『ミステリと言う勿れ』 7 田村由美
このマンガは誰に勧めても評判が良い。男性だったからかたまたま田村由美さんを読んでいなかったマンガ通にも、70歳の母の評判が良かった。母が貸した友人たちにも評判が良いというミステリマンガ。一言で言えば「面白い」なのだけれど、色々な側面において素晴らしいので「評判が良い」という表現にさせてもらう。
7巻は密室殺人のような、山小屋での事件。今回のエピソードで「ミステリ」的に鮮やかなのは、一つではなく複数の企みを主人公の整(ととのう)くんが浮かび上がらせること。私はミステリに詳しくないのだが、こういうしつらえもあるのか、ととても快感だった。
しかしながら『ミステリと言う勿れ』の真骨頂は、自分なら普段見過ごしてしまうようなささやかな出来事を、整くんが流さずに言葉にするところ。そういえば私も感じた違和感を、彼はそっと手のひらに乗せて見せてくれるよう。不思議なんだけれど、自分の本当の気持ちに耳を傾けられるような、間がある。そんなマンガはそうそうない。
7巻も見事なものを読ませてもらいました。ああ、快楽。
マンガ464.『ミステリと言う勿れ』 7 田村由美
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