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教師が定時に帰るのは「無理ゲー」か

仕事帰りの方は1日お疲れ様です!これから、仕事・仕事中という方は応援しています♪ 記事を読んでくれてうれしいです。共育LIBRARYというブログを運営しているりょーやん、元教師です。

「忙しい」と言われている現代の教師。その教師が「定時に帰ることができるのはもはや無理ゲーなのか?」

そんなテーマで、今回は記事を書いていこうと思います。

まず前提条件として、教員の会議の拘束時間は定時をオーバーすることは絶対ないように組み立てられています。(オーバーする学校もあるかもしれませんが・・・)

ですから、定時になって個人の仕事に目途がついていれば帰れるという条件は整っています。ただ、「条件が整っている」と「実際に帰れる」は別問題です。

さあ、定時に帰ることができる教員はいるのでしょうか!?

そもそも定時で帰っている人はいるのか

教員で定時に帰っている人は現実にいます。平均して、1~3割の教員は定時に帰っているイメージです。

「えっ?意外に多いじゃん!」と思われた方もいると思いますが、これには様々な事情があります。

定時で帰る人は2種類

定時で帰る人は2種類います。それは、「帰らざるを得ない人」「仕事が速くて帰れてしまう人」です。

「帰らざるを得ない人」は、ママさん先生がメインです。お子さんの幼稚園、保育園の送り迎えがあるため、早く出ざるを得ません。

もちろん、奥さんと交代で送り迎えをしているパパさん先生もいます。

このような立場である先生たちは、低学年を担任することが多いです。低学年は、テストの内容が簡単なので、丸付けもすぐ終わりますし、授業時間がそもそも少ないので、事務作業ができる時間も多いです。

子育て中の先生は、学校運営の仕事を軽くしてもらえ、授業や学級経営の仕事に専念できる要素も多い。

ですので、定時に帰っても何とか成り立たせることができるのでしょう。

しかし、朝は、保育園や幼稚園に送ってからくるので、勤務時間ギリギリ、もしくはフレックスで少し遅く出勤し、一呼吸する間もなく、教室に行って授業をしている姿を見ると、「なんたる切り替え力」と驚愕してしまいます。

さて、本当に凄いのはもう一方の方です。教員で「仕事が速くて帰れてしまう人」のステータスは化け物クラスです。

このような人は、周囲から「仕事ができる」という認識なので、比較的大変な学年・クラスを受け持ったり、負荷の重い学校運営の仕事を任されたりすることが多いです。

周囲から見ても、「めっちゃ仕事あるじゃん!振り過ぎでしょ・・・」と分かる仕事内容でも、定時になると「失礼しまーす」とひょうひょうとして職員室を出て行きます。

「今日はたまたま早く帰る日なのかな?」と思いきや、次の日も、その次の日も定時近辺の時間に帰っていく。その上、仕事が滞っているようには見えない・・・

「一体、いつ仕事をしているのか?」

とても、同じ人間には思えません・・・。

しかし、そんな筆者も、そのように仕事が速い人のノウハウを教えてもらい、所属している全国展開のNPOの仲間からも、様々な仕事術を学んできた結果、新卒1年目の200~300時間の残業時間が、月20~30時間に減るようになりました。

(途中で部活動が完全に民間委託になったのが最も大きいですが・・・)

そこで、仕事が速い人の仕事術と、筆者の経験やノウハウを少しでも伝えられたらと思います。

仕事が速い人の特徴

❶「時間」を「未来」に投資している

「時間」を「未来」に投資するということは、すなわち、見通しをもって仕事をするということです。

とても仕事ができる方に教えてもらった仕事術の1つに、「4月に1年間の仕事を既に網羅しておく」というものがありました。

それを真似て作成したものが以下です。

年間の仕事一覧(前期)
年間の仕事一覧(後期)

ある程度何年生を担任するかを予想しておき、4月1日に担任発表が行われたら、2日には、この予定表を学年の先生分印刷して配るのです。

所々空欄にしてあるのは、その時点で、まだ正確な期日が決まっていないものです。

4月の2日目にして、1年間の方針、行事の大方の方向性、学年の仕事の担当などなどが決定してしまいます。

担当する仕事が決まるということは、後はその内容を、ゆっくりじっくり考えることができます。

最初に時間とエネルギーを一気に投入することで、後々、余裕のある時間を大量に生み出すことができる。その人の仕事のやり方を肌で感じ、吸収することができたのは、貴重な経験でした。

そして、これは授業にも同じことがいえます。筆者は各教科、各学年の授業用ノートを作成し、必ずそれを保管していました。さらに、授業を行って反省点があれば、そのメモも書き加えていました。

すると、次にその学年を受け持ったときに、反省点を生かし、非常に短い時間で、且つ、グレードアップした授業を行うことができるようになっていきました。

最終的には、国語、社会、算数などは、7割以上の授業をパワーポイントで作成し、それを学校中に共有して、誰でも使えるようにしていました。

新卒~5年目ぐらいまではとても時間がかかりますが、6年目ぐらいからは、嘘のように授業準備の時間が短縮されていきます。

その代わり、学校運営の仕事の比重が大きくなってくるので、若いエネルギーがあるうちに、未来に時間を投資しておくことをおススメします。


❷その場主義

その場主義は、その名前の通り、すぐにできる仕事をその場でやってしまうということです。

ちょっとした反省点を記入して提出する書類なら、説明が終わった途端にすぐ記入し、提出してしまう。

そうすると、仕事が溜まらなくなりますし、脳の記憶のメモリの負荷を少なくすることができます。

「あれもある、これもある」という脳の状態では、ベストパフォーマンスは発揮できないからです。

そして、これは授業でも同じです。

漢字ドリルの丸付けや、作文の添削なども授業中にやってしまいます。

「できた人から持ってきましょう。」と声を掛け、その場でサッと丸付けをしてしまうのです。

子どもからしても、すぐに正誤が分かり、直すことができるので、短いスパンでフィードバックを受けることができます。

ただ、「教師の都合で授業中に仕事をしてしまう」という視点が強すぎると、本来の授業の「力を付ける」という目標を達成することができません。

だからこそ、全部を丸付けするのではなく、授業の勘所を見極めて、その部分だけチェックするといった工夫をすることが必要です。

それには、教材研究の深さや、授業時間の組み立てなど、「授業の腕」が必要とされます。しかし、このような視点をもって、授業を行い続けていけば、きっと、それが分かるようになってくると思います。


❸会議は長くて30分

これは、教務主任という教師をまとめるリーダーのような役職の方から学んだ仕事術です。

会議は全員の時間を拘束します。会議の間は他の仕事は何も進みません。

様々な事情で早く帰りたい方もいるので、どんなに長くても30分で終えるという組み立てで会議を行っていました。

そのためには、以下のような工夫が必要だということが分かりました。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

①会議の開始時間と終了時間を明記しておく
②会議の資料は2日前には全員に渡す
③変更点のみをマーカーで目立つようにし、会議中は変更点のみしか検討しない
④会議当日までに内容を読み込んでおく
⑤資料に書いてある質問は答えずに「資料に書いてあります」で終わる

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

この「30分で終わる会議」は非常に快適で、たくさんの仕事の時間を生み出していました。

このことから、何事も「準備が9割」ということを筆者は学びました。

ですので、学年主任として、学年で打ち合わせをする場合も、必ず何かしらの資料を用意し、事前に配っておくようにしておきました。

その上で、「検討事項」という項目を作り、質問を受けながらも、話し合う議題を明確にするようにしていました。

資料を作っておけば、後から見返して思い出すこともできるので、周りの方々の確認の手間も省けます。

教師という仕事から転職した今でも役立っている仕事術です。


❹過去の資料はストックしておく

これは、多くの人がやっていることだと思いますが、「この先使えそうだな」と思う資料は全て、クラウド上にストックしておきます。

例えば、筆者の「google drive」には、以下のような項目が存在します。

グーグルドライブのフォルダ項目

過去に提出した書類、授業、指導案、学年始めの資料など、何から何までスキャンしたものを入れてあるので、いつでも迷ったら見返すことができます。

すると、人に尋ねるよりも、まず自分で調べるようになりすし、逆に人から頼られるようになったり、自分が主任になったときに、チームメンバーにすぐに資料を渡すことができたりします。

その積み重ねで、役職があがっていき、結果的に仕事が増えてしまう人もいますが・・・笑、バランスが大事ですね。


まとめ

結論をまとめると、教師が定時で帰るのは難易度は高いですが、「無理ゲー」ではありません。

ただ、定時で帰れるような方は、かなり早い段階で見通しを立てて、先へ先へと仕事を進めていることが共通点かなと思います。

先の仕事まで終えてしまっているので、その日に突発的に頼まれた仕事もすぐに対応できますし、常に余裕をもって仕事に臨むことができます。

ただ、このようなサイクルを作り出すまでに、筆者は6年間ぐらいの月日を目一杯使っていますので、焦らず、無理せず、適度に自分に甘くして、身体を大事にして教師という仕事をしてほしいと思います。

教員は、本当に毎日が激務ですので、少しでも現場の体制が改善することを願いつつ、筆者もできることを探していきます。

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最後まで読んでくださりありがとうございました!



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