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読書記録_本

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読書(漫画以外)の記録。 名前が覚えられないため、外国の本があまり読めない。まほろ市出身。 Instagramにも載せています。 https://www.instagram.co… もっと読む
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2019年11月の記事一覧

『ののはな通信』三浦しをん

『ののはな通信』三浦しをん

授業中に手紙を回す、というコミュニケーションを今の女子中高生はするのだろうか。全然想像がつかない。スマートフォンでLINEをこっそり送るほうが簡便な気がする。私の時はルーズリーフなんかにどうでもいいことを書き連ねて、六角形とかハート型にかわいく折って回していたっけ。この話の主人公「のの」と「はな」は女子校に通い、授業中に手紙を回し、それでも足らずに郵便で手紙を送りあう。

頭がよくて庶民的な育ちの

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『賢者の石、売ります』/『科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました』朱野帰子

『賢者の石、売ります』/『科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました』朱野帰子

『科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました』とタイトルを改名した小説がTwitterでバズっていたので、読んでみた。図書館にあった元のタイトルの方だけど。私にとってとてもタイムリーな本だった。

あらすじは改名後のタイトルが示す通り。主人公の賢児は子供の頃から科学が好きな文系科学オタである。彼が「似非科学」とされるマイナスイオンをはじめとした美容家電の部署に異動になり、科学的根拠がない製品を断

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『僕は僕のままで』タン・フランス

『僕は僕のままで』タン・フランス

日本版『クィア・アイ』を見て、すっかりFab 5が好きになった私。みんな優しいし、かっこいい。中でもグッときたのはヒーロー(変身するターゲット)が、言葉にならない思いを少しずつ口にしていく様を、じっと見つめながら、手を握ったりしながら決してせかすことなく、待っている彼らの姿。その眼差しに愛を感じたし、その奥にある彼らのタフな人生もうっすらと感じた。好きな人が同性というだけで、タフな経験を経てきただ

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『女と猫は呼ばない時にやってくる』小池田マヤ

『女と猫は呼ばない時にやってくる』小池田マヤ

今日はあなたに手紙を書きます。
…というのはクラムボンの『便箋歌』という歌の歌い出しです。クラムボンが好きかは知らないけれどサニーデイサービスは好きっていってましたよね。
「私が好きそう」と教えてもらったマンガ、読んでみました。関西から転勤で東京に来た会社員の通称ヒラリーが、高円寺に住んで、飲食店の常連さんたちと仲が良くなっていく、そんなお話。うん、まずタイトルがしゃれてる。『女と猫は呼ばない時に

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『居るのはつらいよ』東畑開人

『居るのはつらいよ』東畑開人

飲み会で、一次会が終わって二次会に行くまでのダラダラした時間が本当につらい。なんでみんなうまい具合にグループに分かれて絶妙に軽やかなおしゃべりができるんだろう。それ、才能だから。私は別に酒が大好きなわけではないからもう十分。さっさと家に帰ってお風呂に入って布団に入りたい。明日睡眠不足にもなりたくない。お腹も一杯だし今日はもう疲れた。適当にあいづちを打ちながらあと2時間を過ごすくらいなら、一瞬の勇気

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『繕い裁つ人』1〜6巻 池辺葵

『繕い裁つ人』1〜6巻 池辺葵

寒くなってきたのでコートを出した。つり革を握るときに、腕を上げにくい。きっと市江さんならそういうコートは作らないだろう。

祖母から継いだ仕立て屋「南洋裁店」を継ぐ娘、市江。彼女の仕立ては品が良く、セレクトショップに並べると即日完売。遠方からのオーダーも増えている。大手有名百貨店の企画部の青年 藤井は彼女の服を仕入れようとするが…というところから物語が始まる。

幼馴染でセレクトショップを営む牧さ

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