今井一貴

目で見て体験したことの記録と考察

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北名古屋市総合福祉センターもえの丘

2024.05.04_北名古屋市 北名古屋市総合福祉センターもえの丘/高松伸/ 避難用滑り台さえも立面の対称性に取り込むほどの図式的な全体性。 それに対して、空間体験はとても複雑で奥行きがある。 しかし、その空間性は図式に準じた判断の積み重ねによって発生している。 空間の豊かさの先に、図式の対称性が再度認識される体験。 3面が道路に面する長方形敷地に、X型の対称形平面。 アトリウムの中央にかかった起伏のある屋根スラブと、連続するRCの円柱。 屋根スラブより高さのあるトッ

    • 藤村記念館

      空白としての庭、塀、記念館

      • 松本と、その周辺。 360度どこを向いても山が背景にあり、視界をぐるっと囲い取っている。 自分の生活圏というか、世界の輪郭が常に視認されるような、少し奇妙な風景。 車移動をしていて背景だけ変化がなく、不思議な体験だった。

        • 2023.11.11_黄金湯

          2023.11.11_錦糸町 黄金湯/スキーマ建築計画/2020 銭湯の改修。 視線を遮りながら上部が抜けた銭湯特有の空間構造を外壁立面に転写し、気配を街へと連続させる。 浴場では視線を遮るものがなく、クリーム色のタイルを受け皿に体を洗う人と風呂に浸かる人が場を共有する。 朝の部は6〜9時までで立地も錦糸町なので、東京駅早朝着の際に利用しやすい。 風呂上がりの人々が内外でわちゃわちゃしていて良い風景。

        北名古屋市総合福祉センターもえの丘

        • 松本と、その周辺。 360度どこを向いても山が背景にあり、視界をぐるっと囲い取っている。 自分の生活圏というか、世界の輪郭が常に視認されるような、少し奇妙な風景。 車移動をしていて背景だけ変化がなく、不思議な体験だった。

        • 2023.11.11_黄金湯

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          郡上踊り

          2023.08.13-16_郡上八幡 郡上踊り 3大盆踊りのひとつ。 お盆の4日間は、夜8時から朝4時まで連日踊り明かす「徹夜踊り」が行われる。 曲調の異なる10種類の踊りを繰り返し、対面式のひと繋がりの列を成して踊り進む。 誰でも、どこからでも参加は自由で、いつ抜けてもよい。 道幅は狭く、踊り手との距離が近い。 列数も場所によってまちまちなので、ごちゃついた所からしれっと参加しやすい。 雨の中、淡々と踊りはじめる地元の人々。 見様見真似で少し参加してみる観光客。 自

          2023.05.13 大宮前体育館

          2023.05.13 郊外住宅地の中に現れる、2棟の楕円形の平屋と、通り抜け可能な広場。 街の地下に埋め込まれた、体育館の大きな気積。 そこでの活動を感じ取れる、地下3層分の吹き抜け。 地域の人々は、巨大さとの対峙を避けながら、体育館の在処とその様子を認識できている。 そして、認識できているということが街全体で共有されている。 そう思わせるような建築の在り方。 吹き抜けに面する回廊には、フィットネス器具や掲示物などが現れており、活動的な風景は見えずとも間接的にその様子が

          2023.05.13 大宮前体育館

          2023.05.28 東京芸術劇場

          2023.05.28_池袋 東京芸術劇場/

          2023.05.28 東京芸術劇場

          2023.05.28 都電の腰掛け

          2023.05.28_荒川区 都電の腰掛け/AS/2020

          2023.05.28 都電の腰掛け

          2023.05.28 東京カテドラル聖マリア大聖堂

          2023.05.28_護国寺 東京カテドラル聖マリア大聖堂/丹下健三/

          2023.05.28 東京カテドラル聖マリア大聖堂

          2023.05.28 ニシイケバレイ

          2023.05.28_池袋 ニシイケバレイ/須藤剛+高岩愛実/2020 幹線道路から1つ裏へ入る。 異なる形式の建物が一部をまちへと明け渡して集合している。 塀の撤去、舗装の連続、植栽による緩衝帯、滞留を促す屋外の家具、内部が見通せる透明性。 線引きを消失させる手つきが、幹線道路の裏側に下町的な生活環境が同居する池袋の都市性と結びつく。 都市の線引きを超えてまちを使い倒している風景が印象的だった。 池袋から徒歩10分、ビルやマンションが林立する幹線道路から1つ裏へ

          2023.05.28 ニシイケバレイ

          221126 明治大学生田キャンパス

          221126_生田 明治大学生田キャンパス/堀口捨巳/ 夜行バスで朝5時に新宿到着。 小田急線各停に乗り、向ヶ丘遊園で降車。 一人暮らしをしていたアパートを通過。 大学の正門へと向かう院生時の登校ルートを徒歩で辿る。 跨線橋のリズム、 、 、歩道橋の配色など、 毎日小さな発見を重ねながら同じ道を往復していたことを思い出す。 朝7時、正門に到着すると、「関係者以外立入禁止」とのこと。 この機を逃したら、ヒマラヤ杉と第二校舎は2度と見ることができないと思い、悪いことは重々

          221126 明治大学生田キャンパス

          230513 旧赤星鉄馬邸

          230513_吉祥寺 旧赤星鉄馬邸/アントニン・レーモンド/ 期間限定で公開されていたため、訪問。 南側に大きな庭を持つ、中廊下型の邸宅。 南側の居室や居間は庭から光を大きく取り入れ、北の水回りや倉庫、書斎は中庭を配する事で採光を確保する。 内外壁は大壁でつくられ、床、天井、開口には見切りが入る。 巾木見付は50ミリ、額縁と廻縁は25ミリ程度。 床材も基本的にフローリング、クッションタイル、カーペット敷のいずれか。 開口はアルミサッシで、供給が安定した後の、在来構法の

          230513 旧赤星鉄馬邸

          2023.01.07 豊川稲荷

          2023.01.07_豊川市 豊川稲荷 本殿に対して少し角度がついた参道 偏心している本殿前のアプローチ 向きを変えながら点在する拝殿・御堂・山門・鐘楼 その隙間を縫うように現れている初詣の屋台 本殿と参道を中心とした参拝空間と、林の中に広がる奥の院という2つの環境が、建物一つ一つの向きと間隔のとり方によって、散策性を持ったひとつづきの環境として感じられる。 参拝客は、参拝後に境内を散策したり、留まって立ち話をしたり、腰掛けてご飯を食べている。 寺院としての秩序を保

          2023.01.07 豊川稲荷

          2023.02.06 青森県立美術館

          2023.02.06_青森市 青森県立美術館/青木淳/2006 2回目の訪問。 以前も冬に訪れた。 外装パネル目地が浮き出ていたり、 塗装面が欠けて内部のパネル素地が露わになっていたり、 凹凸の大きいサッシまわりの白塗装面は黒く汚れていたりと、 特に「ホワイトキューブ」側は、季節も相まって経年による変化が進んでいる印象が強かった。 しかし何というか、そのことが建築の在り様を損なわせているようには感じなかった。 地面の素材性を持った基壇にホワイトキューブの塊が噛み合う

          2023.02.06 青森県立美術館

          2021.11.05 十日町情報館

          2021.11.05_十日町市 十日町情報館/内藤廣/1999 骨太の柱と巨大な陸屋根よって、雪を凌ぐための環境を大きく囲い取ること。 その内側に、人も、本も、情報も、建物も、設備も、家具も、すべての要素を集めること。 集められたモノを配置することと、大きな高低差を解消することから、本と向き合う場所を計画していくこと。 豪雪地域という環境で、屋根を支持する強固な柱や通常は表に出ないモノたちと身を寄せ合いながら、思い思いの場所で本と出会う。 ストーブのまわりに集まって暖を

          2021.11.05 十日町情報館

          22.08.15_郡上八幡 ・石積みとコンクリートの隙間から覗く、奥の気配 ・設備配管と、苔や鉢植えの植物の同居

          22.08.15_郡上八幡 ・石積みとコンクリートの隙間から覗く、奥の気配 ・設備配管と、苔や鉢植えの植物の同居