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「暇と退屈の倫理学」感想

「暇と退屈の倫理学」という本を読みました。俺は最近、哲学について興味があり、いろいろ調べているので、この本も読んでみました。

結論から言うと、結構面白かったです!
これから具体的に紹介していきます。

この本のおもしろポイント

この本では、哲学者などの主張がたくさん出てきます。それぞれの主張からヒントをもらって、「退屈とはなにか」を明らかにしていく、という内容です。少し難解な部分もありましたが、具体例がわかりやすいので全部理解できました。哲学の入門書としてもおすすめです。

この本の面白いところは、哲学だけでなく、人類史や歴史などから退屈の起源を考えたり、生物学の視点で動物と人間を比較したりと、ありとあらゆる角度から「退屈」の正体にアプローチしていくところです。どの考え方も新鮮で面白くて、新たな視点を得られた気がします。


個人的におもしろかった話

個人的に面白かった話はたくさんあります。

一つ目は経済学の話です。
機能も大きく変わらないのに毎年新しいiPhoneが発売される理由が面白かったです。現代の消費スタイルのやばさに気づきました!

二つ目は人類史の話です。
退屈の起源は、定住生活の始まりにあったという話です。産業革命、情報革命に並ぶ「定住革命」では何が起こったのか。とても面白かったです。

三つ目は生物学の話です。
人と動物では見えている世界が違うという話です。本書では例として、ダニからみた世界について解説されていてとても興味深かったです。

ほかにも山ほど、面白い話がありました。どれも具体例付きでとても分かりやすかったです。

感想

読み終わったあと、率直に思ったことは、自分じゃ思いつかないような考え方がたくさん紹介されていて、自分の視野が広がったということです。読んでいると「こんな考え方もあるのか!」のオンパレードでした。

そして、哲学者たちはみんなすごいことを言っているのに、少し彼らの思想が強すぎて、主張もやや強引に感じることがあったのが面白かったです。

そして、人間は自然と「自分中心で物事を考えてしまっている」ということに気づきました。どういうことかというと、現代人と古代人の比較でも、現代の方が優れているという前提でものごとを考えてしまいます。人間と動物の比較でも、人間が特別な種であるという前提でものごとを考えてしまいます。なにか考えるときに、こういったフィルターが自然とついてしまっているせいで、なかなか真相にたどり着けないことがあるのだと感じました。

いろいろな気づきを得られたので、読んでよかったです。ぜひおすすめです。


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