングを週1回しかやりません。そこで、その週にやることを報告しますが、それ以外の進捗はreporuで確認してもらいます。不要なミーティングがない、というのは大きなメリットですね。スリム化することで、本当に必要な仕事に集中する環境が整っています。 


久米村:フリーランスで働くメンバーと、フルフレックス・フルリモートで契約を交わすと、「見えない」ことが度々問題になります。出勤の必要がないので、働いた証明がありませんよね。エンジニアやデザイナーであれば目に見えたアウトプットがなされますが、そうではない職種もあります。
 
なので、週1のミーティングと合わせてレポート提出を義務付けています。結果はもちろん大事ですが、ちゃんと働いていると可視化されることも重要です。
 
菅江:プロジェクト単位で働く、ということは、初対面の方といきなり同じチームにアサインされることも珍しくありません。レポートがあれば、その人がなにができる人なのか、知ることが可能です。

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また、他のメンバーの稼動量を把握すると、「あの人がこれだけ頑張っているのだから」と自分への良いプレッシャーに変換されます。

自律的でクリエイティビティのあるチームに適したOKR

ー目標設定の方法は様々あるかと思いますが、どうしてOKRに着目したのでしょうか?

久米村:自律的に働くことを理想としているからです。従来の目標管理設計は、会社の目標があり、それが個人のKPIとして落とし込まれていました。確実性が高いところが利点ですが、創造性が生まれません。つまり、思った以上のことができないんです。

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OKRは、大きな高い目標をたてながら、そこに対して自分でKR(Key Results/必要成果指標)を設計していきます。KRをどう決めるか、周りと相談をしながら自分自身で考え、目標に向き合うことになります。目標達成のために仕事としてやるべきことはなにか。自分で考え、仕事を作るので、自発的に動けて生産性が高くなります。
 
ー自分で考える、という行動を促すところに狙いがあるのですね。
 
久米村:仕事内容って、担当者以外には分からないことが往々にしてあります。優先的に取り組むべきはなにか、どうよくすればいいか、上司には分からない部分があるので、担当者が自分で「こうしたらいいのでは」と決めることに意味があります。
 
OKRは、ベンチャーやフリーランスなど、自律的でクリエイティブな組織に向いています。一方で、大きな組織で、やるべきことが明確に決まっているチームには向きません。OKRの考え方を、ネットで検索してみると、構造化したものを紹介した記事が散見されます。偉い人がいて、中間層がいて、メンバーがいて…本来は、そうではなく、もっと狭いチームでこそ活きるものだと考えています。ひとつの目標があり、自分のKRを設定して貢献していく…reporuではそれを実現できるようになっています。有機的組織にぴったりです。

フリーランスのチームが抱えた課題

ーチームのあり方のお話になりましたが、今後、フリーランスを含んだチームで働く動きが加速していくと考えています。すでにフリーランスが集まったチームで働く中で、課題を感じる場面はありますか?
  
久米村:横のつながりが弱い、ということでしょうか。これは、僕がいま抱えている課題でもあるのですが…。僕が経営する株式会社DATAFLUCTは20人ほどの個人事業主や副業メンバーで構成されています。全員、ほかにもプロジェクトを抱えているため、全員で集まれるのが週に二時間程度しかありません。それ以外の時間で、各自がどんどん自分のKRの達成にむけて仕事を進めていきます。そうなると、個人間の連携が難しくなります。誰かに聞けば解決するのに、誰に聞けばいいのかが分からず、僕のところに相談が集中してしまっています。

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ーオンラインで必要なことだけをやりとりするのはスピーディーであるものの、確かにそのような課題に悩まされているチームは多そうですね。どのような解決法をとっていけばいいのでしょうか?
 
久米村:メンバーのキャリアや、スキル、背景を理解していれば「〇〇さんに相談すればいい」というのが分かり、ミスを防ぎ、品質も向上できます。また、それぞれがフルフレックスで働いているので、各自のプライベートに入り込まないように相談するため、お互いの生活リズムも分かっていた方がいいでしょう。

reporuでは今後、プロフィール機能を強化する予定です。現状のreporuだと、OKRを介して発注者と受注者の縦のつながりは生み出せています。チームメンバーの背景を知ることで、横のつながりも強めていきたいです。

発注者、受注者、それぞれが意識すべきこと

ー日々、様々なフリーランスと働く中で、それぞれの個性も感じるかと思いますが、優秀だなと思うフリーランスにはどんな特徴がありますか?
 
久米村:フリーランスって、広義的に使われていますよね。僕の中で、フリーランスというのは、自分で意思決定ができる・自分で仕事を選べる・自分でオーナーになる、こういったことができる人をフリーランスと定義しています。
 
そのうえで、優秀なフリーランスは、目標を決め、なぜやるのかを明確にし、だから自分はこの仕事をするんだと自ら提案できる人だと思います。つまり、OKRに則って仕事を進められる人ですね。まず目的のすり合わせがあるので、発注側が期待するアウトプットとのズレがでません。

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反対に、「もう一歩、足りないな…」と感じるフリーランスは、目的ではなく、時間とタスクに仕事の計り方を置こうとします。決められた時間、決められたタスクだけをやって、発注者が意図する目的に達しないというズレが生じる危険があります。
 
あとは、定期的な報告をきちんとしてくれる人ですね。
 
ーフリーランスとして価値を高めるためにアドバイスが欲しい、と言われたらどんなことを伝えますか?
 
久米村:学習し続けてください、と言うと思います。フリーランスの弱点は上司や先輩がいないことです。会社にはいれば、人事部がいて、配属や、昇給、評価など、とにかくお膳立てをしてくれます。フリーランスだと、それを全部自分でやらないといけない。
 
フリーランスは、「その人だからこそ」発注されています。そうじゃなければ、ただの下請けです。才能が廃れないように、学習し続ける必要があります。
 
また、スキルをとがらせていくことは当然で、そのスキルが生きるマーケットを見極める能力も必要になります。マーケットの時代における価値がなければ、仕事も減りますからね。稼いでいる人が、どういった方法で仕事を生んでいるのか、よく観察してみるといいのではないでしょうか。
 
ー採用活動もされていらっしゃると思いますが、優秀な人を見極めることはできていますか?
 
久米村:難しいところですが…将来像や生きる目的、仕事で得たいものなど、内発的動機があるかどうかは見ていますね。内発的動機を自分で持っている人は、この仕事にどういう意味があるのか、と考えられます。その思考力は、相手が自分になにを求めているのか、という視点にもつながります。
 
ー菅江さんは、本業がありながらreporu社に副業として関わっていますが、どのような内発的動機を基に働かれているんですか?
 
菅江:本業で、様々な雇用形態の方と一緒に働いています。会社とフィットして働ける人もいれば、そうじゃない人も。しかし、業務委託というひとつの立場でジャッジされることで、いくら優秀な人がいても「この人により仕事を頼もう」というふうにすることができず、もどかしく感じていました。雇用形態は関係なく、本当に優秀な人が活躍できる、そんな社会になってほしいなという想いが浮かんでいたんです。

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そのタイミングで久米村からreporuのサービス構想を聞き、心から「いいサービスだ!」と感じました。そして、誘われて一緒に働くことに。
 
久米村:reporuはまだ小さいチームですが、みんなそれぞれ内発的動機の基に動いています。
 
ー久米村さんは、発注者・受注者どちらの視点もお持ちですよね。採用の先には、発注があります。企業側として、フリーランスに対して発注をするときの注意点はありますか?
 
久米村:自分たちが目指しているもの、実現したいことを共有することは大事です。そこでOKRをぜひ使ってもらいたいですね。

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また、フリーランスをしている人には、フリーランスになった理由があるので、なるべく時間や場所などの拘束をなくし、成果だけで拘束するほうがいいと思います。フリーランスは、もちろん他にもクライアントがいるので、スケジュールのバッファーを十分にとって依頼する配慮も必要です。報酬を払っているのは、その人のリソースの一部であることを念頭に置き、相手の状況も考慮して依頼すれば、トラブルも生まれづらくなります。

reporuが広まる先の働き方

ー菅江さんは今後も、本業とreporuの二本柱で働かれていく予定なのでしょうか?
 
菅江:そうですね。副業をすることで良い相互作用が発生していると実感しているので続けていきたいです。

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本業だけだと、組織の役割もあるので、やりたいと思うことすべてに手を広げられない。そんなとき、副業でチャレンジできればいいな、と考えています。そして、それぞれで得たことを活かし合っていけば、本業も副業も質の高い仕事ができるようになっていきます。
 
フリーランスの方と会う機会も多いので、私自身がこの働き方を実践し、感じたことを伝えていければ嬉しいです。
 
ー最後に、reporuが力をいれていること、今後実現したい社会について教えてください。
 
久米村:生産性の高い働き方をサポートしていきたいです。reporuを導入することによって、不要なミーティングがなくなったり、報告の手間が減ったり、時間から解放することができると考えています。

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そうすることによって、時間が増えたフリーランスはより多くの仕事ができるようになります。そして個人の価値が上がり、優秀なフリーランスがもっと稼げるようになる。そういう循環を、社会に生み出していきます。
 
ー久米村さん、菅江さん、本日はありがとうございました!

【編集後記】
お話の中で何度も、「自律」という言葉が登場していたのが印象的でした。
 
フリーランスって広義的、と指摘がされていたように、フリーランスと簡単に括ってしまっても、その実、働き方は様々です。与えられたタスクを淡々とこなす人も、自ら考え動く人もいます。今後、さらにフリーランスの数は増加が見込まれ、差別化は厳しくなっていくことでしょう。淘汰されず、内発的動機の基にフリーランスという形態を選び続けていくためには、この記事で定義されたような本当の意味でのフリーランスであるように、自分を律していく必要があるなと感じました。


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OKRレポーティングサービス「reporu

取材・執筆:野里のどか(ブログ/Twitter
撮影:北村渉(Instagram
アイキャッチデザイン:佐藤エリ(Twitter) 
 

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