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元食品会社の従業員が「崩れたクリスマスケーキ」の件を語る

他にいろいろニュースはあるのに….。食べ物に関しては、世間に大きく取り上げられるなあと思う、元食品会社の従業員です。

このニュースを見ていて思い出すのが、食品会社時代の社内の仕組みですね。私の勤めていた会社では、営業の力が強い印象がありました。

営業が案件を持ってきて、経営サイドは技術的な検証はせず皮算用だけして、たとえ技術的に無茶な案件であっても研究開発陣がなんとかする、みたいな業務フローでした。

特に昨今厳しかったのは「短納期」「超低コスト」「原料不足」の組み合わせですね。「明日までに作ってね、これまでより安く。原料はないけど」みたいなパターンです。

食品会社時代によく営業や経営陣に言われたのは「技術でなんとかしろ」ということでした。私は新人時代にこの言葉の意味がよくわからなかったのです。最初は「サイエンスでなんとかしろ」ということなのかと思っていたのですが、どうやら「技術 = 根性でなんとかしろ」ということだったようなのです。

食品会社時代は一貫して研究開発部門にいましたが、一度も「研究者」「研究員」と社内で呼ばれることはありませんでした。研究開発部門であっても「いち社員」でしかなかったのです。今の会社では「研究者」「研究員」と幸いにも呼んでいただけるので、少しこそばゆい気持ちもしています。

食品業界は、これまでの不可能を技術(=サイエンス)で可能にしてきました。一方で、根性論が根強いことも事実で、その歪みが出てしまったのが今回のクリスマスケーキの件にもありそうな気がするのです。


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