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冴えない日常のメモ

「ねぇ、プラスチックのやつって、なんていうの?」 「プラスチックのやつ、じゃ何のことかわからないよ」 「プラスチックのやつだよ」 「だから、それだけじゃわからないって」 「なんでわかんないんだよ!」 「それだけじゃ、誰もわからん」 「絶対わかる!」 「もうすこし説明してよ。何のプラスチック?」 「あー、もういい!もういい!」 「おいおい、なんだよその言い方は!」 「だからもういいって言ってんじゃん!」 「よくない!そんなのムカつくだろ。ちゃん説明しろ。」 台所で夕食の支度を

    • 映画『聲の形』/植野というキャラについて

      映画『聲の形』がTV放映されたのをきっかけに、この作品について色々考えている。特に植野という「嫌われキャラ」について、改めて色々考えた。酷い扱いを受けたのに、硝子はなぜ植野にアプローチを続けたのだろうか。いろいろ考えたことについて、メモしておこうと思う。 #ネタバレあり 植野は主人公である将也の小学校の同級生。将也のことが好きで、硝子にはたびたび辛く当たる。彼女は色々なことを自分勝手に決めつける。人の意見を聞こうとしない。硝子が転校してこなければ、自分たちは幸せでいられた

      • 『負けヒロインが多すぎる』#6/温水的言動の優しさ、について

        『負けヒロインが多すぎる!』6話視聴。焼塩回。焼塩の心理と、それに寄り添うような風景と、どっちもがとても切なくて、いい話だった。そしてとにかく温水の優しさが新鮮でとても良い。なにが良いのか、感じたことを書いておこく。 #ネタバレあり OPで温水は、傾いていた「森」の字を無意識にまっすぐになおす。温水とはそういう人だ。温水は人一倍、いろいろなことに気づき、世界を良くするための行動を意識せずにしてしまう。他人の辛い思いが気になってしょうがない。「無意識の良心」とでも言うものを

        • 映画『聲の形』/生きるのを手伝ってほしい、について

          今日『聲の形』が金曜ロードショーで放送された。せっかくなので、この映画について思うことを書いておこうと思う。思ったことについて書こうとすると、いくらでも書ける気がする。そう感じるくらい、いろいろ考えさせられた映画。だから「生きるのを手伝ってほしい」について思ったことに絞って、できるだけ手短に書いておこうと思う。(短くないけど・・・) #ネタバレあり 主人公の将也が小学生の頃の回想シーンは胸が痛む。将也は転校してきた硝子をいじめ、そして逆にいじめを受けることになる。私たちは

        冴えない日常のメモ

        • 映画『聲の形』/植野というキャラについて

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          『負けヒロインが多すぎる』#5/負けヒロインの自由、負けることの意味

          『負けヒロインが多すぎる』5話視聴。1話からずっと面白い。でも、ヒロインが負けるのを見て面白がるなんて、ちょっと趣味が悪いような気もする。でもそんなことはない。むしろ私たちはこの作品を面白おかしく見ながら「ちゃんと負けること」の大切さを思い知るのだ。そこで必要なのは「潔さ」とかではない。では、ちゃんと負けるとは何なのか。感じたことをメモしておく。 #ネタバレあり ●千早と八奈見の暴走 5話では光希の彼女、千早が暴走する。千早は恋愛には負けていない。でも何かに「負けている」

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          『負けヒロインが多すぎる』4話/人の気持ちを想像するキモさの賛歌

          『負けヒロインが多すぎる!』4話視聴。超楽しい。ストレスなく楽しめる。なのにいろいろ考えさせられてしまう。温水は自分の中だけで考えすぎて八奈見と気まずくなってしまう。そういう失敗が描かれる。でもこの作品は、「温水的思考暴走属性」を肯定する話なのだと思う。だから私も「温水的思考はどう肯定されるのか」についての思考の暴走をメモしておく。(作者の意図とはぜんぜん違うかも) #ネタバレあり ●繋がっている二つのエピソード 今回のお話では、小鞠がちゃんと負け、温水は八奈見と険悪にな

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          『負けヒロインが多すぎる』3話/がんばれ小鞠。ただそれだけを願う。

          サブタイトルは「戦う前から負けている」。小鞠回。こんなん反則だろ。小鞠を応援したくなるに決まってんじゃん。なぜこんなに小鞠を応援したくなったのか、思ったことを書いておく。 #ネタバレあり 小鞠は「戦う前から負けている」がぴったりのキャラだ。気持ちを寄せる玉木に小動物のようにかわいがられているが、女性として見られていない。酷いコミュ障で、話しかけることすら満足にできない。私たちには全く勝ち筋が見えない。八奈見、檸檬はまだ可能性はあった気がするが、小鞠はぜんぜんダメそうだ。そ

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          『劇場版 モノノ怪』唐傘/あなたは何を捨てた?そう問いただされる。

          『劇場版 モノノ怪 唐傘』を視聴。まず映像がとにかくすごかった。薬売りかっこよすぎ。映像美を楽しむべき映画だろう。しかし映像美と同じくらいテーマになっている「何を捨てた?」が、私にはぶっ刺さった。考えさせられたことを書いておく。 #ネタバレあり 誰かに認められるために、私たちは何かを捨てることがある。こんなことをやっている場合じゃない。そう思って焦り、なにかを切り捨てたことがあるはずだ。私はこれまで何を捨ててきたのか。薬売りにそう問いただされる。そんな気がした。 カメは

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          「負けヒロイン」をみて幸せに笑える理由/『負けヒロインが多すぎる』感想

          『負けヒロインが多すぎる』というアニメを見ている。抜群に面白い。でも何がそんなに面白いのか、説明することは難しい。きっと何も考えずに楽しむのが正解だ。でもあえて小難しく考えたい。なぜ「負けヒロイン」をみて、私たちはこんなにも幸せに笑うことができるのか。 #ネタバレは殆どないと思う ●恋愛の負けの特殊性 スポーツの勝負は「得点を競う」ことが多い。それが球技でも、芸術点を競う競技でも、数字で勝負が決まる。そこには「客観的基準」が必要だ。どういうプロセスでどちらが勝ったのか、誰

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          『負けヒロインが多すぎる』第2話/今、頭を空にして楽しめる凄さ。

          『負けヒロインが多すぎる』第2話視聴。頭を空にしてみられる作品として素晴らしい。なぜこの作品は、こんなにも「頭を空にしてみること」ができるのか。そんなこと考えるのは、こういう作品の楽しみ方を知らない奴だ。わかっている。私は完全に余計なことを考えている。でも考えてしまったので、メモしておく。 #ネタバレあり 「こいつ、ひょっとして、ただの馬鹿?」 財布の中身を把握していないのに、奢ろうとしていた八奈見に対して温水はツッコミを入れる。的を射たツッコミだ。このときの八奈見は「た

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          『負けヒロインが多すぎる』1話/女子を2種類に分ける独創的定義

          アニメ『負けヒロインが多すぎる』1話視聴。何だかすごいぞ、この作品。会話劇として面白すぎる。「負けヒロイン」というテンプレ設定なのに、なぜかすごく独創的でワクワクするような面白さなのだ。「テンプレ」と「独創性」について考えたことをメモっておく。(注意:とてもくだらない内容です) #ネタバレあり ●視野狭窄と言う武器 1話の中心は、主人公である温水と負けヒロイン八奈見の会話劇だ。絵にかいたような負けヒロインの八奈見は、テンプレの枠に押し込められているのに、常識外れの自由な発

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          映画『ルックバック』を不快に感じる気持ちについて

          映画『ルックバック』を見て私は単純に感動した。しかし不快に感じた人が一定数いるようだ。そのことについて感じたことをメモしておく。 #ネタバレあり この映画を見た少なくない人たちが、京アニの事件をネタとして使っていることに不快感を感じたようだ。人の感性は多様だ。だからそういう感想があってもいいと思う。作品を擁護したい気持ちがないわけではないけど、この記事はそういう趣旨ではない。純粋に感じたことを書いておきたい。 ●「ネタとして使うこと」が問題なのではない まず私が気になっ

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          『小市民シリーズ』第2話/人はすぐ謎を見つけ、推理してしまう。

          アニメ『小市民シリーズ』第2話視聴。原作未読。前情報なしで、なんとなく見始めた。が、2話でこの世界に一気に引き込まれた。ずっと視聴しそうな気がする。何に引き込まれたのか、感じたことをメモしておく。 #ネタバレあり。 ●あらすじ 2話の話は簡単だ。主人公小鳩は、友人堂島健吾の家に招かれる。そこで健吾は美味しいココアを出してくれる。だが、キッチンのシンクに残されていたのはスプーンひとつだけ。いったい彼はどうやってココアを入れたのか?小鳩は友人小山内さんと健吾の姉と一緒に謎に迫

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          映画『ルックバック』/背中を追いかけ、背中を押す二人

          映画『ルックバック』を見た。凄かった。興奮が冷めないうちに感想を書こうと思う。だから妄想が強め。冷静になってから赤面する内容かもしれない。が、今思うことを書いておきたい。 #ネタバレあり ●背中を追いかけ、取りつかれたように描く狂気 喜びをかみしめ雨の中を走る藤野。ルックバックと聞くと、このシーンを思い浮かべる人も多いだろう。私たちの胸に深く刺さるシーン。あの変な走り方を忘れられなくなる。でもなぜ、こんなにも深く胸に刺さるのか。 あのシーンで印象的な「藤野の喜び」。そこに

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          映画『ルックバック』を誰かに勧めたい

          映画『ルックバック』を見た。最初の絵から、もうダメだった。何だこりゃ。なんかすごく「心に来る」絵なのだ。映画の最初から音楽のボリュームが大きい。そう感じたときは、普通なら私はちょっと白けたりする。でも絵の力が凄いから、大音量の音楽も相まって、なんかもう全部クリティカルヒットだった。最初から世界に引きずり込まれた。 たった58分の映画だそうだ。もっと長い気がした。いや、体感はあっという間だった。でも、気が抜けるシーンが無かった。じっと見続けた。そういう映画だ。 この映画は凄

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          私たちにとって黒江真由とは何だったのか/『響け!ユーフォニアム3』感想

          『響け!ユーフォニアム3』が完結した。今期、私はずっと黒江真由を恐れ、嫌っていた。そして12話で彼女の行動理由を知り、謝罪したい気持ちになった。私の中にあった「知らない人を嫌う傾向」。それは誇るようなものじゃない。けど、それがあったからこそ物語に深く感動した。だから、その前向き向きな意味を考えたい。 #ネタばれあり ●知らない人への自然な反応 「私は辞退したほうがいいのでは?」と尋ねる真由に悪意はなかった。でも私たちはそこに悪意を見た。もし真由を良く知っていたら「彼女はそ

          私たちにとって黒江真由とは何だったのか/『響け!ユーフォニアム3』感想