小手先のテクニックは通用するのか。園と私の朝ごはん攻防

保育園の先生が怖い。
ある日夫が呟いた。
特に園長先生が怖い。
彼女は猛禽類の目をしている。
…らしい。

ハードな保育園という職場で働き、園長先生まで上り詰めたお方だもの。
タフでないはずはない。

以前の記事でもさらっとお話しているが私の夫は仕事をしていないので、仕事をしている私に変わって平日の育児の大部分を担ってくれている。

保育園への送り迎えももちろん夫の担当だ。
夫曰く、お迎えに行くと必ず何か一言チクリと指摘をされるというのだ。

それにわずかにでも夫が言い訳をするとキッと鋭い目を向けられる。
しかし次の瞬間にはビジネスライクな満面の笑顔に戻っているというのだ。
それが余計に怖い…
夫は肩を落として言った。（私の夫はとっても繊細ｗ）

昨日は、朝ごはんのメニューに多様性がないと言われたという。
我が家の子供の平日の朝ごはんは、散々検討した結果、みそ汁とごはん、それに牛乳と決めていた。（加えて時々納豆プラス）

みそ汁はアマノフーズのフリーズドライみそ汁を採用した。
非常においしいと評判のお味噌汁で、具材もバリエーション豊かだ。

アマノフーズ フリーズドライ 味噌汁 いつものおみそ汁 15種30食 詰め合わせ 国産乾燥野菜 セット 常温保存

子育て世代の朝は忙しい、これで十分ではないでしょうか？
朝食だけで多様性を実現させるのは、共働きが主流のこのご時世にちょっとハードルが高すぎやしませんか？（自信がないから急にですます調になる）

栄養バランスに関しては一日で考えるのではなく、一週間トータルで考えればいいと思っているが、それを私から園長先生に伝える機会がない。
夫は園長先生の前に出ると蛇に睨まれた蛙だ。

多くの保育園と同様に、わが保育園でも子供の養育状況を記録したノートを毎日提出しなければならない。
夫が記載しているノートを確認すると、朝食の欄に「みそ汁・ごはん・牛乳」とのシンプルな記載が続いていた。

うーん、なるほど。
これは確かに見栄え的によろしくない。

嘘を書いてはどうか、一瞬暗い考えがよぎり私はあわてて首を振った。
全くの事実無根な嘘は心情的にもつきたくない。
私は根が真面目なのである。

よっしゃ！
夫からペンを奪い、ノートに記載した。
朝ごはん：みそ汁、ごはん、ほうれん草、牛乳。

これでどうだい！
私は鼻息荒く夫にノートを見せた。

しばらくほうれん草がどこから現れたか考える夫。

ほんとにたっぷり入っているのよ、ほうれん草が。

私はにんまり頷いた。
アマノフーズ様のお味噌汁はバラエティー豊かなのだ。

ほうれん草の味噌汁、茄子の味噌汁、小松菜の味噌汁、ごぼうの味噌汁…
それをひとくくりに「みそ汁」と記載したのが敗因だ。
出そう！外に出そう。積極的に出していこう！

明日の記載は決まった。
みそ汁、ごはん、里いも、牛乳だ！

ほんとに柔らかいのよ、里芋が。

嘘は嫌いだ。
でもこれは嘘ではない。工夫だ。

この小手先のテクニックで百戦錬磨の園長先生の、経験と実績に裏打ちされた重たい一撃をかわせるか…

養育ノートを抱えて夫は先ほど保育園にむかった。
ご武運を祈る。