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Recipe|ハーブで美味しい北欧料理 〈08.バターが優しく溶け込むミルク粥〉

フィンランド料理に欠かせないハーブ。自然を身近に感じるライフスタイルを発信するMitsou(みつ)さんに、ハーブを使った北欧レシピを毎月教えていただきます。

②冬の森の朝日

新しい年のはじまり。いかがお過ごしでしょうか。フィンランドでは新年の迎え方も日本とはちょっと違いますが、そのあたりのお話は他のコラムニストの方にお譲りして…。私のコラムでは、この季節にぜひ試してほしいレシピをご紹介したいと思います。

新年から1週間が過ぎるこの時期、七草粥を召し上がった方も多いのではないでしょうか。フィンランドでお粥といえば、牛乳で柔らかくお米を煮た「リーシプーロ(riisipuuro)」。フィンランドを旅した方は一度は口にしたことがあると思います。フィンランドのリーシプーロ・ミルク粥は、シナモンシュガーとバターを溶かして食べるのが一般的。でも日本の私たちにとっては、ちょっと不思議な味わいでもあります。そこで今回は、七草粥をフィンランド流にアレンジして、親しみやすい味わいのミルク粥を考案しました。

③導入写真(ハーブ)

使うハーブはお好みのものを。庭先で採れた摘みたてのハーブで作ると格別です。そうでなければお店で手に入るものを自由にアレンジして組み合わせてみてください。硬い葉のものよりも、サラダにも使えるような柔らかい葉のハーブがおすすめです。

今回私は、チャイブ、マージョラム、イタリアンパセリ 、チャービルを使用しました。特に、チャイブはミルク粥にぴったり。西洋アサツキとも呼ばれるチャイブは乳製品との相性が抜群で、フレッシュチーズに混ぜ込んだり、水切りヨーグルトと合わせたりするととても美味しいハーブです。

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④材料写真

●バターが優しく溶け込むミルク粥

【材料】 2人分
米 1/2合
牛乳 2カップ(400ml)
水 1カップ(200ml)
塩 ふたつまみ
有塩バター 20g
コンソメ顆粒 小さじ1/2
ベーコン 20g
フレッシュハーブ 適量
黒胡椒 少々(お好みで)

【作り方】
1:

⑤水を吸った状態

研いだお米と水を鍋に入れ、弱火にかける。ゆっくりと沸騰に近づくうちにお米が水を吸って膨らんでいく。(写真は、お米が吸水した状態)

2:水分がなくなる前に牛乳を加える。焦げ付きやすいので引き続き弱火で、蓋をして30分煮込む。煮込んでいる途中に鍋底をざっくりと2〜3回かき混ぜる。(かき混ぜすぎると粘りが出てしまうので、ざっくりと数回でOK)

3:

⑥煮込みおわった状態

写真のように、少し水分が蒸発して牛乳の旨味がお米にしみ込んだら、火を止めコンソメと塩を加えて味を整える。

4:

⑦溶かしバター

 電子レンジで少しずつ加熱して溶かしバターを作る。ベーコンは厚めの細切りにし、フライパンでこんがり色がつくまで炒める。

5:

⑧完成写真

ミルク粥を器に盛り、好みのハーブとベーコンをのせ、溶かしバターをたっぷりと掛けたら完成。よくかき混ぜて召し上がれ。(お好みで粗挽きの黒胡椒をかけても美味しいです。)

日本では、白飯やお粥を炊く時はあらかじめお米を水に浸してから炊きますが、リーシプーロはじっくりと煮ながらミルクの甘味と旨味をお米に吸わせていきます。優しいミルクの味わいとバターの風味、そして香ばしいベーコンの塩気が、身体に染み込むような美味しさです。

⑨シナモンシュガーver.

甘いミルク粥を食べてみたい場合は、レシピの3の工程で、塩のみを加えたら、器に盛った後にシナモンシュガーと冷たい有塩バターをのせて召し上がってみてください。暖かいお粥の上で、バターとシナモンシュガーを溶かしながら食べれば、フィンランドの朝ごはん気分を味わえますよ。

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〈チャイブ〉ユリ(ヒガンバナ)科 / 多年草
西洋で用いられるハーブの中で、日本の薬味と近い存在のチャイブ。ネギと似た芳香成分を持ちながらも、よりデリケートでマイルドな香りと辛みがあります。ジャガイモ・卵・乳製品との相性もよく、ジャガイモの冷製スープには欠かせない存在です。刻んだ葉をバターやクリームチーズに練り込んだものも大変美味。乾燥すると風味が落ちてしまうので、生葉を新鮮なうちに利用するのがおすすめ。紫がかったピンク色の丸い花はとても可愛らしく、観賞用としても人気があります。日本の気候でも育てやすく、家庭菜園・ハーブ園に一株あると、ガーデンも食卓も豊かになるハーブです。


instagram:@_mitsouko_lumiere

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