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すずめの戸締まり

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『すずめの戸締まり』は今まで観た映画の中で、トップクラスに良かったです。多くの人が感想や考察を書いていますが、私が読んだ中で共感できるものやハッとさせられたものを集めてみました。…
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#アニメ映画

『すずめの戸締まり』に通底する精神は『日月神示』に通じる

『すずめの戸締まり』には日本の根源的精神が流れている 新海誠『すずめの戸締まり』はご覧になったでしょうか。普通に日本で暮らしている人であれば、この映画には神道の発想が根底に流れていることを感じたのではないかと思います。神道の発想の中でも、特に古神道あるいは幕末明治維新期に生じた新興神道(形式化した神道に対する本来の神道復活の動き)に通じるものがあると感じました。 そうした古来の本来の神道のエッセンスは『日月神示』(「ひつきしんじ」と読みます)に凝縮されて示されていると思ってい

劇場版 すずめの戸締まり 封印されたカード

『カードキャプターさくら』は萌え漫画であり、魔法少女ものであるが、一度、2000年に完結し、2016年に新章として『クリアカード編』として再開しているのだが、私は、『クリアカード編』に関しては2巻までしか読んでおらず、そろそろ読むかな~とか思っていたらもう13巻まで発売していて、来年発売の14巻で完結するのだという。 『カードキャプターさくら』は、温かみのある絵柄で、登場人物全員が優しく、平和な世界である。 危機が起きても、主人公の桜ちゃんの「絶対にだいじょうぶだよ」という

「すずめの戸締まり」冒頭約10分の●●が凄い件について。

※このコラムには、一部ネタバレ要素を含みます。   世間で話題を呼んだ「すずめの戸締まり」は冒頭に力点を置いた作品だと思う。具体的には、冒頭の約10分間で視聴者に複数の展開を提示することで、一気に作品に関心を引き寄せる戦術が盛り込まれている。そして、新海誠監督(以下、同氏)がそのような戦術を取り入れた背景には、現代人の「タイパ志向」が関係していると筆者は推測した。  「タイパ」とは、タイムパフォーマンスの略であり、文字通り「時間効率」を指す。つまり、時間効率を意識するスタ

新海誠が描く神とは?「すずめの戸締まり」

今回は、新海誠作品について書いてみたい。 彼は、いまや日本屈指のヒットメイカーだよね。 最新作「すずめの戸締まり」を見ても、抜群の安定感である。 「ほしのこえ」に始まった初期作品は「別れ」をテーマにしたものが多かったが、今は違う。 特に「君の名は」以降はひとつのスタイルが固まってきて、いわゆるボーイミーツガールのセカイ系ってやつか。 初期作品に比べればかなり後味がよくて、「すずめの戸締まり」に至っては歴代最高のハッピーエンドだったといっていいだろう。 よくできた作品だった。

[Real Sound寄稿記事] 新海誠が『すずめの戸締まり』で試みた“脱RADWIMPS” 昭和ポップスの起用や共同制作者を迎えた意味

Real Soundに65回目の寄稿をしました。今回は新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』の音楽について。ボーカル曲を減らし、徹底的に映画音楽として溶け込んだRADWIMPSやその他の劇中曲がもたらす演出効果について考えてみました。 今回の記事、もう1パターンを勝手に用意してまして、それは昭和歌謡のくだりのみで書き切るというもの。せっかく書いたんでここに載せます。サイト上での2ページ目を以下の文章にするイメージで読んでみてください。 ------------------

すずめの戸締まり、続きの感想など

すずめの戸締まりのサントラをApple Musicで聴いています。 音楽も素晴らしいですね。 https://music.apple.com/jp/album/suzume/1651183497 一夜明けて まだ余韻に浸っている。 Twitterのフォロワーさんの間では、芹沢くんに堕ちてる人、多数みたい(笑) 一見チャラ男なんだけど、根はとっても優しくて、すずめの旅に最後まで付き合ってくれる。 叔母の環さんも、ダイジンもサダイジンまで、受け入れて、遠距離運転してく

すずめの戸締まり、後ろ戸・要石・閉じ師について

昨夜拝見した考察で、要石は幼い人間の人柱では? みたいなのがあって、めちゃくちゃ怖くなりました。 わたしは無機物のその辺の石であり、そこに神格や魂が宿ったような物と思っていたのです。 なので、そもそもの後ろ戸とは何か、要石とは、閉じ師とはを自分なりに整理してみようと思います。 後ろ戸とは何か 要石とは 閉じ師とは 仏堂の背後の入口のこと。この入口は本尊の背後にあることから宗教的な意味をもち,後戸を入った正面に本尊の護法神やより根源的な神仏を安置する。 後ろ戸を

すずめの戸締まり

(以下、大いにネタバレあり、 思ったこと感じたこと取り留めもなく書きます) 2022.11.11 オープンゲートの日 新海誠監督の新作「すずめの戸締まり」 行ってきました。 とてもとても良かった。 新海監督の、願いと祈りのこもった作品なのかなと。 あの時、あの時代、そこで生きていた人達、土地、そういうものへの鎮魂歌かな。 「君の名は」「天気の子」に続く三部作の最後にふさわしい。 「君の名は」は、過去に遡って救うこと、生まれる以前からの縁とか運命とか繋がりとか、

「すずめの戸締り」はエンタメの力技でグリーフケアしてくる

2022年の劇場用長編アニメーション映画「すずめの戸締り」(新海誠監督)は、11月11日という公開時期にも関わらず2022年の年間興行収入ランキング3位という記録を打ち立て、2023年2月現在も上映が続いているロングランヒットとなっている。 新海誠監督の前作『天気の子』が公開された2019年、【『天気の子』が般若心経な3つの理由】というエントリを公開し、「新海誠は令和時代の<仏教伝道者>だ」と記した筆者にとって、最新作にはどんな宗教的な要素が織り込まれているのか?観逃せるは

『すずめの戸締まり』雑感

 どうもです。  今回は、タイトル通り『すずめの戸締まり』の雑感です。11月12日にイオンシネマのULTIRAで観てきましたので。んで、感想をTwitterで書こうとしたけど何かまとまらず、でもnoteにちゃんと感想記事書く気もそこまで湧かず、Twitterで呟く位のラフさでnoteにたまには書いてみようかと。なので、"雑感"です。あしからず。ネタバレは気付かずしてるかもなので、鑑賞後読んで頂くのがイイかもしれません。てか、鑑賞前に感想読む人ってあんまいなさそう(少なくとも

すずめの戸締り考察 ~新海誠監督の神道観~

新海誠監督の「すずめの戸締り」は、日本書紀、古事記、日本神道に由来するモチーフに彩られています。 作中の名称だけでも、 ・閉じ師である草太が扉を閉じるときの呪文のような言葉が祝詞 ・岩戸鈴芽→天岩戸 + 天宇受売(あめのうずめ、岩戸を開くときに尽力した芸能、縁結びの神) ・宗像草太→宗像三神(航海、交通の安全)+草太(草薙の大刀) のように日本神話のモチーフが散りばめられています。 また、この閉じ師の祝詞や彼の仕事内容から、日本神道を下地にした新海誠監督自身の神観とも言うべ

『すずめの戸締まり』という何度見ても泣ける作品

を,見るのも今日で3回目である. 今日は主に入場者特典(芹澤さんの小説)を手に入れるために行ったようなものであるが,今更ながら映画のパンフレット¥880も購入した. 初回はIMAXでTOHOシネマズ日比谷で見て,2回目は日本橋で見て.3回目の今日はまた日比谷に戻ってきて宝塚地下?の劇場で見た. ちなみにIMAXはレベルが違う(音の迫力,映像が迫ってくる感じなど)ので,1回だけすずめの戸締まりを見てみようという方は,ぜひIMAXで見てほしい. 2回目は確か大画面のTCX?で