今井一貴

目で見て体験したことの記録と考察

今井一貴

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吉島家住宅

吉島家住宅

今井一貴
1か月前

北名古屋市総合福祉センターもえの丘

2024.05.04_北名古屋市 北名古屋市総合福祉センターもえの丘/高松伸/ 避難用滑り台さえも立面の対称性に取り込むほどの図式的な全体性。 それに対して、空間体験はとても…

今井一貴
4か月前
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藤村記念館

空白としての庭、塀、記念館

今井一貴
5か月前

松本と、その周辺。

360度どこを向いても山が背景にあり、視界をぐるっと囲い取っている。
自分の生活圏というか、世界の輪郭が常に視認されるような、少し奇妙な風景。
車移動をしていて背景だけ変化がなく、不思議な体験だった。

今井一貴
6か月前

2023.11.11_黄金湯

2023.11.11_錦糸町 黄金湯/スキーマ建築計画/2020 銭湯の改修。 視線を遮りながら上部が抜けた銭湯特有の空間構造を外壁立面に転写し、気配を街へと連続させる。 浴場で…

今井一貴
10か月前

郡上踊り

2023.08.13-16_郡上八幡 郡上踊り 3大盆踊りのひとつ。 お盆の4日間は、夜8時から朝4時まで連日踊り明かす「徹夜踊り」が行われる。 曲調の異なる10種類の踊りを繰り返…

今井一貴
1年前

2023.05.13 大宮前体育館

2023.05.13 郊外住宅地の中に現れる、2棟の楕円形の平屋と、通り抜け可能な広場。 街の地下に埋め込まれた、体育館の大きな気積。 そこでの活動を感じ取れる、地下3層分の…

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1年前

2023.05.28 東京芸術劇場

2023.05.28_池袋 東京芸術劇場/

今井一貴
1年前

2023.05.28 都電の腰掛け

2023.05.28_荒川区 都電の腰掛け/AS/2020 都電荒川線の各駅のホームに設置されたベンチ。 大まかに捉えると、木製の座面を2組の手摺が3分割する構成で、両端は片持ち。 …

今井一貴
1年前
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2023.05.28 東京カテドラル聖マリア大聖堂

2023.05.28_護国寺 東京カテドラル聖マリア大聖堂/丹下健三/

今井一貴
1年前

2023.05.28 ニシイケバレイ

2023.05.28_池袋 ニシイケバレイ/須藤剛+高岩愛実/2020 幹線道路から1つ裏へ入る。 異なる形式の建物が一部をまちへと明け渡して集合している。 塀の撤去、舗装の連続…

今井一貴
1年前

221126 明治大学生田キャンパス

221126_生田 明治大学生田キャンパス/堀口捨巳/ 夜行バスで朝5時に新宿到着。 小田急線各停に乗り、向ヶ丘遊園で降車。 一人暮らしをしていたアパートを通過。 大学の…

今井一貴
1年前

230513 旧赤星鉄馬邸

230513_吉祥寺 旧赤星鉄馬邸/アントニン・レーモンド/ 期間限定で公開されていたため、訪問。 南側に大きな庭を持つ、中廊下型の邸宅。 南側の居室や居間は庭から光を…

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1年前
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2023.01.07 豊川稲荷

2023.01.07_豊川市 豊川稲荷 本殿に対して少し角度がついた参道 偏心している本殿前のアプローチ 向きを変えながら点在する拝殿・御堂・山門・鐘楼 その隙間を縫うように…

今井一貴
1年前
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2023.02.06 青森県立美術館

2023.02.06_青森市 青森県立美術館/青木淳/2006 2回目の訪問。 以前も冬に訪れた。 外装パネル目地が浮き出ていたり、 塗装面が欠けて内部のパネル素地が露わになって…

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1年前
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2021.11.05 十日町情報館

2021.11.05_十日町市 十日町情報館/内藤廣/1999 骨太の柱と巨大な陸屋根よって、雪を凌ぐための環境を大きく囲い取ること。 その内側に、人も、本も、情報も、建物も、…

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1年前
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北名古屋市総合福祉センターもえの丘

北名古屋市総合福祉センターもえの丘

2024.05.04_北名古屋市
北名古屋市総合福祉センターもえの丘/高松伸/

避難用滑り台さえも立面の対称性に取り込むほどの図式的な全体性。
それに対して、空間体験はとても複雑で奥行きがある。
しかし、その空間性は図式に準じた判断の積み重ねによって発生している。

空間の豊かさの先に、図式の対称性が再度認識される体験。

3面が道路に面する長方形敷地に、X型の対称形平面。
アトリウムの中央にか

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藤村記念館

藤村記念館

空白としての庭、塀、記念館

松本と、その周辺。

360度どこを向いても山が背景にあり、視界をぐるっと囲い取っている。
自分の生活圏というか、世界の輪郭が常に視認されるような、少し奇妙な風景。
車移動をしていて背景だけ変化がなく、不思議な体験だった。

2023.11.11_黄金湯

2023.11.11_黄金湯

2023.11.11_錦糸町

黄金湯/スキーマ建築計画/2020

銭湯の改修。
視線を遮りながら上部が抜けた銭湯特有の空間構造を外壁立面に転写し、気配を街へと連続させる。
浴場では視線を遮るものがなく、クリーム色のタイルを受け皿に体を洗う人と風呂に浸かる人が場を共有する。

朝の部は6〜9時までで立地も錦糸町なので、東京駅早朝着の際に利用しやすい。

風呂上がりの人々が内外でわちゃわちゃしてい

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郡上踊り

郡上踊り

2023.08.13-16_郡上八幡

郡上踊り

3大盆踊りのひとつ。
お盆の4日間は、夜8時から朝4時まで連日踊り明かす「徹夜踊り」が行われる。

曲調の異なる10種類の踊りを繰り返し、対面式のひと繋がりの列を成して踊り進む。
誰でも、どこからでも参加は自由で、いつ抜けてもよい。
道幅は狭く、踊り手との距離が近い。
列数も場所によってまちまちなので、ごちゃついた所からしれっと参加しやすい。

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2023.05.13 大宮前体育館

2023.05.13 大宮前体育館

2023.05.13

郊外住宅地の中に現れる、2棟の楕円形の平屋と、通り抜け可能な広場。
街の地下に埋め込まれた、体育館の大きな気積。
そこでの活動を感じ取れる、地下3層分の吹き抜け。

地域の人々は、巨大さとの対峙を避けながら、体育館の在処とその様子を認識できている。
そして、認識できているということが街全体で共有されている。
そう思わせるような建築の在り方。

吹き抜けに面する回廊には、フィ

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2023.05.28 都電の腰掛け

2023.05.28 都電の腰掛け

2023.05.28_荒川区

都電の腰掛け/AS/2020

都電荒川線の各駅のホームに設置されたベンチ。

大まかに捉えると、木製の座面を2組の手摺が3分割する構成で、両端は片持ち。
足元は基礎を立ち上げ、内側にリブが付いたロの字型の鋼板で、座面と手摺の両方を支持する。
基礎と鋼板の幅は座面の厚みよりも少し大きい。
正対すると安定感をまとうが、鋼板部の薄さと抜けによって、角度がつくと浮遊感が強

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2023.05.28 東京カテドラル聖マリア大聖堂

2023.05.28 東京カテドラル聖マリア大聖堂

2023.05.28_護国寺

東京カテドラル聖マリア大聖堂/丹下健三/

2023.05.28 ニシイケバレイ

2023.05.28 ニシイケバレイ

2023.05.28_池袋

ニシイケバレイ/須藤剛+高岩愛実/2020

幹線道路から1つ裏へ入る。
異なる形式の建物が一部をまちへと明け渡して集合している。

塀の撤去、舗装の連続、植栽による緩衝帯、滞留を促す屋外の家具、内部が見通せる透明性。

線引きを消失させる手つきが、幹線道路の裏側に下町的な生活環境が同居する池袋の都市性と結びつく。

都市の線引きを超えてまちを使い倒している風景が印象

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221126 明治大学生田キャンパス

221126 明治大学生田キャンパス

221126_生田

明治大学生田キャンパス/堀口捨巳/

夜行バスで朝5時に新宿到着。
小田急線各停に乗り、向ヶ丘遊園で降車。
一人暮らしをしていたアパートを通過。
大学の正門へと向かう院生時の登校ルートを徒歩で辿る。

跨線橋のリズム、 、 、歩道橋の配色など、
毎日小さな発見を重ねながら同じ道を往復していたことを思い出す。

朝7時、正門に到着すると、「関係者以外立入禁止」とのこと。
この機

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230513 旧赤星鉄馬邸

230513 旧赤星鉄馬邸

230513_吉祥寺

旧赤星鉄馬邸/アントニン・レーモンド/

期間限定で公開されていたため、訪問。

南側に大きな庭を持つ、中廊下型の邸宅。
南側の居室や居間は庭から光を大きく取り入れ、北の水回りや倉庫、書斎は中庭を配する事で採光を確保する。

内外壁は大壁でつくられ、床、天井、開口には見切りが入る。
巾木見付は50ミリ、額縁と廻縁は25ミリ程度。
床材も基本的にフローリング、クッションタイル

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2023.01.07 豊川稲荷

2023.01.07 豊川稲荷

2023.01.07_豊川市

豊川稲荷

本殿に対して少し角度がついた参道
偏心している本殿前のアプローチ
向きを変えながら点在する拝殿・御堂・山門・鐘楼
その隙間を縫うように現れている初詣の屋台

本殿と参道を中心とした参拝空間と、林の中に広がる奥の院という2つの環境が、建物一つ一つの向きと間隔のとり方によって、散策性を持ったひとつづきの環境として感じられる。

参拝客は、参拝後に境内を散策し

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2023.02.06 青森県立美術館

2023.02.06 青森県立美術館

2023.02.06_青森市

青森県立美術館/青木淳/2006

2回目の訪問。
以前も冬に訪れた。

外装パネル目地が浮き出ていたり、
塗装面が欠けて内部のパネル素地が露わになっていたり、
凹凸の大きいサッシまわりの白塗装面は黒く汚れていたりと、
特に「ホワイトキューブ」側は、季節も相まって経年による変化が進んでいる印象が強かった。

しかし何というか、そのことが建築の在り様を損なわせているよ

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2021.11.05 十日町情報館

2021.11.05 十日町情報館

2021.11.05_十日町市
十日町情報館/内藤廣/1999

骨太の柱と巨大な陸屋根よって、雪を凌ぐための環境を大きく囲い取ること。
その内側に、人も、本も、情報も、建物も、設備も、家具も、すべての要素を集めること。
集められたモノを配置することと、大きな高低差を解消することから、本と向き合う場所を計画していくこと。

豪雪地域という環境で、屋根を支持する強固な柱や通常は表に出ないモノたちと身

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