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221126 明治大学生田キャンパス

221126_生田

明治大学生田キャンパス/堀口捨巳/

夜行バスで朝5時に新宿到着。
小田急線各停に乗り、向ヶ丘遊園で降車。
一人暮らしをしていたアパートを通過。
大学の正門へと向かう院生時の登校ルートを徒歩で辿る。

跨線橋のリズム、 、 、歩道橋の配色など、
毎日小さな発見を重ねながら同じ道を往復していたことを思い出す。

朝7時、正門に到着すると、「関係者以外立入禁止」とのこと。
この機を逃したら、ヒマラヤ杉と第二校舎は2度と見ることができないと思い、悪いことは重々承知の上で、入る方法を試行錯誤する。

正門から北へ迂回し、OK側の門へ向かう。
警備員さんはいないので、キャンパス内へと入る。

図書館は入れないので、外観を見て歩く。
   な構成が、ヒマラヤスギ側の立面に現れている。

続いて、第二校舎を上り下りする。

各教室の側面に配された外部スロープ。
南面は各棟からが屋外の広場に
北面の側廊は、辺境の生田から都心部までを見通せる。
東面は、隣接する◯棟に挟まれ暗がりを持った階段。

最後に、メインの立体スロープを最上階まで上る。
今と同じ位置、同じ高さ、同じ歩みで周囲の風景を認識していく体験は数年後にはもう存在しない。

最上階からヒマラヤスギを見る。
ヒマラヤスギの高さを、たぶんはじめて認知した。とても大きい。

喫煙者ではなかったので森に入る機会も少なく、研究室も反対側だったため、ヒマラヤスギに特別な思い入れがあったわけではない。

それでも、
自分が大学生活を送る遥か前からこの地に在ったモノが、記憶の中にあるキャンパスの風景の輪郭を、自分の意識の外側から縁取っていたことを数年後に再認識したこと、
写真に記録しながら改めてその対象を観察したこと、
気づいていなかった小さな発見を重ねられたことは、
ヒマラヤスギという存在を自分の記憶に定着させるに足る有意義な時間だった。

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