本当の幸せって?韓国ドラマ『SKYキャッスル 上流階級の妻たち』を見て
毎回毎回、胸が痛くなり、一体どうなってしまうのか・・・
そんな思いを抱きながら見た韓国ドラマ『SKYキャッスル 上流階級の妻たち』
タイトルから見て、裕福な家庭の奥様達が、優雅にお茶でも飲んでいる穏やかなストーリーと思っていた私は、完全に打ちのめされた。
一言でいえば、上位0.1%の富裕層しか住めない高級住宅街で起こる、子どもの大学受験を軸にしたドラマだ。ここに、夫たちの出世、昇進などがからみ、欲望、嫉妬、愛憎が渦巻く。
医師の夫を持つ主婦のソジンは才媛の娘イェソを何としてでも、名門ソウル医大に入学させたいと、あらゆる画策をしていく。
私は、ここまですべてを犠牲にして、一流大学に入ることが当の子どもにも、家族にも幸せなことなんだろうか・・・と強く思った。勝つためには、相手がどうなろうとかまわない。自分が勝たなければ、輝かしい未来はないのだと、イェソやソジンは考えている。
確かに以前教えていた韓国人男子学生は、「韓国では大学を出ないと話にならない。加えて、よりレベルの高い大学に行かなければ、就職が厳しい」と言っていたのを思い出した。この学生は、大学は出たものの、国で就職がうまくいかず、日本留学で+αのものをつくるべく頑張っているとのことだった。
ドラマの中では、主婦仲間のジニの一人息子スハンが勉強のプレッシャーから家出。危うく交通事故にあいそうになるところを、同じSKYキャッスル住人の温厚誠実な神経外科教授・チヨンに助けられる。ジニはただただ息子が助かったことを泣いて喜ぶ。
勉強嫌いのスハンは、ジニに「生まれてきてごめんね」と言った。子ども心に、勉強ができない=ダメな人間=親不孝だと思っていたのだろう。私は、思わず泣きそうになった。勉強ができないというだけで、なぜここまで追い詰められなければならないのだろう?なぜ生まれてきたことに、罪悪感を抱かなければならないのか?
幸せって、人それぞれ違うもの。もちろん、勉強が得意で一流大学目指すのも素晴らしいと思うし、自分が夢中になれるものに存分に人生をかけるのも、本当に素敵だと思う。
要は、親は親。子どもは子どもの人生なのだ。親が子どもの人生を一方的に決めるなんて、できないのでは?と思ってしまった。
このドラマでは、受験や出世に対してだけにしか興味がない人物もいれば、温かく子どもたちを見守る大学教授の妻・スンヘや、やりたいことを見つけて好きに生きる娘のセリもいる。
現代社会に生きる私たちの心を鋭く描いたドラマSKYキャッスル。韓国の有名三大学の頭文字S・K・Yをタイトルにしているのも興味深い。
心に深く残るドラマだった。
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