『キラキラ共和国』小川糸
JULY 12, 2018 Instagram掲載
鎌倉にある小さな文房具屋さんは代書を承っていて、鳩子さん(通称ポッポちゃん)が営んでいる。1冊目の『ツバキ文具店』に続いてシリーズ2冊目が出た。嬉しい!
代書ってどういうこと?ラブレター、絶縁状、離婚の申し入れ、借金のお断り、初めての母の日の手紙などなどを彼女が書いてくれるのだ。代書の依頼のためお店にやってきたお客さんは、ポッポちゃんが出す季節の飲み物(番茶や自家製レモネードなど。おいしそう!)を飲みながら、それぞれの事情を少しづつ話しはじめる。
そこから、ポッポちゃんは便箋や筆記用具を選んで(毛筆、万年筆、廃盤になったペンなど)、文章をしたためていく。正直、代書をすることで全ての問題を解決したり、想いを伝えることはできない。その時にできること、ベストだと思うことを手紙の形にすることしかできない。
彼女の手紙には、もうこの世にいない人に宛てたものや、もういない人からの手紙もあったりする。死んだ人は生き返らないし、手紙なんて嘘っぱちだと依頼主もわかっていても、どこかに拠り所が欲しいときもある。誠実で繊細、そして温かいポッポちゃんが気持ちに寄り添ってくれることは、気持ちを軽くする。本当は自分で手紙を書くのが一番いいけれど、1人で抱えるくらいならポッポちゃんに助けてもらうのがいいと思う。
今回、その代書屋のやり取りに加えて、ポッポちゃんの家族について新しいストーリーが加わってきた。まだ回収されていないお話が残っているので、続きがまた出ることでしょう。楽しみ。
35. 『キラキラ共和国』小川糸
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