マガジンのカバー画像

詩集

55
心のまゝに紡いだ言葉の断片 言の葉を磨き上げ羅列をして並べています。 詩のようなものをまとめています。
運営しているクリエイター

2022年8月の記事一覧

詩 「交差点」

詩 「交差点」

〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜

ふたりをつなぐ
目に見えないもの
息をするのも苦しくて
不安な想いが込み上げる

ただ答えを確かめたくて
君の下へと向かう汽車に乗る
踏み切りで待つ間
紺碧の空を見上げていた

やがて
黄昏の雲間はアンニュイに
琥珀色のため息に染めてゆく

逢いたい__
君を見失いたくない

ふたりを隔てる交差点
君の下へと続く線路を
駆け抜けてゆきたいのに

もっとみる
詩 「ルルヴェ」

詩 「ルルヴェ」

°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜

砂埃の舞う荒廃した街並みに
初老の男が訪れる。

( この街もずいぶんさびれたな。)

もうかれこれ60年が経つ
まだ少年だった頃の
かつての学舎は
廃校となっていた

古びた校舎の片隅にある
相合傘の落書きを
そっと指先でなぞってみる

深く眼を閉じて
瞼の裏側に浮かぶ
遠い少年だった頃が蘇る__






un, deux, tro

もっとみる