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学歴は小卒だからね、苦労はあったよ

パラグアイへ(06年1月7日) 中1の修了式後に「たった一人の卒業式」が行われた。同級生が「私は3年生より2年早くこの中学を離れなければなりません。パラグアイに行きます」と挨拶した。

当時、借金を背負った家族(詳細は不明。このように記憶している)や、パラグアイで心機一転という家族が日本を離れた。その中に近所の家族もいたが、移住後の近況を知っている人はいなかった。

一人で「卒業式」をした同級生は、船で約50日間かけ異国の地を踏んだ。長い船旅のため、船中では皆とスペイン語の講義を受けた。日常生活で困らないようにとの配慮からで講師陣もそろっていた。

※あれから約50年、同級生は「学歴は小卒だからね、苦労はあったよ」と振り返る。パラグアイに渡って3年目にジャイカの職員となる。退職後の09年5月18日、東京で再会した。飛行機を乗り継ぎ約39時間かかる。帰り際「もう日本に来ることはない。お元気で」と言った。

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