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すずめの戸締まり

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『すずめの戸締まり』は今まで観た映画の中で、トップクラスに良かったです。多くの人が感想や考察を書いていますが、私が読んだ中で共感できるものやハッとさせられたものを集めてみました。…
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2022年11月の記事一覧

映画「すずめの戸締まり」を見てきた。素晴らしい導入。

映画「すずめの戸締まり」を見てきました! 公開初日、早朝7:30の回で見てきましたよ。良かったですね。でも、舞台としてここを選んでいいのかとは思いました。見ていて凄く哀しみを感じる映画でしたね。廃墟がたくさん出てきますが、そこは昔たくさんの人たちがいたところ、でも今はもう人はいず。 物語は希望を示して終わりますが、映像が見せるのはものすごい哀しみです。 良い映画でした。 導入部は特に素晴らしかったですね。映画館で見る映画を途中で出る人はほぼいないだろうに、しっかり人の心を掴

返還される未来 『すずめの戸締まり』

 3.11震災と日本神話的要素を中核にして、一人の少女の変容を描く。それが今回の新海誠作品でした。宗教的な意味での「後戸」と、セキュリティホールとしての「バックドア」とかなんか関係あんのかなとか考えましたが、それはいいや。  大きな感想としては主人公・岩戸鈴芽の「奪う者から返す者」への変化・変容が中心です。  震災で母を亡くし、叔母・環に引き取られて九州に引っ越した鈴芽は、結果的に環個人の時間や可能性を奪うことになってしまいます。この事実は鈴芽の中でずっと小さく引っかかって

すずめの戸締りの感想(⚠︎ネタバレ)

すずめの戸締りはよかった。具体的に言うと映画館に入ってからというもの、期待しすぎていて、期待しすぎて不安になり吐き気を催すほど期待していた。 しかし蓋を開けてみると期待のハードルを二つ三つ軽く跳び越す程のものが出来上がっていた。古来からの新海誠とは少し違っていた(秒速原理主義と呼ばれるものだろう)が、多少の違和感を手放しにしてしまうくらいには良い作品だった。 とりあえずの感想。セカイ系SFとして最高だっただけではなく、現代人の描写がしっかりしており作品を通して人の可能性を信

劇場版 すずめの戸締まり 封印されたカード

『カードキャプターさくら』は萌え漫画であり、魔法少女ものであるが、一度、2000年に完結し、2016年に新章として『クリアカード編』として再開しているのだが、私は、『クリアカード編』に関しては2巻までしか読んでおらず、そろそろ読むかな~とか思っていたらもう13巻まで発売していて、来年発売の14巻で完結するのだという。 『カードキャプターさくら』は、温かみのある絵柄で、登場人物全員が優しく、平和な世界である。 危機が起きても、主人公の桜ちゃんの「絶対にだいじょうぶだよ」という

【鑑賞済向け・ネタバレあり】『すずめの戸締まり』最速上映を終えて~受動・能動の“大丈夫”、そして内化~

※注意書き ・この文章は2022年11月11日0:00~の最速上映を終え、深夜のマクドでハッピーセット(えほん『すずめといす』付き)を摘まみながら書いているものです。 ・映画のファーストインプレッションを大切にしたかったため、小説判はおろかその他の事前情報もほぼ無しの状態で1度見た限りです。 ・内容的外れだったりあとから意見変わったらゴメンね。 ・誤字脱字もごめん ・日本語不自由もごめん!!推敲できてません!  (寝不足フルタイム労働からの先速上映からの1時間散歩からの執筆中

映画「すずめの戸締まり」

新海誠監督の作品を映画館で観るのは、「君の名は。」「天気の子」に続いて3度目である。私の感想だが、監督は、今回の「すずめの戸締まり」で、本当に伝えたかったことを描くことができたと思っているのではないだろうか。   もちろんストーリーそのものについてネタバレをしたいとは思わないので、もう少し漠然とした形で語ろうかと思う。但し、それでも映画を観るまではそうした声を一切聞きたくない、という方もいらっしゃるだろうと思う。そのときには、ここまでお読みになれば十分である。   メジャーな

#すずめの戸締まり =日本におけるアニメ史の「要石」になりえる、という話

「天気の子」から3年「すずめの戸締まり」を観てきた件 新海誠監督の新作長編アニメ映画「すずめの戸締まり」を観てきました。 (早いもので前回の「天気の子」から3年も経ったんですね) 自分が3年前に「天気の子」を劇場で見たときと奇遇にも、全く同じ新海ファン&エロゲマニアの友人と、上映前に「もうやんカレー」を食べたあとに歌舞伎町のTOHOシネマズ、しかも7番シアターで観るという完全に同じルートをなぞっていました。 作品自体への感想 あまりネタバレがないようにしつつ、感想を言

【新海誠監督作品】『すずめの戸締まり(2022/11/11公開)』観ました

 天気の子から3年。いよいよこの時がやってまいりました。 ○災害を鎮めるお話 今作は『災害を鎮める』お話となっていました。  災害から人々を救うお話は君の名は。でも描かれていましたね。しかし今回は、事前に災害を防ぐという点で異なっていました。  また君の名は。ではSF色の濃い日本神話を絡めたお話でしたが、今作は日本神話のイメージが純粋に強くなっているように感じました。この点は天気の子に通じるものがあると思います。  かわいい猫ちゃんが出てきたと思ったらクッソ…と思うよう

『すずめの戸締まり』感想文

昨日観てきたので感想文を書こうと思う。 最初に映画冒頭についての文句だけ言うけど、CMがクッッッッッッッソ長くてびっくりしちゃった。 20分あった。正気か?上映時間2時間20分じゃなくて2時間じゃん! 質屋の広告がちょっと新しくなってて面白かった。あのハッカーは何??? この映画、個人的には『天気の子』や『君の名は。』よりも好きかもしれない。『天気の子』は苦手寄りだったから比較に出しちゃいけない気もする。 映像がとても綺麗だった。 今回廃墟がいっぱい出てきてたけど、その

【無料公開】「すずめの戸締まり」が妙に今の自分とマッチしてしまった備忘録。

聞き覚えのある方言。 見覚えのある乗り物。 見飽きたくらいにずっと見ていた学生証。 そして、「あの年」と「あの日」 天気の子は見なかった。 新海誠の映画を見るのは「君の名は」ぶり。 あれは2016年、まだ大学生だったころに、シンゴジラで発声上映なんかをやっていた頃だったけど、久しぶりに見た新海作品はあの頃の情熱とか迷っていたこととかいろいろ思い出させてくれた。 おかげさまで、明日からも元気に生きられそう。 以下、自由気ままに書く。 カエルくん東京を救う 「ミ

すずめの戸締まり 感想

2022.11.15待ち侘びたすずめの戸締まりを見てきました。去年か、今年の初めに新しい新海誠監督の映画があると知って、楽しみでした。初日に行けず、初日は見たくてみたくて夢に出てきました。 前情報をできるだけ得ず、映画館に行きました。 冊子をもらって、監督が長野県出身と知りました。長野は自然の綺麗なところなイメージがあります。これまでの映画で、宇宙や、星空や、風景の描写が素晴らしいので、妙に納得したりしました。 宮崎県が最初に舞台として出ており、自分が宮崎に4年住み、祖父もい

戸締まりとクランクと夕焼けと帰宅について。

おととい、映画館にて、 『すずめの戸締まり』を観てまいりました。 映画の感想としてはね、なんだか、 ことばではうまく言えないんだけれども、 これは、もう、なんとゆうか、 おもしろいかどうかとかを飛び超えて、 すばらしかったなあー。 そして、映画を観てから、 映画のあらゆるシーンを思い出しながら、 頭の中で、ぼんやり、考えているの。 映画を観てから考えていることとして、 たとえば、なんだろうかなあ、それはさ、 『すずめの戸締まり』という そのタイトルにも記されているかのご

すずめの戸締まりの余韻を引きずる男

一昨日、新海誠監督の新作映画『すずめの戸締まり』が話題になってきたこともあり、公開1週間のタイミングでネタバレ回避のために見てきた。その作品が未だに少し心にシミのように残っている。新海誠はまだこんなものを作る力があるのか、ということに驚愕せざるを得なかったのだ。 一応言っておくと自分は新海誠作品はかなり見ている。新海誠展を観にわざわざ都内に出たほどではあるし、君の名はの聖地探訪に岐阜まで行っている。なんなら君の名は。の前に『秒速5センチメートル』を見ていたので、その映像美と

「すずめの戸締り」見てきたよ/わたしのアニメ語り

11月11日(金)に公開された新海誠監督の「すずめの戸締り」。公開から2日後の日曜日に見てまいりました。感じたことをいろいろと書いてみますね! 大ヒットを見込んでかなり上映回数の多い今作、午前8時10分からの上映を見に行くと8割ほどの埋まり具合。劇場版「鬼滅の刃」よりは少し余裕がある感じかなと思いました。ま、劇場版「ソードアートオンライン」よりは確実に入っているでしょう(泣) 前作「天気の子」では様々な理由で拒否反応を示したワタクシ。今作を見終えた後の率直な感想としては「