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葬送のフリーレン

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『葬送のフリーレン』は、現在(いま)とても熱いマンガの一つだと思ってます。表面的には淡々と進んでいる雰囲気の時が多いですが、魂が熱く、奥が深い。原作マンガ、アニメいずれかを問わず…
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2023年10月の記事一覧

魔族は官僚だ:葬送のフリーレン

葬送のフリーレンを8話まで視聴。魔族への興味から、勝手な妄想が頭から離れなくなったのでメモしておく。原作者の意図とは異なります(たぶん)。 ●魔族と魔法使いが示すもの 魔族は「官僚」を象徴している。プライドが高く、成果を誇ることが存在意義。積み上げが好き。天才は嫌い。 フリーレンたち魔法使いは「クリエーター」。くだらないこと好き。オタク的。天才的なひらめきが好き。魔族(官僚的なもの)は嫌い。 ●官僚的なものとは 官僚的なものは目的がはっきりしている。その目的に向かって手段

葬送のフリーレン 8話:魔族が油断する理由

この作品の素晴しさは、演出のすばらしさだと思う。でもその裏には深い設定があって、その魅力を支えているのだと思う。演出のすばらしさについては他の人に任せて、私は「裏側を支える仕組み」について感じたことをメモしておく。 ●リグナーの油断 「単身?やっぱりお前たちには見えていないんだな。」 シュタルクがフェルンの存在に気づいていないリュグナーに向かって言った言葉だ。最初からリュグナーの目にはフリーレンしか映っていなかった。その油断がフェルンの魔力制御能力を見誤らせた。でも、彼らは

最近見たアニメで語りたくなった

葬送のフリーレンを見た。 まず話運びが面白い。魔王軍討伐から始まり、祝祭の日から50年後へ続いていく。普通ならエピローグにあたりそうな部分が一話目なのだ。 わたしは日常系アニメが好きだ。並外れた目標に向かって研磨していく話より、日常にフォーカスしたアニメの方が楽しく見れる。なぜなら、単純にド派手なアクションを見るとなんだか疲れてしまうし、マチズモが苦手なのだが「頑張る」「努力する」「立ちはだかる敵」みたいなものにそれを感じ取ってしまう、それに自分が入り込める余地がないからだ

【葬送のフリーレン】補足情報:世界地図

大きなネタバレではないので紹介しますが、アニメ「葬送のフリーレン」第1話の冒頭にて、世界地図が登場します。 漫画でも世界地図の描写はありますが、アニメのもののほうが、より詳しく描かれていました。 本記事では、アニメで登場した世界地図と、そこで気付いたことを紹介したいと思います。 漫画「葬送のフリーレン」の単行本全11巻107話までの記述内容を含むので、ネタバレを避けたい方は読むのを止めて下さい。 アニメでの世界地図以下がアニメ第1話の冒頭に登場した世界地図です。 魔

『葬送のフリーレン』放送開始

 原作未読、事前情報一切なしでお送りする、『葬送のフリーレン』初回解説。  第1話を観た限りでのネタバレあります。  2023年10月期のアニメが始まりました。今期も凄い数のアニメが放送されていますが、その中でもいち早く話題になっているのが、『葬送のフリーレン』です。  そもそも初回が2時間スペシャル、しかも金曜ロードショー枠で放送って、何ーポッターですか。  初回拡大放送が大々的に実施されるようになったのは、おそらく2011年初頭に放送された『魔法少女まどか☆マギカ』の

【Netflix】葬送のフリーレン(第一話)を見て早速泣いた21時(ネタバレなし)

こんばんは。ご無沙汰しております。私は、9月は吐き気がするくらいデスクワークを遂行し、保育園のお迎え時間ギリギリ、あるいは時間延長して毎日お仕事しておりました。(当たり前か) 10月になり、ようやく、note、 そして数少ない読者の皆様と再会できました。 結局は私のやる気次第なんだけど、noteに戻ってこられて、まずはよかった。 さて、「葬送のフリーレン」。 原作の漫画が気になっており、夫の勧めもあって、先程第一話を拝見しました。 いやはや。 どうしよって思うくらい、よ

勝ち目はどこに?

若い頃は、漫画の目利きを自認していたので、お気に入りの作品がアニメ化されると、勝ち誇ったように 「ほーら、やっぱり、わたしって見るあるぅ!」 などと呑気に思っていた。 当時は掲載媒体も今より少なく(そもそもインターネットがなかったので、日の目を浴びずに埋もれていた作家や作品も多かったと思う)、その気になりさえすれば、全ての作品に目を通すことが可能な時代だったし、テレビのアニメ枠自体が少なかったのだから、そりゃ、誰でも簡単に予想ができたことだろう。 「これだけ売れてれば、アニ

日記#93 「葬送のフリーレン」ハマる

9/29(金)起床15時。 はあ!???? スマートウォッチで確認すると睡眠時間13時間。 寝すぎ。 昨日夜まで飲んで遊び過ぎた… 流石にスッキリして調子はいいものの生活リズム崩壊の予感… 雑務とルーティンをこなすともう夜。 今日は金ローで葬送のフリーレンのアニメをやるらしいので見てみる。 フリーレン、以前漫画1巻を読んだことがあるけどあまり刺さらなかったんだよな…と斜に構えながら視聴。 まあよかったです。 映像化されることで色や音が付き、より異世界の世界観に没入するこ

【葬送のフリーレン】アニメのキャスト&スタッフのインタビュー①

アニメ『葬送のフリーレン』は、既に放送を開始していますが、制作に関わったキャスト&スタッフのインタビュー記事を読むことで、再度見返した時に感じ方が変わる可能性があります。 インタビューなどのメディア情報は、以下のリンクにまとまっています。 本記事では、アニメ『葬送のフリーレン』のキャスト&スタッフのインタビュー記事を参照し、その内容がアニメの中でどのように実現しているかの、具体例を紹介したいと思います。 以下ではアニメ『葬送のフリーレン』の内容に触れますので、ネタバレを

★【続巻マンガ紹介】『葬送のフリーレン 11巻』が熱い!

マンガが好き過ぎて、マンガの貯蔵量が60,000冊を越えながらも、毎月新しいマンガを買い漁る僕が、前回1~10巻までの名言を紹介したマンガである『葬送のフリーレン』(©原作:山田鐘人・作画:アベツカサ/小学館)の最新刊:11巻を紹介させていただきます。 ちなみに先週の金曜ロードショーを終えて、昨日10/6(金)からアニメの放送が始まりましたね! 葬送のフリーレン 11巻 感想 ついに黄金郷編が完結となりましたね。 最強最悪の魔族と謳われる七崩賢マハトと誰にも知られてい

そして、だからこそ わかり合えない。|漫画『葬送のフリーレン』第11巻

10年の旅の末、魔王を倒した勇者一行。 旅は終わり。 パーティーは解散し、エルフ族のフリーレンは、1人で再び旅に出た。 50年後。約束の流星群を再び見るために仲間の元へ帰ってきたフリーレンは年老いたかつての仲間に再開する。 そして、流星群を見る約束を果たした後、仲間だった勇者ヒンメルはこの世を去った。 彼の葬儀の日。 フリーレンは彼との旅を思い出しながら、人間の寿命が短いとわかっていたのに、何故、もっと知ろうとしなかったのか、と後悔する。 長寿種であるフリーレンにとっ

「葬送のフリーレン」の男キャラの人間関係に対応するスキルとケア能力は、超人的である。

「葬送のフリーレン」を読み返したら、シュタルクやザインに対するフェルンの態度が余りに理不尽で我儘なのが気になった。  フェルンのシュタルクやザインに対する態度は、↓に書いた究極の甘えだ。 「不機嫌や無視で人をコントロールしてはいけない」とよく言われるが、フェルンは「家族に感情や機嫌をモロに出す甘え」をそのままやっている。  人間関係は相互作用を長いスパンで本人同士が判断するものなのでそれだけをとって悪いとは言えないが、それを鑑みてもフェルンのシュタルクやザインへの言動はひ

【「葬送のフリーレン」キャラ語り】「黄金郷のマハト」は、「自分が凄く好きなことにまったく才能がない人」だから共感してしまうのだ。

*既刊11巻までのネタバレが含まれます。未読のかたはご注意ください。 (これまでのあらすじ)  これまでブログやnoteで、「葬送のフリーレン」は主要キャラは人間関係の機微を察知し対応する能力が異様に高く、その能力を標準としてコミュニケーションをとっている。  そしてそういうハイレベルなコミュケーションを行うキャラの内面は直接的にはほとんど描写されない。そのため、その内面もそこから派生するストーリーのコンテクストも読み手が率先して読み取りにいかなければならない作りをしてい

「葬送のフリーレン」:終わった後に始まる物語の始まりの解釈(再加筆)

「葬送のフリーレン」の物語の解釈、考察をします。 「葬送のフリーレン」は、原作マンガが少年サンデーで連載中で、コミックは11巻まで刊行されていますが、アニメの放送が始まったばかりです。 ですが、私は、マンガ、コミックを読んでいません。 ですから、アニメの第4話までで明かされた、この物語の始まりの部分の、物語の基本設定に対する、かなり私的で強引かもしれない解釈です。 マンガを読んでいる人からすると、そういう話ではないのに、と思うかもしれませんが。 マンガを読んでいないの