切られれば血も出る

シェークスピアのベニスの商人で、貸金業者シャイロックが訴えたユダヤ人差別に対する叫びです。ユダヤ人も人間だ。切られれば血も出る。

パレスチナの人々も人間です。ロヒンギャの人々も人間です。黒人もネイティブ・アメリカンもホームレスの人達も人間です。私も人間です。

“Life always matters very much. “

命はいつだって大切。ポセイドンアドベンチャーで牧師を救って力尽きた老婦人の最後の言葉です。

でも人は誰かの存在を下に見ないと生きていけないのでしょうか。あらゆる組織や社会の中の上下の概念が私には理解出来ません。人には立場の違いはあっても上下はない。本当にそう思うのです。色々な経験を通して辿り着いた結論です。

私は偽善者なのでしょうか。自分以外の誰かが流す血も涙も、結局は他人事なのでしょうか。

「人生の最後に天国の門の前で神様に何と言われたいか。」

かつてこの質問にメリル・ストリープさんはこう答えました。

“Everybody in.” みんな入って!

私はこの言葉を聞いて頭をガツンと殴られたような気がしました。

この質問は往年の有名な司会者がゲストに聞く10の質問の最後の一つなのだそうです。米国アクターズスタジオで名だたるハリウッドスターをインタビューする番組の中で、その司会者に敬意を表して使われていました。そして多くのゲストがこの質問に答える時、皆自分の人生を振り返って良くやったと言われたいようでした。

でも、彼女は言ったのです。「みんな入って」と。

その時私は心から彼女を好きになり、心から彼女を尊敬するようになりました。

End




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