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エロティ…サスペ…いや恋愛小説!|『エロに小さじ1』#創作大賞感想文

半径100m様『エロに小さじ1』を読みました!
もう勧善懲悪では終わらない、好みド真ん中の作品でしたので、おもわず感想文をしたためております!

エロティックの素ってなんだ?

『エロティックの素』を中心に巻き起こる不思議な恋物語。
これは恋愛小説?いやファンタジー?いやいやビジネスモノ?
えっとまさかのミステリー?
ええい!全部ごちゃまぜ!

至極の恋愛ファンタジーと見せかけたビジネス啓発サスペンスミステリーヒューマンファンタスティック小説


モノカキスト半径100m様

猫暮が半径100mさんを知ったのは、note公式マガジンで取り上げられていた『ピンクのキープS』を目にした時です。

なんだこれは?!面白い!

現実とファンタジーの入り混じる不思議な世界観でも、登場人物の誰もが受け入れるに納得の理由が語られていて、わたしのキープSもしゅるしゅると縮んでいくような感触がありました。いえ、ホントです。目にした直後に生えてました。猫暮見たもん。触ったもん。

そんな半径100m様が創作大賞にと執筆された新作があると聞きつけ、これは読むしかないとかけつけ一杯ばりに読みます。それが5月の終わり頃でしたでしょうか。三話まで閲覧して、続きの展開がバリバリ気になりました。

猫暮は一気に読み切ってしまうタイプ(というより途中に期間が空いちゃうと内容をわすれてしまうタイプ💦)なので、最終話が更新されたら読みふけろうと、待ち構えていました。

そうして6月15日、最終話がアップされ無事完結をされました。
まずは「連載小説、本当にお疲れ様でした!」と声をかけさせて頂きます!


収束していく愛のお話

読み進める中で、連載小説には、3通りの創作方法があるんだなぁとしみじみ思いました。

一つは『出来上がった小説を小分けにしていく方法』
一つは『まるまるプロットを完成させておいて、小分けに出していく方法』
そして、今回のお話で採用された『書きながら物語を構築していく方法』

「ジャガイモが魅力的に見えてくる」って突飛もない描写から物語はキレイに収束していくものですから、そのドライビングテクニックといいますか、ハンドル捌きといいますか、とにかく技術力をバンッと脳内に叩き込まれたような読了感がありました。

登場人物たちの役割も自然と決まっていき、わかりやすく、記号的な役割もキチンと果たしながらも人間味たっぷり。その両立に思わず言語野版の舌鼓が鳴り響きました。酸いも甘いも大好物です。


ビジネスミステリー?

読書感想文を書くにあたって、ネタバレには十分に留意したいと思っている猫暮。
というのも、わりとオリジナル第一主義みたいなところがあって、二次情報じゃなくて原作を読んで!としきりに訴える系のフォロワーなので、まず、どうあっても本編を読んでほしい!

特にこちらの作品は不思議な方向性に展開していくのですが、突拍子もないってわけでもなく、ごくごく自然に、でも予想の斜め上くらいのベクトルで佳境に突入するんです。

第一話からしきりに登場する『エロティックの素』。
読者はそれが何なのかを気にしつつも、その解明への担い手となる人物が登場します。これが一気に火をつける。

猫暮は、キャッチやらセールスやらネズミ講やらに懐疑的な人間です。つまり疑ってかかる警戒心高めの人間。変に素直だから懐に入られたらコロッとだまされるタイプ。
そういった人間の視点で『エロを小さじ1』を俯瞰すると、悪徳商法を企てる人間をぶっ飛ばせ!って観点で見えちゃうんですよね。
つまるところ「社会派サスペンス」
池井戸潤みたいな作品に見えてきちゃう。倍返しだ!

一方で失恋中だったり絶賛恋愛中だったりと恋の養分を求めてさまよう人がこの作品をキャッチしたら、ビビッと脳内のセンサーが反応する。

「誰と誰の恋の行方に着目するか?」だったり「あくまでエロティックの素はエッセンスの一つに過ぎなくて、重要なのはカップリングだよワトソン君」と、恋愛脳ホームズがステッキで布団をバシバシと叩きはじめるでしょう。

つまり、私が着目したのは解明の担い手となった『春香』でした。すっきやねん。推しです。

しかし作品の途中まではこの春香さえも「エロティックの素」を操る小早川夫妻の掌の上なのではないか…って結論も目に浮かんで冷や冷やものでした。でも、たとえそうだったとして…それもまたイイ!全然OKです!(参考:PSYCHO-PASS 2の霜月美佳)

なんて感じで、お気楽脳内タノシーエンドルフィンを迸らせながら読みすすめられました。
特に6話7話あたりで「そうきたか!!!」と脳内物質の多量生成を感知したのは私だけじゃないはず…!


善悪ってグルーヴ感では??

物語には、いろんな観念をもったキャラクターが登場します。

たとえば恋愛至上主義の明らかに盲目的なキャラクターであったり、幸せを分け与える代わりにお金を頂戴するグレーゾーンならぬギリギリアウトさんであったり、家族の目を覚ますために決起する正義漢(女)であったり。

でも、どれが善で、どれが悪というわけでもない
それぞれの正義で動いている。それが幸せにつながるか、本人たちは無自覚かもしれないけれど、自分たちの気持ちの良い方向に行動して押し進められていく。

幸せとお金はトレードオフできない、と安定した価値観を持って正義を執行したのに、はい、終了のホイッスルが鳴りました!と報われなかった人も居れば、ドロドロのずぶずぶに洗脳されたけど、解脱してみればちゃんとカタチあるものが残ってハッピー。なんなら以前よりも強く惹かれるカップル爆誕しちゃったり。

となると、行動と結果の一致が、かならずしもその人自身の幸せではないんのかしら?なんて思考を通して「流される人も流されない人も、その場のグルーヴ感で動いてる」って考えにも至ります。

でも、このグルーヴ感が面白い。
言ってしまえば、エロティックの素の販売元だってグルーヴ感です。ネタバレギリギリを攻めちゃいますが、彼らはいずれやってくる破綻が分かっていながら、エロティックと幸せをつなぎ合わせて、当人たちの生活もかけた。

頭がとってもイイ人たちだけど、それだけかって言われるとそうじゃない。世間一般常識に当てはまれば、頭がワルいとも捉えられる。でもどうして、その方法を選び続けるのか?

もう、それはグルーヴ感な気がするんです。
恋に浸るのも、手法を疑うのも、幸せとお金をトレードオフするのも、The・グルーヴ感。


まとめ

エンドロールまで駆け抜けた後の読了感、とっても気持ちの良いものでした。その証拠に、こんなにも気持ちの良い感想文が書けている。
連載小説ならではグルーヴ感と、表現力に構成力!書く力をまざまざと魅せられた気分!もう、隅から隅まで楽しませて頂きました。

にしても最終話のオチが好きすぎて何回も読み直しちゃう。主人公の自己ツッコミのレパートリーがツボすぎて…!
もう居酒屋エピローグってなんでこうもド定番なのにおもろいんでしょうか。ビールと鳥の串焼きが食べたくなってきます。大将、大根の糠漬け一丁!


コメントとかをあまり残さない猫暮ですが、半径100m様の今後の活動、ひっそりと、それでいて大胆に応援しております!

あらためて、素敵な作品をありがとうございました!




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