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浮世絵VS.写真【新人読書日記/毎日20頁を】(80)

『歌川広重の声を聴く』、読了です。

“Today everything exists to end in a photograph.”

Susan Sontag 「On photography」

スマホのシャッターを押すだけで、誰でもいつでも好きな景色を保存することができる時代において、人々が風景に託した思いは、江戸時代とどんなふうに変わったのでしょう。名所を宣伝するための浮世絵には、そのものに取り上げた場所の風景に気づいてほしい情熱と、風景から独立した芸術の美が含まれているからこそ、鑑賞する趣があります。絵師の「目」と「技」を通じて風景の「美」を知るより、今の私たちは自分の「目」と「技」で「美」を発見し、データ化することが日常になりました。手にすることの容易さに、「美」に飽きる傾向が潜んでいるのではないかと思います。


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