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本日は記事を寝かせています。

文章を書き終わったら
いったん寝かせておくのがよい。

たとえ鮮度が命の随筆ずいひつであっても
一日置いてみるだけで
格段にうま味が増すのです。

昨日、書いた心象風景っぽい文章。

公開後にたびたび手直しをしている。
おかげで初期のバージョンから、けっこうよそおいが変わっている。

寝かせた後の作業自体は、すごく単純。

よけいな脂身を切りおとしたり。
追加で赤身をふやしたり。

ボリュームがまるっきり変わるので
より自然な構成になるよう、カタチを調整。

文章を「行」ごとに、こまかく分割する。

この「行」は、すばしっこいから手前がいいな。
あの「行」は、背が高くて目立つから、後ろのほう。
これらの「行」は、近くにいたほうが映えるだろう。
あれらの「行」は、今回の舞台にちょっと合わないかも。

配置をきめて、もくもくと引っ越し作業。

カット&ペースト
カット&ペースト

ペタペタと文章を組み替える。

要らないものがでてきたら。

まとめて選択&デリート。
バックスペース、追加でカタカタ。

文章が次第に整っていく。

うん、キレイになった。

じゃあ1回、これで人前にでてみよう。

大丈夫。
恥ずかしがらない。
きっと渾身の出来です。

文章の背中をトンと押して
舞台の中央から、いざお披露目。

きってはった文章。
その時ばかりは、自慢の逸品。
胸をはって、声をはって、と
舞台袖から優しく応援。

スポットライトに照らされて
ささやかな拍手に包まれる。

そのまま、穏やかに眠る。



翌日、目が覚める。

同じ舞台袖で、同じ文書を見やる。


なんだろうこれ。
本当に、昨日と同じ文章なの?


ぎだらけで
奇妙なほど不格好。

素材もところどころ違っていて
ほぐれた糸があちこち跳ねている。


思い知らされる。

昨日までの私は、やっぱり冷静じゃなかった。

この子を、こんな姿で舞台にあげてしまった罪悪感。

これじゃあいけない。

いそいで作業場まで手を引いていく。


中央の作業机に座らせて
近くでよくよく見つめてみる。

この「行」は、すばしっこいけど、中継ぎあたりがよかったかも?
あの「行」は、背が高くて目立つけど、かがんでもらったらちょうどいい?
これらの「行」は、あえて遠くのほうが、深いつながりを示唆しさできそう?
あれらの「行」は、とんでもない、今回の舞台にこそ必要だったのかも?

行が持つ役割を、もっと深く見つめてあげなきゃ
納得のいく文章は仕上がらない。

床にちらばったパーツを拾いなおして
もう一度組み替える。


私が作りたいのはぎじゃない。

ちゃんと一つになった文章なんだ。


ちっとも一つになってなかった文章を見て
昨日の私を叱咤したくなる。

いったい何を見ていたのよ!って。

カット&ペースト
カット&ペースト

さて、今日もだんだんキレイになっていく。

これはキレイになっている。

…本当にキレイになっている?

キレイだと思い込みたいだけで
まだぎだらけじゃないかなって、不安になる。

結局、今日の私には理解できない。

だから、明日明後日の私に任せて
今日は記事と一緒に寝ておくの。


きっと「この文章」もまだまだ一つになってない。

寝かせるたびに、ちょっとづつ
一つになっていくのかな。

なっていくといいな。

文章は寝かせておくに限る!


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