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シューズレビュー【今回は長くなりそうなので前後編に分けます! ~アルトラ・DUO(デュオ)~ 前編~ 】

【今回は長くなりそうなので前後編に分けます!  ~アルトラ・DUO(デュオ)~  】

自己満足で書いておりますシューズレビュー、読んで頂いてありがとうございます。おうち時間が多くなり、なかなかランもできないと思いますが、次のシューズ選びやランニングへのモチベーションにつなげていただけたら・・・とても嬉しいです!



というわけで、今日紹介するのは、アルトラ(ALTRA)というシューズメーカーのDUO(デュオ)というシューズです!

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【そもそもアルトラというメーカーとは?】


そもそもアルトラというメーカー自体を説明していくと、前回のレビューで紹介したHOKA ONEONE 同様、2000年代に入ってから創業された新興のランニングシューズメーカーで、アメリカのユタ州が発祥となります。(2011年創業。)

創業された2011年頃のランニング業界では、

・シューズの過度なクッション性やサポートが人間の脚の筋力を弱め、脚にまつわる怪我を多くしている

・人間は原始より裸足で走ってきた、現在(2011年当時)でも裸足で長距離を走る/歩く民族もいる

・裸足に近い状態で走ることにより脚の筋力の強化が図られ、怪我も防げるのではないか?


といういわゆる”ベアフットランニング”と呼ばれるものがブームとして広まっており、売れたシューズも”いかに裸足に近いものであるか””ソールが薄底”であるかという所を追求したものが多かったように思います。(”厚底”が売れる現在とは真逆ですね~!)


そのような状況の中で、このアルトラも生まれた訳ですが、特徴としては、


①足指の部分をあえて拡げ、余裕を持たせることで指の動きが制限されないようにする(⇒外反母趾等の指の怪我を防ぐ、ランニングの際に指も使って地面をつかむように走れるようにして足部の筋肉により刺激をいれていく)

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②つま先とかかとのクッションの高さに差をつけず、シューズを履いていても地面に対して自然な姿勢が取れるようにする

(⇒これには逆説的な意味があって、他のメーカーのシューズにはランニングの時に”前傾姿勢”が取れるようにかかとは厚く/高く、つま先は薄く/低くクッションを入れることで”傾斜”がつけられており、自然と前傾姿勢で走っていることになる、それは人間の本来の自然に取れる姿勢ではないのではない、人工的に作られた無理のある姿勢なのではないか?という提起をしています。)


以上の2つをランナーに紹介しています。今日紹介するDUOを始めとするランニングシューズのみならず、カジュアルシューズや子ども用シューズも販売をしていますが、その全てが上記2つの特徴によって制作され、人間の本来の自然な姿勢で走ったり、歩いたりすることで、脚にまつわる怪我を防ぐという視点でランナーにその価値を提案しています。


【DUO レビュー ~前編~ メーカーとしての特徴と世の中のブームとのすり合わせに苦労した?と感じるシューズ】


という訳で、本題のDUOの紹介に入りたいと思いますが、まず結論から言いますと、このシューズ、「メーカーとして相当考えて、相当苦労して作られたシューズなのではないか?」と思っています。
(後編で書きますが、シューズ自体はとってもいいんですよ!ゆっくりジョギングからスピード練習まで幅広く使える、1足あればなんでも使えるシューズです!ただ・・・今回の前編はネガティブ感満載です。ご容赦ください。)

そう思った理由ですが、写真の”厚底ソール”。


まずはクッション、とっても多く見えますよね?でもクッションが多くなると、「人間として自然な走り・自然な姿勢」って維持されるのか?と。

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クッションが多くなることでその分着地した時には足がクッションに受け止められることで少なくとも身体が沈み、姿勢はその分歪むはずだし・・・・


さらに言えば、ソールのつま先がせり上がった形になっている感じ。(写真下)これは最近のどのランニングシューズにも見られる「ロッカー構造」と呼ばれるもので脚の蹴り出しと抜けが素早く出来るよう、つま先部を上に反らせる構造なのですが、これって足指が反りあがることにつながる=つま先の方がかかとに対して僅かではあるが上になることになってしまうのではないのか・・・とも思います。

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つまり、メーカーの特徴である人間の自然な姿勢・走りを実現するためには
「ソールは薄め」でかつ「かかとからつま先に余計な傾斜をつけない」ことが求められるはずなのですが、このシューズは


「ソールは厚め」でかつ「つま先にいくにつれて傾斜がかかっている」というメーカーがユーザーにすすめる特徴とはまるで真逆の造りをしてしまっている訳です。


このシューズがデビューした2018年の当時はまさにランニング業界に厚底ソールブームが起きはじめてきた時期。これまで多くのメーカーが推奨していた「ベアフット・人間本来の姿勢や走り方・薄底ソールのシューズ」の有効性は見事に忘れ去られ、「やっぱり厚底ソールの方が怪我を防げるし、何より記録も速くもなりそう」という認識が世の中に広まっていってしまった時期と重なります。

きっとメーカー側の企画も「メーカーとしてはこれまで通り人間本来の走りができるシューズを作りたい、でも世の中は厚底であることがブームになっていて、それに対応しなければメーカーとしては生き残っていけない」その矛盾の中で苦労をして作られたのではないかな~!と思わざるを得ないメカニズムを持っているのが、このDUOです。

ここまで超ネガティブ感満載でメーカーの方、そしてこのシューズを販売している皆様には申し訳ないです。

しかし一方で、このシューズ、見かけは厚底なんですけれども、それでも自然な姿勢・自然な走りを感じられるように、メーカーとしての特徴を見失わないように、工夫はたくさんされていますよ!

メーカーとしての特徴と世の中のブーム・・・この矛盾を解決するために、アルトラはこのシューズではどのような構造をもたせたのか? 

後編ではそのようなところに視点を当てつつ、このシューズを褒めちぎっていきたいと思います!

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