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2023.05.13 大宮前体育館

2023.05.13

郊外住宅地の中に現れる、2棟の楕円形の平屋と、通り抜け可能な広場。
街の地下に埋め込まれた、体育館の大きな気積。
そこでの活動を感じ取れる、地下3層分の吹き抜け。

地域の人々は、巨大さとの対峙を避けながら、体育館の在処とその様子を認識できている。
そして、認識できているということが街全体で共有されている。
そう思わせるような建築の在り方。


吹き抜けに面する回廊には、フィットネス器具や掲示物などが現れており、活動的な風景は見えずとも間接的にその様子が想起される。

そうした器具や掲示物は、全体性を取り結ぼうとしない一つ一つの構成要素、取り合い、サイン計画によって、異物ではなく空間に取り込まれている。

それでいて、一つ一つの構成要素や取り合いが、必ずしもその「在り方」に従っていない。

・中央の平面的に波打つRC壁面と呼応する、高さ方向に波打つ手摺子
・柱の面取り分控えた位置で面が一致し、RC梁のハンチ形状も取り込み一体化してみせる、天井懐の設備スペース




そのことが、こと淡白で良好な空気をつくりだしている。

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