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すずめの戸締まり、後ろ戸・要石・閉じ師について
昨夜拝見した考察で、要石は幼い人間の人柱では?
みたいなのがあって、めちゃくちゃ怖くなりました。
わたしは無機物のその辺の石であり、そこに神格や魂が宿ったような物と思っていたのです。
なので、そもそもの後ろ戸とは何か、要石とは、閉じ師とはを自分なりに整理してみようと思います。
後ろ戸とは何か
要石とは
閉じ師とは
1.そもそもの後ろ戸とは何か
仏堂の背後の入口のこと。この入口は本尊の背後にあることから宗教的な意味をもち,後戸を入った正面に本尊の護法神やより根源的な神仏を安置する。
後ろ戸を入った正面とか
後ろの正面だあれ
なんて童歌を思い出してしまう。
さて、
すずめの戸締まりの後ろ戸とは
人が住まなくなった廃墟にある
すなわち、人の気配がなくなった場所。
そこが開くと中から災いが出てくる。
災い=ミミズ
ミミズが出て、地上に落ちると地震が起きる
後ろ戸の向こうには、常世が開いている。
「全部の時間が溶け合ったような、空があった」
全部の時間=過去・現在・未来
だから、過去の常世に迷い込んだ小さなすずめと高校生17歳になったすずめが出会えるんですね。
あの後ろ戸は、災いが出てきてしまったあと、3.11が起こってしまった後の扉だったのかな。
過去の小さなすずめ、迷い込んだ後ろ戸の中、お母さんは既に震災で亡くなりどんなに探しても見つからない。
歩いて歩いて疲れ切った小さなすずめを、未来のすずめ(すずめは明日のすずめと言っています)が救います。
そうして、過去の小さいすずめは現世に戻れるのですね。
後ろ戸は、何処にでも開く。
寂しく廃虚となった場所で。
2.要石とは
要石(かなめいし)は、茨城県鹿嶋市の鹿島神宮、千葉県香取市の香取神宮、三重県伊賀市の大村神社、宮城県加美町の鹿島神社に存在し、地震を鎮めているとされる、大部分が地中に埋まった霊石
鹿島神宮の言われでは、
地震は鯰(ナマズ)が引き起こされるという考えがあり、その大鯰を押さえつけるための石がこの要石。
要石は大鯰の頭と尾を抑える杭という信仰で、地上には直径30cm・高さ7cmほどしか出ていませんが、地中には巨石が埋まっているのだとか。
『水戸黄門仁徳録』には、水戸藩主・徳川光圀が要石の周囲を7日7晩掘り起こしても、穴は翌朝には元に戻ってしまい根元には届かなかったと記されています。
とても興味深い。
すずめの戸締まりの要石は、
東と西にある。
要石の場所は固定ではなく、変わる。
すずめが旅をする時には、
東は東京の線路のトンネルの中
西は宮崎の廃虚(すずめが抜いた)
ダイジンになった要石の形状は、逆三角柱のようで、猫のような模様があった。
抜いたら白い子猫になった。
東の要石は、扉を閉じれず、抜けて黒い大きな猫になった。
代わりに椅子になった草太さんが要石となり、常世で人柱となった。災いを止めた。
3.閉じ師とは
各地で開く後ろ戸を閉じていく生業。
代々行われている。
過去帳がある。
災いが出て来る扉を閉じる鍵を持つ。
閉じ師の役割を果たせない場合、命の危険がある。
草太さんの宗像家は、代々閉じ師の家系。
祖父も閉じ師だが、今は東京で入院している。
父親や母親は出てこない。
祖父は、草太さんの事を「しくじったのか」と言います。
「今から数十年かけて、神となっていく」
みたいな事をすずめに告げます。
草太さんを助けたいすずめに
「以前入った後ろ戸からなら常世へ入れる」と教えます。
祖父は、何故、後ろ戸の入り方を知っていたのか。
そして、すずめが病院を後にした時に出てきたサダイジンを知っていた。
サダイジンに道中見守る事をお願いする。
何故、東の要石を知っていて、黒猫がそれだと分かっていたのか。
ここから、わたしの考察というか想像というか。
祖父は、以前、要石と関わりがあった。
サダイジンに敬語なのは、神格化した存在への敬意か、または要石になった存在が何か(誰か)を知っているのでは。
後ろ戸が開く状況はとても緊迫した状況です。
そこに幼い子供だとか動物だとかを要石にするために連れてくる余裕はないと思う。
後ろ戸は、誰もいない廃墟にある訳だし。
それに、人身御供は、古代ならまだしも、現在ではあってはならないですよね。
もし、要石を人柱とするなら、失敗した閉じ師本人が自ら要石になるのかなと。
とても辛くて厳しい、考えたくないですけど。
なので、サダイジンは、祖父の閉じ師仲間だったかもしれないですね。
ダイジンは、草太さんを椅子の姿に変える時、要石の役割も与えたと言っています。
要石になるには無機物にする必要があるのではないかと。
草太さんは椅子という無機物になります。
その割にめちゃくちゃアクティブな椅子ですけども。
草太さんの閉じ師のお父さんが出てこないのは、失敗して命を失った可能性もあったりするのかなと。
草太さんは、祖父とは、少し確執があるような雰囲気を感じました。
多分、閉じ師として、とても厳しく躾けられたんじゃないかな。
わたしとしては、要石は閉じ師ではなく、その辺にある無機物に役割を与えたものであって欲しいと思います。
🚪キャラクター紹介🚪
— 映画『すずめの戸締まり』公式 (@suzume_tojimari) October 6, 2022
🗝宗像羊朗(むなかたひつじろう)
ーー #松本白鸚
草太の祖父。
閉じ師の師匠でもあるが、
現在は東京の病院に入院している。https://t.co/iBajsy41pA#すずめの戸締まり#新海誠#11月11日公開 pic.twitter.com/6l1u5kNA58
草太さんが戻って来れたのは、直接人間から要石になったのではなく、すずめの椅子という、すずめの母から想いを込められた、他人の無機物だったからなのかもしれないなと思います。
そして、元の要石であるダイジンが戻って来たこと、すずめのキスと草太さんの生きたいという強い思いがあったからこそのような気がしています。
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