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LamyLazy
2022年2月23日 00:43
ぼくは窓ガラスを破る私たちの寮に、不穏な空気が立ち込めていた。Aくんは私のことをひどく憎んでいるようだった。私の一挙一動に感じる彼の苛立ちは、ヒリヒリとした重い空気として私に伝わるのだった。厳しく詰め寄るようなこともあった。寮には居室が3つあった。6畳か8畳ほどの和室の、1番手前が私の部屋だった。奥の部屋ほど寮長先生たち家族の居住スペースは遠くなる。先輩たちが奥の部屋に集まって、
2022年2月20日 23:20
人の尿を浴びるAくんは、数日後に再び無断外出をして、寮はまた私ひとりになった。程なくBくんという3年生が戻ってきた。Bくんは、かわいい人だった。いつも悪戯をしたり、冗談を言っては、周囲を和ませる優しい人だった。鑑別所に入るような悪事に手を染めた彼らだったが、友人として関わっていると、皆それぞれに良い所があった。外の世界では、私たちは全く別の属性の子どもたちだった。盗んだバイクを改造
2022年2月20日 00:11
私がまじめであるなら、地域の学校へ毎日通っている子どもたちはどんなに優秀だろう。学校へ普通に通い、多少の人間関係の軋轢やつらいことがあっても、当たり前に学校へ行ける子どもたちがどんなに偉く尊いか。私のような落伍者がまじめであろうはずがなかった。煙草と黒い犬しかし、学園の子どもたちの多くが、手のつけられない不良だったということを、徐々に私は理解した。煙草を吸う。シンナーを吸う。カツアゲ