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第1回ニュータイプの相談援助職のための読書会 開催!

こんにちは。レタススタッフの三宅です。

7月5日(日)、第1回 ニュータイプの相談援助職のための読書会を開催しました。ご参加いただいた方、ありがとうございました!!

参加されていない方にも、ぜひ読書会で話題に挙がったことを知ってほしいと思い、これからnoteにまとめていこうと思います。

そもそもニュータイプの相談援助職って何?

ざっくり言うと、自分が今いる世界から飛び出して、身の回りの社会課題を「自分事として」考える相談援助職です。今働いている職場、組織に属しながら社会課題に取り組むことはもちろんできますが、レタスが目指すのは職場以外でも活動できる場所を見つけ、行動する相談援助職を増やすこと

大そうなことじゃなくて良いんです。自分がやってみたいこと、組織にいるからこそ気付いた「これ、おかしいんじゃない?」と思うことに対して実際に取り組む場を、レタスは作りたいと考えています。HPに詳しく書いていますので、ぜひ読んでみてください!


このような思いから、読書会で扱う本は心理の専門書に限らず、幅広く読んでいくことにしています。今回読んだ本は、『他者と働く~「わかりあえなさ」から始める組織論~』


「他者と働く」

どんな仕事においても切っても切り離せないテーマ。だからこそ、相談援助職にとっては関心のある内容かと思い、今回読む本として選びました。そして、この本では、他者と働く際に「ナラティブ」「対話」がポイントだと伝えています。心理職にとっては馴染みのある言葉ではないだろうか?ということで、最初に『ナラティブとは何か』どんなイメージをそれぞれ持っているか聞いてみました。

―双方向で語ること、語りなおすこと

ー物語

ーナラティブ・トレーニングという言葉を聞いたことがある

ー頭の片隅にあるんだけど、どう説明したらいいかな…

聞いたことはあるけど、なんだかふわっとしたものだよね、というイメージは共通してみんな感じていました。


次は分担決め。今回は、アクティブ・ブック・ダイアローグ®(以下ABD)の手法を参考にしながら、レタスなりに進めました。本を買って読んでくるというのは負担になるので、その場でインプットとアウトプットができる方法を探していた時にABDを見つけました。

分担決めをしながら、それぞれが担当した章を読めるように、スタッフ髙木が本をカット✂(笑)学生時代にこうやって友達と本を分けたことがあるのだとか。髙木以外は初めて見る光景でびっくり!これもABDならではかも。

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カットのおかげで、それぞれ分担決めした章を読み始めることができました。各章につき一文でまとめてもらい、そのあと、概要をまとめた動画を見ながら内容を確認しました。

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読んだ後はディスカッション。

それぞれが、仕事をする中で感じていることと重ねながら読んでいたことが、ディスカッションの中ですごく感じました。


技術的問題と適応課題

この本に出てくるキーワード。よく「問題」や「課題」という言葉を使いますが、ここでは違いを明確にしています。知識や技術といった既存の方法で解決できる問題を「技術的問題(technical problem)」、既存の方法で一方的に解決できない問題のことを「適応課題(adaptive challenge)」。

ここでのポイントは、problemとchallengeの違い。「問題」と「課題」は何が違うのだろう?という問いを立てたところ、以下のような意見が挙がりました。

ー問題は答えが明確にあるもの、課題は明確な答えがない

ー問題は「解決する」、課題は「解消する」という使い方をする

―プロセスは違っても必ず答えが出せるものが問題、解き方や答えも色々あるのは課題。学生の頃の試験では問題と書かれて、小論文では●●の課題について述べよ、みたいに書かれている。


対話というのは、こういった「適応課題」に取り組むために役立つツールと言えます。


どう対話していくか

感想も併せて聞いたところ、以下のような意見が挙がりました。

ー最近も職場の人とバトルしてしまった。でも、自分には譲れないことがあって伝えていたけど、相手にも譲れないことがあることに気付いた。振り返ることが大事なのかも。

ー「対話」することが大事なのはわかった。でも相手との差を埋めるにはどうしたらいいか。相手にも「対話」の重要性を知っていてほしい。そうでないと意味がない。

―相手と対話するだけでなく、自分自身と対話することも必要なのかもしれない。


対話が大事であれば、じゃあどう対話していくか。そのヒントが次の動画から得られると思います。


レタスの作った『ニュータイプの相談援助職』という言葉のもとにもなっている本を書かれた山口周さん。彼の言うオピニオンとエグジット、これが対話をするうえで大切なポイントになることを伝えました。オピニオンとエグジットを行うことは、自分が感じていること、日常生活の細かな決断を大切にできる美意識(アート)に基づいているからだと、レタスは考えています。

まとめ。美意識(アート)があるから、そこにナラティブが生まれる。上記の感想にもありましたが、自分の譲れないものがあるのと同時に、対話している相手にも譲れないものがある。これがアートなのでしょう。自分にとってのアートが何かを知ると、自分のナラティブの背景が分かるはずです。ナラティブの背景が分かれば、他者との溝に橋も架けやすくなると思います。

できれば対話(オピニオン)で適応課題が解消されれば一番良い。とは言え、そうはいかない場面もきっとあるでしょう。そんな時、諦めてその職場で同僚に愚痴を言うのみに留まりだらだらと死んだ目をしながら働き続けるか、いっそのことを職場を辞めて別の場所を探すこと(エグジット)ができるのか。アートに基づく実践は今いる環境でなくても、より適切な環境に移ってチャレンジすることはできるし、むしろそっちの方が良い場合もあります。どちらにしろ今いる環境から離れる覚悟は大切だと思います。その覚悟があれば、いざとなればエグジットすれば良いので積極的にオピニオンできるし、本当に「この職場ダメだどうやっても変わらない・・・」と思うなら本当にエグジットした方が良いと思います。


日常生活で、私たちはアートに沿って決断できているだろうか?オピニオンとエグジットができるニュータイプとは何かを学ぶために、次回は山口周さんの著書『ニュータイプの時代』の読書会を開催予定です。

2020年8月29日(土)9:30~12:00(詳細はHP、Twitterにて!)


探り探りな読書会1回目でしたが、無事に終えることができました。参加いただいた方が「自分事として」考えてくれたからこそだと思います。

なんか面白そう、どんな本だろう、ちょっとでも関心を持っていただけたら嬉しいです。そんな相談援助職の方たちのご参加をお待ちしております!!

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