急須猫

普通の人間でありたい50歳目前の男です。 結婚もしてないし、もう僕の跡継ぎもいません。…

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普通の人間でありたい50歳目前の男です。 結婚もしてないし、もう僕の跡継ぎもいません。 僕が生きていた証を残したいからはじめました、とか重い話とかあんまり好きじゃないので、ごくごくふざけて書いていこうと思います。お察しの通り、カレー好きです。

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    人生色々あります。 みなさん、ドラマティックな人生を送られてると思います。 でも僕はここですごく薄い出来事を残していきます。 その薄さを楽しんでもらえたら幸いです

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最近の記事

家の裏のエイリアン

僕は蜘蛛が苦手です。見るだけで体が震えるくらいです。蜘蛛そのものも、もちろん駄目ですが、蜘蛛の巣がまた同じくらい嫌いです 世の中には蜘蛛が好きな方もいらっしゃるでしょうが、その方に一日蜘蛛の素晴らしさを説われても、無理ですという自信があります 話は幼稚園の頃です。 うちは誰も免許をもってない時期があったので、移動はほとんどバスでした。 その日も母親に連れられてどこかお出かけすることになり、停留所でバスを待っていました。 多分春の気持ちのいい午後で、僕はバス停にじっとしておれ

    • 見知らぬ隣の人

      僕は今現在、初老を終える年齢で、離婚経験があり…まぁ寂しい人生を一人送ってる者です。 それはそれとして、 若い頃には彼女がほしい、誰かとお話したいと恋い焦がれているよくいる人間でした。 今現在はおかげさまで、それを過ぎて悟りの極地を迎えさせていただいてます、 いや、そうじゃなくて、若い頃熱くパートナーを求めていた頃のお話。 ある週末の午後、僕は例によって映画を一人で観に行ってました。週末の混雑した映画館、そこそこの話題作なので席は8割埋まってました。 僕の隣には面識もない、

      • マスクの力

        マスクしている人が減ってきました。コロナに対する一定の収束感、安定感への当然の流れかもです。 電車でも2割くらいしかマスクしなくなりました。 僕はまだ買い込んだマスクがあるので相変わらずやってますが… 半年くらい前かな、マスクしてる人が7割くらいまでになってきた頃、都会の大通りで四人組の若い女性の人とすれ違いました。 マスクしない人増えてきたなぁと思いながら歩いてたので、必然的に人の顔をじろじろ見てる状況だったのですが、その中の一人の女の子の口元に大きな傷があるのに気づきま

        • 猫の忘備録

          薄れ行く記憶を呼び止めるために書きます。 覗いてくれてる人がいるなら、あまりいい話ではないので見ないことお勧めし、でももし同じ病気の猫がいたなら優しく接してもらうことを目的としても書きます。 僕の猫は21年間という「短い」生涯を閉じました。 幸せだったのか?その答えは現時点でマイナスの意見しか思いつけませんが、少なくとも僕は幸せでした。  猫の様子に違和感を感じたのは4ヶ月前くらいだったと思います。歯ぎしりが多くなって、口の片方からよだれを流すようになりました。それで

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          猫を飼ってない人間

          僕は生まれてから半世紀、ずっと側には猫がいた。 ある時期には犬もいたのだが、猫に関してはずっと猫と共に人生を歩んできた。 しかし、今、僕の側には猫がいない。 数週間前に精一杯の介護も実らず…いや何か足らなかっただろうが、とにかく猫が失われてしまった。 数年分の涙をこの日消費して猫を悼んだが、どれだけ涙に暮れようと悲しみは癒えることはないように思えた。 僕は今まで側にいた猫、犬を看取ってきた。ランク付けなんて出来なくて、どの猫犬もひどく悲しくて今もってどれも同じくらい悲しい。

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          レディオヘッドの罪

          ロミオ+ジュリエットという映画がある。 シェイクスピアの戯曲で舞台や映画など数多くの作品がある。 その作品群の一つ、バズ・ラーマン監督製の映画が公開されてたときの話。 映画はレオナルド・ディカプリオとクレアディンズ主演で、舞台を現代に置き換えられた設定になっている。 しかしセリフ自体はほとんど変えられてないので、その洗練された言葉の数々は今でも新鮮、当時初めてロミオとジュリエットに触れた僕はすごく感動した。 また若者が見てもスタイリッシュな映像と売れに売れたサントラが物語ると

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          優しい世界

          少し前の話なんだけれども、そろそろ終電が気になる時間帯のある駅でのこと。 一人の大柄な女性が線路をずっとのぞきこんでた。 すこし焦った風の彼女をなんとなく見たら、まぁひと目でわかる女裝の方だった。 大柄の「彼女」はきれいにメイクをして、作り物の様な髪の毛をしていた。少し時代かかった服装は大柄の彼女をより際立たせていた。 つまり目立っていたのだ。 色んな人がいるんだなぁ思いつつ、離れたところで観察してたら駅員が長い棒を手に彼女に走り寄っていった どうも線路になにかものを落とし

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          お父さんは強い

          まだゲームセンターが強かった頃、 大きなショッピングセンターのゲームコーナーに立ち寄って見たときのお話。 ストリートファイターに代表される格闘ゲームが売れに売れた時代、そのゲームコーナーも格闘ゲーム一色だった。 大体は対面式に筐体が設置してたあって、一応対戦相手の顔が見えない配慮がしてあった。 そこに小学生低学年だろうか?父親を引っ張るようにゲームコーナーに親子がやってきた。 低学年の男の子は父親を隣に座らせたまま、格闘ゲームを始めた。 まぁ低学年だから、そんなにうまく操作で

          お父さんは強い

          煽り運転

          僕はかなり普及してるファミリーカーに乗っているので、結構煽られる。 盲目的にこの車種は遅いと思われてるのか、後に着かれた瞬間抜こうとする。一般道でもごく一般的なスピードで走っててもベタ付きされる。 まぁ実際遅めに走ってるし、前の車と車間取りたい派なので「遅い車」と思われるのだろう。 実際遅いのかもしれないので迷惑かけてることもあると思われる。 さて、ある気持ちのいい休日、のんびりと田舎道を走っていた。 窓を開けて走ってると気持ちのいい風も入ってくるし、どことなく草木の匂いも

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          怖い話はあるもんで

          10年ほど前の出来事である。 友人と車で田舎町を走っていた。 月の出てない初夏の頃、時間は23時くらいだったかと思う。 昼間さんざん車で走っていて、ふたりとも少し疲れていた。特にあてのないドライブなので、流石にちょっとどこかに停めて休憩しようか?という話をしていた。 もう真夜中に近いし、外灯が極端に少ない田舎道、そこでなんとなく余興で怖い話を二人で披露し合ったりしていた。 どれも大した話ではなかったのだが、真っ暗なこの田舎道ではなかなかの怖さだった。 少し空気もひんやりして

          怖い話はあるもんで

          父のことば

          僕が幼稚園かそれくらいの頃だったと思う。僕は父に連れられてどこかにお出掛けすることになった。 父は優しくて、頼りになる存在だった。そしてごく当たり前のように父が大好きだった。だから多分僕はうきうきと僕は父の後ろについていった。 僕らの移動手段はいつも歩きか公共交通機関、そしてこの日はバスだった。バスがやって来て僕らは車内に入る。 当時の僕は幼くてとてもどんくさかった。それは今も、なのかもしれない。まぁ、それは置いとくとして、とにかく鈍くさい僕だった。 その時も父はすぐに座席

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          ここにもある出会い

          薄暗い階段を降りて僕は店に入る。様々な電子音が小さな店内に反縦横無尽に反射していた。 僕はすぐに店の中を見渡す。よかった、いた。彼女は今日もグラディウスⅡの筐体の前に座ってる。 夕方のゲームセンター。賑わう時間のはずなのに今日は人が少ない。 今日は雨も降っているし、そんな日に町から離れたこんな場所には誰も来ないんだろう。 しかしそれでも彼女はそれが自らの義務のように今日も来ていた。 僕は彼女が近いという緊張感の中、少し離れた筐体へと向かった。 そこには僕がよくプレイするゲーム

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