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【iDeCo徹底解説 】#5 受け取り方

こんにちは、森大です!
美容皮膚科医をしながらファイナンシャルプランナーとしても活動しております!

今回は【iDeCo徹底解説シリーズ】の第5弾。
受け取り方について解説します。

iDeCoは受け取り方次第で100万円以上も
結果に差が出ることがあります。

今回もしっかり学んでいきましょう。

このシリーズも今回で締めくくりです。
最後まで精一杯解説いたします!

【iDeCo徹底解説インデックス】
#1  iDeCoとはなにか? 
#2  メリットとデメリット
#3  あなたが得るお金はいくら?
#4  おすすめ商品と選び方
#5  受け取り方   ⇦  今回はこちら

1.前回までのおさらい (飛ばしてもOK)

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第1回ではiDeCoの概要を説明しました。

【iDeCoってなに?】
60歳まで毎月決まった額で積み立てる「自分年金」。
貯金と比べて色々とお得なサービスが受けられる。

自分で積み立てる年金を「私的年金」といいます。

***

そして第2回ではメリットとデメリットについて
解説しました。

【iDeCoのメリット】
①掛金が全額所得控除
②運用益非課税
③受け取り時税制優遇

iDeCoのメリットはすべて節税に繋がるものでした。
このような効果を「税制優遇」といいます。

【iDeCoのデメリット】
60歳まで引き出すことができない。

iDeCoは年金なので、
60歳まで引き出すことができません。
「資金拘束」されている状態です。

***

第3回はシミュレーションを行いました。

iDeCoで毎月2.3万円、30年間積み立てた場合
シミュレーション上の節税額と
最終積立額を合わせて2038万円。

iDeCoだけで老後資金2000万円問題を
クリアできる可能性がある。

***

第4回ではおすすめ商品と選び方を
まとめました。

【SBI証券のおすすめ】
40代まで ⇒ eMAXIS Slim 米国株式 (S&P 500)
50代 ⇒ eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
【楽天証券のおすすめ】
40代まで ⇒ 楽天・全米株式インデックスファンド
50代 ⇒ 楽天・インデックス・バランス (DC年金)
【選び方】
40代までは株式100%がおすすめ。
50代からはバランス型がおすすめ。
信託報酬0.5%以上は選ばないこと。

ここまでが前回のまとめです。
では今回の内容に参りましょう。

2.受け取りのタイミングは3種類

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iDeCoは60歳まで積み立てができます。
(今後65歳まで延長予定ですが、今回は60歳までの
前提でお話しします。)

受け取りには3つのタイミングがあります。

障害給付金  (⇒高度障害のとき)
死亡一時金  (⇒死亡したとき)
老齢給付金  (⇒受け取り年齢が来たとき)

①と②は特別な状況なので、
今回は③について解説します。

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積み立てたiDeCoのお金は60~70歳の間
受け取ります。

60歳で一気に受け取ってもいいですし、
70歳まで運用を継続してから受け取ることも
できます。

ただここで問題が1つ。
受け取り時には税金がかかります。

この税金について知っておかないと、
人によっては100万円以上も損をすることが
あります。

3.2つの受け取り方と控除

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iDeCoの受け取り方は2つあります。

一時金(いちじきん) ⇒ 一括で受け取る。
年金 ⇒ 分割で受け取る。
*これらを組み合わせる方法もあります。

一時金の場合は退職金扱いで、
退職所得控除の対象になります。
税金はかなり少なくなります。

年金の場合は公的年金等控除の対象です。
年間一定額までは税金がかかりません。

「もう勘弁してください…」

そう思った方にもう少し説明を加えます。

あなたが収入を得る時、
所得税や住民税がかかります。

iDeCoで受け取るお金も収入の一種ですから
税金がかかります。

控除(こうじょ)は、計算上の収入を減らして
税金を減らしてくれます。

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たとえば500万円の収入があったとして、
100万円控除を受けると残りの400万に対して
税金がかかります。

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もし控除の方が大きければ
税金がかかりません。

退職所得控除も公的年金等控除も
あなたの税金を減らしてくれる味方です。

注) 本来収入ではなく所得なのですが、
ここではあえて馴染みのある言葉を使っています。

4.一時金受け取りがおすすめ

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結局どちらが良いのかと聞かれれば、
ほとんどの場合で一時金がお得です。

控除額が大きいため、
税金がかなり少なくなります。

退職所得控除の計算は
積み立て20年までは「40万円×年数」。
その後1年ごとに70万円追加
されます。

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受取額が控除額を下回れば税金はかかりません。

例) iDeCo積立額1000万円、退職所得控除1500万円
⇒収入がなかったことになり、非課税。

上回った場合もさらにその半分の額に税率をかけます

例) iDeCo積立額 1000万円、退職所得控除500万円
⇒500万円 × 1/2 =250万円
⇒250万円に税金がかかる。

***

年金受け取りの場合、
iDeCoの受取額に国民年金や厚生年金を合算します。

その額が控除額をオーバーしやすく、
そこそこ税金がかかってしまいます。

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税金を出来るだけ少なくして手取り額を多くするには
一時金の受け取りがおすすめです。

5.一時金受取のシミュレーション

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この場では一時金受け取りの
シミュレーションを2つ行います。

【条件】
◆30歳~60歳の30年間積み立て。
◆60歳で一時金受け取り。

会社からの退職金がない場合とある場合
見ていきましょう。

***

CASE.1 会社からの退職金なし

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自営業者など退職金がない場合は
iDeCo単独で考えます。

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仮に2000万円貯めたとすれば、
2000 - 1500 = 500 (万円)
が課税対象です。

退職金の場合、さらにこの半分に
税金がかかります。

そうすると250万円です。
所得税率は10%になります。

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この後は細かい計算なので見たい方だけ
ご確認ください。

【所得税】
250 x 10% - 9.75 =15.25 (万円)
【住民税】
250 x 10% = 25 (万円)

⇒合わせて40.25万円

2000万円に対して2%ほどの税金です。
かなり優遇されています。

***

CASE.2 会社からの退職金あり

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会社から退職金をもらう場合は
少し複雑です。

同時にもらうと「退職金」は増えますね。

例)
会社からの退職金:1000万円
iDeCo:2000万円
⇒合計 3000万円

ということです。

しかし退職所得控除は年数の長い片方にしか
適用されません。

会社に20年勤務、iDeCo30年積立の場合は
30年分の退職所得控除だけ受けられます。
合わせて50年にはなりません。

税金はどうなるか計算してみます。

課税分は
1000 + 2000 - 1500 = 1500 (万円)
さらに半分の750万円に税金がかかります。

【所得税】
750 × 23% - 63.6 = 108.9 (万円)
【住民税】
750 × 10% = 75 (万円)

⇒合わせて183.9万円

退職金とiDeCoが合計されると
かなり税金が増えます。

実は退職金がある方にとって
最高にお得な方法があります。

退職金を受け取って5年経ってから
iDeCoを受け取る。

両方で退職所得控除が受けられるので、
税金を最小限に抑えられます。

おわりに

【iDeCo徹底解説】シリーズ第5弾では
受け取り方を解説しました!

iDeCo徹底解説シリーズはこれで終了です。
沢山の方に読んで頂けました。

iDeCoは本当に複雑な制度です。
説明に骨が折れましたが、
自分の成長につながりました。

まだまだ解説すべきことがありますので、
今後も折に触れて記事を追加していきます。

それではまた!

***

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