言葉と語感とラーメンズ#7　第8回公演『椿』前半

ラーメンズ第8回公演『椿』

『椿』全9作品中、前半5本のお話。

１．時間電話

過去と未来を無視して、現在を消すんだ！

星新一のショートショートを彷彿とさせる作品。
「時間電話」という言葉から、どんな電話を想像しますか？
・時（とき）を越えて、過去や未来の人と通話ができる電話
・一定時間しか通話が出来ない電話
・「時間そのもの」と通話ができる電話　etc…
一つの言葉でも、解釈の仕方で物語が広がります。
ちなみにドラえもんのひみつ道具には、手ぶくろ電話という道具があります。

２．心理テスト

これで何が分かるかってと言うと、あなたの寿命が分かります。

心理テストの結果をどれくらい信じますか？
不思議と、あぁなるほど確かに当てはまるなぁと納得する事もあるでしょう。
誰にでも当てはまるような事を検査や占いの結果として提示されると、
自分に当てはまると判断されやすくなる現象を、「バーナム効果」と言います。
わたしたちは自然と言葉に操られているのかもしれません。

３．ドラマチックカウント

十、九、八、七、六、五、四三二、一零！

数字、四季、50音をこういう形でコントに料理するという発想。
言葉の解釈と使い方が多様な作品を生み出す賢太郎さん、ほんと素敵です。

４．インタビュー

お前は舌で色が分かるのか？

舌で色が分かる…すごい能力ですね。
「味覚色」という言葉があります。
甘味、酸味、塩味、苦味、辛味などの「らしさ」を色で表したものです。
例えば、甘いものはピンク系統、酸っぱいものは黄色系統、辛いものは赤系統といった具合です。
本編とは全然関係ありませんが、作品の中で気になった言葉について調べていると、新しい知識が入ってくるので面白いです。
それにしてもこの作品に出てくる2人は、ラーメンズ作品の中でもなかなかにキャラが強い。

５．心の中の男

心が、おどるぜー！！！

同じ「おどる」でも、漢字で表すと「踊る」と「躍る」の二つがあります。
この二つの違いはなんでしょうか？
「踊る」…音楽やリズムに合わせて体を動かす。
「躍る」…飛び上がる。飛び跳ねる。喜びや期待、興奮の感情で鼓動が高まる。
前者は音やリズムを伴うような体の動き、後者は跳ねることや感情の動きを表す際に使います。
「心が躍る様子を表す踊り」とは、まさしく仁さんのような動きなのでしょう。

後半へつづく。

ではまた。