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仕事が進まないのは人が足りないから?成果に見合ったリソースを考えよう

私の職場は非常に忙しいです。

忙しいっていうのはどういうことを言っているかというと、「残業をいっぱいしているのに、仕事の成果が出ていない」という意味で言っています。

一人一人が忙しいと思っているかはわかりません。
ただし、少なくとも組織を客観的に見れば、残業をして時間をいっぱいかけているのに成果が出ていないということは、すなわち忙しいと言ってもいいのではないでしょうか。

では、私の職場における「成果が出ていない」とはどういう状態でしょうか?

私の職場は事業計画を担当していますが、ここでは、以下の2点を意味しています。
・業績が悪いこと
・社内の関係部署やトップが求める戦略を示したり情報説明ができていないこと
と私は考えています。

要は、「時間をかけても業績が悪いし、時間をかけても戦略や情報を示したり説明できていない」ということです。

これは由々しき問題です。
もちろん、トップや関係部署からのプレッシャーが厳しいものになってきます。
また、メンタルヘルスで休職する人や、転職していく人も出て、人員的にも減少してしまっています。

私の職場は100名ほど在籍していますが、その中の5名ほどの上位職制が集まって、この状況をどう打破するか、を話し合ったようです。

その結果、
「とにかく人が足りない。他部署から人を採ってくる」
という結論になったそうです。

実際、ここ3か月で5名ほどの転入者がいます。ほとんどが海外出向者の帰任者で、帰任先が他の部署に決まっていたにも拘らず、何らかの手段で私たちの部署に引き込んだそうです。

確かに人員が減少しているのは事実。業績が悪いからやるべき仕事が増えているのも事実。

でも、忙しいから人を増やせば解決する、というのはそうなのでしょうか。

この記事を読んでいただいている方は客観的にこの話を見てどう感じられますでしょうか?

私は、全く意味がないとは言いませんが、これでは解決しないと思っています。

理由は以下の2点です。
1.今やるべきではない仕事をしている人がいる
2.結論まで最短距離で仕事ができていない

一つずつ。

1.今やるべきではない仕事をしている人がいる

私の所属している事業は非常に古くからあり、かつ、会社の屋台骨事業でした。そのため、仕事も非常に成熟してきており、過去から続いてきた手法があります。

その方法を引き継ぎ、一生懸命作業をしている人が大勢います。もちろんその方法でうまく回ってきた時代がありますから間違いではありません。

しかし、今、我々の事業は苦しくなってきている、という状況です。少なくとも、今までと同じやり方では下降の一途です

それでも、ただ過去と同じ方法で仕事をやり続けている人が少なからずいるのが私の部署です。

2.結論まで最短距離で仕事ができていない

先ほど述べたように、私たちの事業は大きな転換点にきており、これからどうしていくか、様々な議論をしなければいけない局面です。
その議論を仕掛けるべく、様々なデータや仮説を検証していかねばいけません。

そんな時は、正解のない仕事をしますから、色々試行錯誤します。
試行錯誤するので、手戻りなどがあるのは当たり前です。しかし、作戦なく思い付きで分析するがために、何を検証したいのかわからず、ただエクセルで計算しているだけ
、という人がいます。

自分たちが出すべき成果を定義し、そのための作戦を考える。

確かに、業績が下がってくると、やることは増えます。
しかし、一方で、業績を良くしなければいけませんから、支出を増やすわけにはいきません。

そんな中で、「忙しいから人を増やさないと」というのは支出を増やしていることに他なりません。

もちろん、必要なことにリソースを投入するのは作戦としてありでしょう。
しかし、その前にお金を使うことありき、なのは問題です。

自分たちが出すべき成果をしっかり考え、定義し、それに見合った投入リソース(支出)を見積もった結果、本当に使う価値がある金なのかを結論付けなければいけません。

よく、優先順位をつけよ、と言います。
これは解釈を間違えると、「やる順番を決める=全部やる」となってしまいます。
そうでなく、「やる・やらないを決める」ということが大事です。

そして、そのうえで「どれだけのリソース(時間=金)をかけるか」を考えなければいけません。

私の職場の状況は、仮にやる・やらないをきめたとしても、「やる以上は時間をかけてでもやる」という結論になってしまっています。

先ほどの
1.今やるべきではない仕事をしている人がいる
2.結論まで最短距離で仕事ができていない
でいくと、「やる・やらないを決める=1」で、「どれだけのリソースをかけるか=2」となります。

未知のことに対して仮説検証を繰り返して仕事をするにしても、無尽蔵に時間をかけていいわけではありません。

マネージメントとして、どれだけのリソースでやり切るかのイメージを持ったうえで、
「仮説検証をするに値する仮説か」
「検証するための戦略を練る」
といったことを考え、決断することが必要です。

残念ながら、私の職場ではそれがなされていません。
自分の職場のメンバーがどのように仕事をしていくかについて戦略を持つことがマネージメントの使命だと思いますし、マネージメントの仕事だと思います。

それができていないのを表している一つが、「部下に仕事を”振っていく”」という職場のスタイルだと思っています。
この「仕事を”振る”」ということのマズさはまた別記事で語りたいと思います。

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