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言葉と語感とラーメンズ

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2020年11月の記事一覧

言葉と語感とラーメンズ#4 第6回公演『FLAT』後半

言葉と語感とラーメンズ#4 第6回公演『FLAT』後半

『FLAT』のコント全10作品のうち、後半5作品の話です。

6.新橋駅をご利用のみなさん だったら騙し通してよ~!

「言葉巧みに騙す」というとあくどさを感じますが、
相手を慰めるために「騙されたふりをする」という優しい「騙す」も存在します。
「騙され通してよ~」ではなく「騙し通してよ~」というあたりに、
立場の逆転を知った残念感が表れていると思います。

7.お引越しちょっとはクスリが効いたか

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言葉と語感とラーメンズ#7 第8回公演『椿』前半

言葉と語感とラーメンズ#7 第8回公演『椿』前半

『椿』全9作品中、前半5本のお話。

1.時間電話過去と未来を無視して、現在を消すんだ!

星新一のショートショートを彷彿とさせる作品。
「時間電話」という言葉から、どんな電話を想像しますか?
・時(とき)を越えて、過去や未来の人と通話ができる電話
・一定時間しか通話が出来ない電話
・「時間そのもの」と通話ができる電話 etc…
一つの言葉でも、解釈の仕方で物語が広がります。
ちなみにドラえもんの

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言葉と語感とラーメンズ#6 第7回公演『news』後半

言葉と語感とラーメンズ#6 第7回公演『news』後半

『news』全9作品中、後半5作品のお話。

5.私の言葉が見えますか(弱気)僕だって、カッコ悪くて、取り柄が無くて、周りの人に気をつかわせてばっかりで、価値の無い人間なんだ、、、
なんて相手の人に思わせてしまうほど、価値の無い人間なんだ、、、

弱気、と言うより、もはや卑屈な2人の対話。
価値の無い人間って、どんな人間でしょう?
そもそも人間の価値とは?
わたしも「自分は価値のある人間か?」と自

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言葉と語感とラーメンズ#5 第7回公演『news』前半

言葉と語感とラーメンズ#5 第7回公演『news』前半

『news』全9作品中、前半4作品のお話。

1.私の言葉が見えますか
正確には、言葉の意味を見ている感じです。

相手の姿は見えないけれど、声は聞こえる。というより、言葉が見える。
それは、黒い画面に文字が流れていく、字幕のような感じなのでしょうか?
想像するに、この二人の会話は台本のセリフ(言葉)とト書き(言葉の意味を含む外部情報)のように見えているのではないかと思います。
例:わたし「私の言

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言葉と語感とラーメンズ#3 第6回公演『FLAT』前半

言葉と語感とラーメンズ#3 第6回公演『FLAT』前半

『FLAT』はコント作品が全10本と多いので、前半5本、後半5本に分けます。

1.初男「どうも。初男(はつおとこ)です。」
「……もうそんな季節かぁ。」

ある季節にのみ現れ、季節を特徴づける現象を「季節現象」と言います。
例えば、冬の初雪、初霜、初氷。
意外にも初○○というのは、他の季節現象には出てこない言葉です。
作中ではお餅が出てくることから、「初男」は冬の季節現象と推測されます。
ちなみ

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言葉と語感とラーメンズ#2 第5回公演『home』

言葉と語感とラーメンズ#2 第5回公演『home』

1.無用途人間

誰か私たちに、しなきゃいけないことをください!

「しなきゃいけないこと」を考えた時、2つの言葉が浮かびます。
一つは「義務」。もう一つは「使命」。
「義務」は受動的な事のように感じるのに対し、「使命」は能動的でプラスイメージの響きがある。
同じ「しなきゃいけないこと」でも、どちらで捉えるかによって行動意識が変わってきます。
また、作中で「生きる希望」という言葉が出てきました。

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言葉と語感とラーメンズ#1

ラーメンズ作品の面白さを思うままがに綴るシリーズです。

以前の記事で、言葉のオモシロさを感じるようになった背景の一つにラーメンズの存在をあげました。

noteを始めたことをきっかけにして、

改めてラーメンズ作品を「言葉」「語感」といった観点から鑑賞。

気に入っているところを取り上げながら、それぞれの作品から感じることを書いていきたいと思います。

実際に作品を見られるのが良いと思いますので

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言葉と語感とラーメンズ。

「言葉」について考える時、

純粋に「言葉」「語感」を「オモシロイ」と思うようなったのは、ラーメンズの影響が大きいです。

ラーメンズ・・・小林賢太郎と片桐仁の2名からなるコントユニット。

その名は知らなくても、「千葉!滋賀!佐賀!」というフレーズなら知っている人もいるのではないかと思います。

ラーメンズのコントは、美しい。

コントというよりも、短編小説、もしくは舞台作品を見ている感じになり

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