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【丸ごとレポート】Short Story for Sustainability Talk Live Vol.3

昨年12月9日、株式会社FROGLOUDから諏訪慶さん大泉共弘さんをお招きし、「Short Story for Sustainability Talk Live Vol.3」を開催しました。

「SDGs・ESGに取り組まなければとは思っているけど、何をすればいいのかわからない...」
「La torcheが取り組むSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)って何?」
「ショートフィルムにはどんなことができるの?」

そんな問いにじっくりと向き合いつつ、企業の事業や組織の変革を加速させうる「ショートストーリー戦略」のサービス内容について、高まるチームの熱と共にお伝えしました。

盛りだくさんの内容になっていますので、ぜひ、目次からご自分の興味のあるトピックを選んでいただき、学んでみてくださいね。

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登壇者プロフィール

株式会社La torche CEO 秋間早苗氏
東京大学大学院在学中の2006-7年、MIT、スイス工科大学などの大学連携より、サステナビリティをテーマにした学生サミットを主宰。 2008年同大学院国際協力学修士課程修了。卒後1社目の起業より、環境・医療・教育など多分野を横断する産官学連携および事業開発プロジェクトに携わり、事業性と社会性の統合、マルチステークホルダーの協働関係創出について研究と実践を重ねる。 2社目の株式会社La torcheの起業を機に、認知科学的アプローチによる「ものの見方の転換」による個人・組織の活性を取り入れ、アフリカをはじめとした国内外のSDGs事業開発、組織開発、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)をプロデュ―ス。2児の母。

株式会社FROGLOUD CEO 諏訪慶氏
2005年、米国アカデミー賞公認 アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」を企画運営する株式会社パシフィックボイスに入社。映像事業部 部長 兼 映画祭のチーフ・プロデューサーとして、映画祭協賛営業や企業・行政団体とのショートフィルム製作、
ショートフィルムを活用したビジネス周りを統括。2015年1月、同社執行役員に就任。代表の別所哲也と共に株式会社FROGLOUDを設立。代表取締役社長として現在に至る。

株式会社FROGLOUD CCO 大泉共弘氏
事業創造・ブランディング・マーケティング領域で、一貫したストーリー性を重んじるクリエイティブディレクター。理念は「ビジネス価値のあるオリジナルストーリーを生み出す」。映画業界を経て、大手広告代理店(オプト/東急エージェンシー)で、マスとデジタル、ブランドとダイレクトなどボーダレスな領域で指揮を執り、現在はフードデリバリーmenuなどの事業を担うレアゾン・ホールディングスで、部長 / シニアクリエイティブディレクター・コミュニケーションデザイナーとして、コミュニケーション領域を管轄する一方、ストーリーマーケティングを得意とするフログラウドでCCOを務め、社会貢献価値のある新規事業の立ち上げに従事している。

会社の過去がキャラクターで、未来がストーリー

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3人のより詳しいプロフィールは、Vol.1をご覧ください。

秋間
こんばんは。株式会社La troche代表の秋間早苗です。
このトークライブでは、株式会社FROGLOUDから諏訪さん・大泉さんをお迎えし、サステナビリティの推進物語の力、この2つを掛け合わせる面白さ、可能性をお伝えしてきています。

私は、人や組織が変わるためのキーワードとして、長年「サステナビリティ」をテーマに活動しています。現在は、企業がSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を実現するための変革期に伴走する仕事をさせていただいています。

諏訪
株式会社FROGLOUDの代表をしています、諏訪慶です。FROGLOUDという会社は、ショートフィルムの活用を通して、映像やストーリーの力で企業のメッセージや根底に流れているフィロソフィーを伝えていくという領域で活動しています。よろしくお願いします。

大泉
株式会社FROGLOUDでCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)をしている大泉共弘です。元々は広告代理店で働いていて、今はコミュニケーションデザインをテーマに活動しています。企業が何をするにしても、背景にある「大義」が必要になってきた中で、ここ数年はストーリー作りをお手伝いすることも多くなり、そんな中秋間さんに出会いました。今日もよろしくお願いします。

秋間
前回までは、私たちがお互いに取り組んできた「サステナビリティ」と「ストーリー」の間をつなぐものである「パーパス」についてお話ししてきました。企業がこれからどういう未来を作っていく主体なのかを再定義し、ストーリーを使って社内外をエンパワーメントしていくということは、かなりいろんな現場で使える手法なのではないかと思います。

また、メッセージを伝える際にはついつい未来の話ばかりをしがちですが、その会社の唯一無二性は、実はこれまでどういう価値を出してきたのかという過去の部分にもあるという話から、あの諏訪さんの納得感のある一言が生まれましたよね。

それが、「会社の過去がキャラクターで、未来がストーリー」という考え方で、私もとても腑に落ちました。これまでどんな価値を生み出してきた存在なのかという部分をキャラクター、そのキャラクターが今後どんなチャレンジをしていくのかをストーリーにすると、みなさん自身も自分を投影することができて、とてもワクワクする体験になるのではないでしょうか。

ただ、このキャラクターやストーリーを企業の方々だけで見出すのは難しいことでもあるので、そこに対して私たち三人がどんなお手伝いができるのかについて、今日は踏み込んで話していこうと思います。

「ショートストーリー戦略」ついにその全貌が明らかに

秋間
まずは、この図をご覧ください。

「ショートストーリー戦略」全体像

この図の左上にいるのが、SDGsやESGをどう実現すればいいのだろう、と悩んでいる方々です。この方々が、自社のパーパスや存在意義を再定義し、どんな価値を出していく主体なのかを見つめ直すことが大切なのですが、もしそれをしないと、一人一人の理解や視点がバラバラになってしまいます。すると、自分のやっている仕事や、具体的な商品名やサービスでしか人に話すことができなくなり、「それが何のために行われていて、どんな価値を生み出しているのか」を伝えることができません。

だからこそ、社内の色々な立場の人の考え方や見方を集約してパーパスを作るプロセスが大切です。密室でクリエイターに作ってもらう手法ではなく、いろいろな人を巻き込んでいく取り組みになります。これをやると、働いている一人一人にやりがいや喜びが生まれるという効果を、日々La torcheとして企業に伴走する中でも感じています。

ただ、このパーパスは作って終わりではもったいないんですね。策定のプロセスに加わった人と加わっていない人ではどうしても意識差が生まれてしまうので、社内の巻き込みをもう一段階深くする必要性を感じてきました。また、社外にも伝えるにはどうすればいいかも、考えなくてはいけません。

そこに、諏訪さんや大泉さんが関わられている、会社の核になっているものを物語にして伝わりやすくするという「ショートストーリー戦略」が効いてきます。説明ではなく物語で伝えると、情緒的にも人が自分ごととして捉え、動きやすくなっていく。思わず人に話したくなるようなストーリーの持つ価値は、前回(vol.2)でもお伝えしてきました。

パーパス策定からショートストーリー化、さらにそれをコンテンツとして短い映像にしていくまでの一連をパッケージにしたサービスが、今回私たちがご案内したいと思っているものです。

諏訪
パーパスって未来の話なので、ネガティブな要素は基本的に入ってこない、希望に溢れた言葉になりがちですよね。それをそのまま物語にしてしまうと、どの会社のストーリーも似てきてしまうと思います。だから、その会社の歴史個性である「キャラクター」をまず見つけて、そこからパーパスを策定することが大切です。

個性溢れるキャラクターが見つかればその会社ならではのオリジナルのストーリーが書けるので、ここからは僕や大泉さんが得意としているストーリー作りにバトンタッチする形になります。

秋間さんと取り組むことで、その会社オリジナルのキャラクターをストーリーにできるというのが、今回僕たちも楽しみにしている部分です。

大泉
僕はお二人の話を聞きながら、この「物語」という話題がどうしてここまで人の心を惹きつけるのか考えていました。

普段はテキストのみで表現されることが多いパーパスが、エンターテインメントの世界にリンクすると、見た人が自分の好きな映画やキャラクターのことを思い浮かべるなど、その人ならではの想像力が加速されるのかなと思います。それも、この「ショートストーリー戦略」の魅力の一つですね。

SDGs推進の罠と、ストーリーの見つけ方

ストーリーへの変換に向けて、どんな脳の使い方をすればいいのだろうか。

秋間
サステナビリティに取り組むとなると、多くの人が、「SDGsの何番に当てはめるか」とか、「この問題が悲惨なので責任を果たさなければいけない」というリスクヘッジの発想になりがちです。

でも、その考え方だと生まれない価値もたくさんあるので、私は脳みその使い方ごと変える必要があると思っています。今までの延長線上にはないゲームチェンジを起こす際には、クリエイティビティや、さまざまな人たちの才能を掛け算することへのワクワク感を持つことが大切で、それが、理性やロジック以外のものに自分達の存在意義を転換していくこと(ストーリー作り)につながっていくんですね。

ストーリーの力を活用することはもちろんですが、ストーリー化に挑む時の一人ひとりのマインドセットを育んでいく過程でも、私たちがサポートできる場面はたくさんあると思います。

大泉
SDGsをきっかけに、「実はこんなことにも貢献できるんだ」と知れるのは、一つの価値ではありますよね。自分の仕事に社会的な意義を感じる。そこにストーリーを感じられると、その意義を何倍にも感じられるかもって思ってます。

例えば、SDGs目標10の「人や国の不平等をなくそう」では、「世界のもっとも豊かな1%の人が世界全体の富33%を所有している。もっと平等になるように仕組みを変えるべきだよね」とあります。もっともだ!と思うんですが、実際に貧困層でない方々には、いくら"世界では"と言われても伝わらない時がある。そこで、ココにストーリーを加えると、"もっともだ!"が更に強くなるのかなと。

例えば小学生の時の遠足で、300円の上限がある中で、すごく吟味してお菓子を選び、楽しみにして持っていった。そうしたら、お菓子を持ってくるのを忘れてきてしまった子がいて。
その子を無視して自分のお菓子をバクバク食べるのではなく、みんなで少しずつシェアしていくことで、もらった子も笑顔になるし、300円のお菓子の価値がどんどんプライスレスになっていく感覚がある。

僕は、自分の体験に置き換えられるようなストーリーで表現された方が、心動かされるものが強いのではないかなと思います。

諏訪
やっぱり、説得とか説明では人は動かないですよね。説教くさく感じてしまうのだと思います。これはパーパスに限った話だけではなくて、僕や大泉さんが普段仕事をしている「ブランデッドムービー」の領域でも言えることです。

企業のブランドストーリーを伝えることが目的である以上、結局は広告ではありますが、身に纏っているものは映画であり、エンターテインメントなんですね。着ている服が広告だと、人に受け入れられたり、共感されたりするのは難しいからこそ、心を掴むストーリーの存在は、どんな場合でも大切だと思います。

だからこそ、秋間さんが得意としているパーパス策定への伴走と、僕たちが得意としているストーリー制作のコラボが効いてくるとも言えますね。

「情緒的な」ディスカッションを生み出す、物語の力

好きな映画の話題で盛り上がるように、自社の会社のストーリーについて語れるようになったら…?

秋間
そうですね。今回は「企業の人が〜」という形でお話しすることが多かったですが、本来ショートストーリー戦略の力は、一部署やブランド、一サービスにおいても発揮されます

存在意義の言語化やストーリー制作は、機能的価値だけではない情緒的価値にフォーカスを当てて、ぎゅっと濃縮して伝えることができる魅力があるのではないかと思います。

大泉
僕たちは様々なショートフィルムを観ていく中で、「僕はこの作品が好きだった」「いや僕はこれが...」みたいな熱い議論を交わすことが、結構あるんですね。

これが企業のショートストーリーを作っていく過程でも起こったら良いなと思います。一つの物語の種から生まれた複数の脚本を検討していく中で、「どのパターンが一番好き?」みたいな会話が生まれたとしたら、ストーリーやキャラクターを軸にした新しいコミュニケーションの可能性が開かれますよね。

物語ベースにすることで情緒的に議論が進む。これも、今回のサービスの魅力の一つなんじゃないでしょうか。

諏訪
好きな映画、好きな漫画とかの話って、絶対盛り上がりますもんね。自社のストーリーでそういう議論ができる環境になったら、それだけでも企業の底力はめちゃくちゃ向上してるなと思います。

そしてこれは、人材の領域でも効いてくる気がします。今、人材採用の映像って、本当にどこも似ているんですよね。担当者が出てきて、それぞれの部署の人にやりがいや仕事内容をインタビューして、最後に社長が話して終わり...。これは説得のための映像なので、なかなか人の心に響かせるのは難しいのではないかなと思います。

もし、僕が学生の時に、居酒屋の後ろの席で、自分達の会社のストーリーについて激論を交わしている人たちがいたら...。絶対次の日に調べて面接に行きますね(笑)それぐらい、素敵なことだと思います。

ショートストーリー戦略、人材分野でもすごいポテンシャルがあるんじゃないでしょうか。

2023年に就職予定の学生のうち、24.5%は「SDGsに対する姿勢や取り組み」を重視しているというデータも。これは前年比7.2ポイント増と、驚異的な伸びを記録している。

秋間
まさにそうですね。会社を選ぶときに「社会貢献できているかどうか」を重視する人の増加は、色々な調査を通しても明らかになってきています。そして、表面的に取り繕っているだけでは、すぐに見抜かれてしまうんですよね。

ただのラベルではなくて、本当に稼ぎながら務めを果たしている、両輪が回っている状態が体現されていることが大切です。

今こそ存在意義を体現して、パーパスという名の旗印を掛け直し、人を動かす物語を作っていきたい。今回のトークライブを通して、そんな風に直感している方々と繋がり、今後ご一緒していければ嬉しいなと思います。

「ショートストーリー戦略」今後期待してほしいこと

新サービス「ショートストーリーforサステナビリティ」始動!

秋間
ここまで3夜にわたって進めてきたトークライブですが、実は、私たちのコラボレーションはここから始まります。これから「ショートストーリー for サスティナビリティ」というサービスをリリースしていくにあたり、色々な人とお話しし、切削琢磨し、様々な価値を模索していければと思います。

情報発信の舞台としては、メディアプラットフォーム「note」を予定していますので、ぜひ、「ショートストーリーforサステナビリティ」のマガジンへのフォローやコメントをよろしくお願いします。

社会で先陣を切ろうとしている方や、自分達を通じて変化や未来を作っていきたいという方々とご一緒できることを、楽しみにしています。

それでは、最後に振り返りをしていきましょう。諏訪さん、いかがでしたか?

諏訪
僕自身、幼い頃から物語やストーリーの力に魅了され、その力を信じて生きてきた人間です。ストーリーに対しては、絶対的な信頼感があるんですよね。「ショートショートフィルムフェスティバル」という国際短編映画祭でプロデューサーをする中でも、それを強く感じる場面が多くあります。

ショートストーリーは短い分、手軽に企業やブランドの魅力を他の誰かに伝えることができます。そして、この3回のトークライブの中でもわかってきたことですが、自分の好きなものを伝えると、言葉や思考が整理されて、よりそれが好きになっていくんですよね

企業のキャラクターとストーリーを世の中に伝えていくということは、伝えられる側にとってはもちろんですし、伝える側にとってもメリットがあるということだと思います。

今回の協働は社会にとっても良いことだと感じますし、それ以上に、物語の力を活かすためにこの三人でスタートできるということに、とてもワクワクしています。実は自分が一番楽しみなのかもしれないということに、ライブ配信を通して気づくことができました。

みなさんにも、ぜひ僕たちのサービスに対して、色々な感想をいただき、ゲストとしてトークしたいという方がいれば、ご連絡いただければと思います。

パーパス作りに困っているよという人はもちろん、自社のパーパス自慢も大歓迎です。これからの活動にも、ご期待ください。

大泉
今は、何かを失って何かを得るトレードオフではなく、両方とも手に入れるというトレードオンという考え方が出てきて、社会貢献がビジネスにもつながり、ビジネスが社会貢献にもなる可能性が広がっています。何かに貢献できた上に、自分も"豊か"になる

これってとてもハッピーだなと思います。そのハッピーを、ストーリーを活用して他者に伝達できるとよりハッピーだと思うので、興味のある方は、ぜひお気軽に連絡していただきたいです。ありがとうございました。

秋間
「物語の種」は、ご覧になっているみなさん一人ひとりの中にあると思います。ぜひ私たちに聞かせていただき、一緒にその種を育んでいければ嬉しいです。今後もよろしくお願いします。

それでは、3夜にわたりありがとうございました。
またお会いしましょう。

La torche×FROGLOUD 共同プロジェクト始動!

そして、La torcheとFROGLOUDは昨年12月15日付で業務提携し、企業のパーパスをショートストーリーや映像で表現するサービス、「ショートストーリー for サステナビリティ」を提供開始しました。サービス詳細につきましては、以下のページをご覧ください。

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