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Design&Art|Colors in Finland 〈02.グリーン〉

日本でも世代を超えて長く愛されている、フィンランドのデザイン。アアルト大学でデザインを学び、現在は日本とフィンランドを繋ぐデザイン活動を行っている、lumikka(ルミッカ)のおふたりが、フィンランドデザインをつくる様々な要素を探り、その魅力を紐解きます。

フィンランドの「色」が織りなす風景をご紹介する「Colors in Finland」シリーズ。今回は、サーモンスープなどでお馴染みのハーブ、「ディル」の緑を出発点に、様々な風景をお届けします。


フィンランドではじめてサーモンスープを食べた時、「なんだか森の香りがする」と思ったことを今でも鮮明に覚えています。パクチーほどの刺激はなく、ネギのように馴染み深い香りでもなく、不思議な、けれどフィンランドの森の空気をほのかに感じるさわやかな香りでした。


フィンランドといえば国旗に見られるブルーや美しい湖が印象的ですが、上空から見える途切れることのない森の風景にはいつも驚かされます。国旗がみどり色だったとしても、何ら不思議ではないと思えるほどに。


束の間の夏のフィンランド。街には美しい緑が溢れています。

砂漠のオアシスのように、夏の緑には人が集まります。木陰で涼んだり、食事を楽しんだり。人は自然の一部として、そして自然は街の一部として、溶け込み、調和して、美しい風景をつくるのです。


時に、緑をかき分け大航海をしてみたり。

時に緑の上で走ったり、跳んでみたり、踊ったり。セウラサーリの夏至祭で。

時に、こんな大行列も。


街を彩るポップな緑を、上から、下から。なんとも北欧らしい色合いをしています。


リーヒマキにあるガラス美術館では、カラフルなガラスが美しい影を映しています。その揺らぎある光の屈折は、風に揺れる白樺の葉のよう。対極としてではなく、境界のないひとつの存在として光と影が存在しています。


トゥルクのルオスタリンマキ手工芸博物館。建設された200年前にも同じ色が、光が窓から差し込んでいたのでしょうか。


昼の緑も、夜の緑も、幻想的で美しいフィンランド。


次回は緑のお隣、黄色の風景をお届けします。フィンランドの多彩な色が織りなす風景を、お楽しみいただければ幸いです。

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